竹中平蔵氏「パソナ会長」就任は「究極の天下り」「学商の独り勝ち」 | すくらむ

竹中平蔵氏「パソナ会長」就任は「究極の天下り」「学商の独り勝ち」

 [※ちょっと古い話題で恐縮ですが備忘録エントリーです]


 テレビの総選挙開票速報の特番に、竹中平蔵氏がメインのコメンテーターとして登場し、“他人事”のように解説をしていたのには驚きました。そのことに関連して、「週刊ポスト」(9/18)の「『自民壊滅』『死屍累々』のA級戦犯が…竹中平蔵『パソナ会長』就任、『年俸1億円』の独り勝ち」という記事は次のように指摘しています。


 総選挙投開票日の夜、竹中平蔵氏は饒舌だった。民放の選挙特番に出演し、かつての“元同僚”たちが次々と討ち死にしていく様を、「これが政治、小選挙区は怖い」、「自民党のオウンゴール」などと分析して見せた。(中略)


 「われわれへの逆風の理由は、小泉構造改革で生じた地方の衰退、貧富の格差に対する国民の反発です。その選挙戦の真っ只中に、こんな再就職を決めるなんて…。竹中氏は今は民間人だから、『やめろ』とはいえないが、開いた口がふさがりません」(自民党の江藤拓・代議士)(中略)


 181議席を減らし、一敗地にまみれた自民党。有権者が「NO」を突きつけた理由の一つは、「小泉構造改革」への反発だった。しかし、この政策の中心にいた人物は、古巣の壊滅的な大敗などどこ吹く風。あろうことか、自民党候補者たちが平身低頭の選挙戦を戦う真っ只中に、自身が政治家時代に推進した政策で成長した企業にちゃっかり再就職し、大金を手にしようとしている。(※引用はここまで)


 それから、「中日新聞」(9/8)は、「規制緩和旗振り役・竹中元総務相 派遣大手パソナG会長に 究極の天下り/ワーキングプア『原因作ったのに…』」という記事で次のように指摘しています。


 人材派遣最大手のパソナグループ会長に竹中平蔵元総務相が就任し、波紋を広げている。格差社会を生んだ元凶ともいわれる改正労働者派遣法。この法改正に深くかかわり、規制緩和の旗振り役として、派遣業界を急成長させた“功労者”が、ほかならぬ竹中氏であったからだ。「これぞ究極の天下りか」と首をかしげる向きは少なくない。(中略)


 この就任を「どう考えてもおかしい。出来レースというか、自己取引みたいなもの」と批判するのは、経済評論家でもある明治大の高木勝教授(経済政策)だ。


 竹中氏は、小渕内閣の経済戦略会議委員を務め、「労働者派遣の原則自由化を一刻も早く打ち出すべきだ」と提唱。小泉内閣の経済財政担当相だった2003年には、製造業にまで派遣対象業種を拡大した改正派遣法が成立した。


 「多様な働き方という美名のもとに、労働者を好景気では雇い、悪くなれば解雇する調整弁にしたのが改正派遣法。これで人材派遣業界は拡大したが、国民には雇用破壊というツケが回された」と高木氏はいう。


 規制緩和で、2000年に33万人だった派遣社員は2008年には140万人に。非正規労働者は労働者全体の3分の1を占めるまでになった。


 その結果、年収200万円以下のワーキングプアは1,000万人を超えた。昨秋からの世界金融危機では派遣労働者が真っ先にクビにされた。09年版厚生労働白書によると、失業した非正規労働者は昨年10月から今月までの間に、約22万9000人に達する見通しだ。(中略)


 「郵政民営化に影響力を行使した後、かんぽの宿の一括譲渡を実現させようとしたオリックスの宮内義彦会長と同じ。自分が関わったところで自分が利益を得るという構図は、まるで政商ならぬ学商だ」--前出の高木教授は言う。「自分が政治で関わった分野の企業に招かれても、普通は受けない。しかも特別顧問ならまだしも、会長という企業経営のトップになるというのは大いに疑問。法律違反ではないとしても、道義的責任があるはずだ」(※引用はここまで)


 また、「週刊ポスト」では、パソナの売り上げが、竹中氏の“功労”により、2003年5月期の1,356億円から、2008年5月期の2,369億円へと1.7倍以上になったことや、安倍政権下の2007年に公務員の天下りスキーム「総務省人材バンク」の斡旋事業をパソナが受注したことも“竹中効果”ではないかと指摘しています。


 「自らが旗振りした規制緩和政策で拡大した派遣業界に、政治家を辞めた後とはいえ、経営者として就任し、大金を受け取るというのは、まさにマッチポンプ。(中略)これは竹中氏の規制改革路線が正しかったか否かの問題ではありません。パソナへの再就職そのものが道義的に批判されてしかるべきです」(※明治大・高木勝教授談、「週刊ポスト」(9/18)からの引用はここまで)


 規制緩和、構造改革の同じ“旗振り役”だった中谷巌氏が“懺悔”したのとは大違いで、竹中氏はいまだに様々なメディアに顔を出して、「経済が悪くなったのは構造改革を止めたから」などと言って回っています。でも、さすがに「規制緩和一辺倒」だけでは、まずいと思っているらしく、にわかに「オランダモデル」の「フレキシキュリティ」をめざすべきなのだ、などと最近言い出しています。


 しかし、竹中氏がずっと主張してきたのは、「社会保障は、人のものを強奪することを正当化するシステム」(竹中氏著『ITパワー 日本経済・主役の交代』)、(社会保障は)「集団的なたかりみたいなもの」(竹中氏著『経済ってそういうことだったのか会議』)という「社会保障不要論」です。その持論にもとづいて、小泉・竹中構造改革で、社会保障をずっと削減してきたのが事実です。「オランダモデル」は、正規労働者にも非正規労働者にも等しく社会保障がゆきわたっていてこそのものであり、竹中氏の主張と相容れるものではありません。竹中氏が本当に「オランダモデル」を提唱するのなら、いますぐ“懺悔”して、まずもって「社会保障を拡充すべき」と様々なメディアで言って回るべきです。


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