派遣労働者から強奪する竹中平蔵氏が「改革利権」でパソナ会長就任 | すくらむ
2009-08-29 07:44:01

派遣労働者から強奪する竹中平蔵氏が「改革利権」でパソナ会長就任

テーマ:労働者派遣法の問題

 「景気が悪いから暗い話をする人が多い。しかし64年前は日本中が焼け野原だった。あの時ほど暗いですか? そんなことないでしょうが」


 「スポーツ報知」(8/27)に掲載された岐阜市内での麻生首相の演説です。先日発表された2009年版厚生労働白書によると、今年9月までの1年間に「派遣切り」などで職を失う非正規労働者は全国で22万9千人にのぼり、そのうち約6割、約13万人は、2004年に解禁された製造現場への派遣労働者です。その失職者約22万9千人のうち居住状況が判明した12万5千人を対象にした調査では、少なくとも約3,400人が住まいも同時に失い、生活基盤を損なわれる苦境に立たされていると指摘しています。


 こうした非正規労働者の惨状も、麻生首相にかかると、64年前の日本中が焼け野原だった時よりはいいのだから、暗い話ばかりするもんじゃないということで済まされるようです。


 そしてもうひとつ唖然としたのが、竹中平蔵氏が人材派遣大手のパソナグループの取締役会長に就任したとのニュースです。


 竹中氏は、『ニッポン経済の「ここ」が危ない!』(文藝春秋、2008年2月刊)という作家の幸田真音氏との対談本の中で、次のような会話をしています。


 竹中 僕はニューヨークの5番街がすごく好きなんです。ミッドタウンから北のほうに向かって行くと、そこには人生と社会の縮図があります。このストリートに住むこともできるし、あちらのストリートに住むこともできる。それはあなた次第ですと。そこには生活の違いがあります。でも日本人は…。


 幸田 格差って言いますものね。そんな違いがあったら格差だって(笑)。


 竹中 住むストリートが違うどころじゃなくて、それこそ1メートル離れているだけでも格差だって言うでしょう(笑)。


 確かに競争が厳しくなると、辛い思いをする人が出てくる。しかし、結果的に社会全体としての雇用は増えている。


 幸田 新たに職を得られる人が出てくるわけですからね。


 竹中 痛みをこうむる人もいれば、必ずメリットを受ける人がいて、経済全体としてはプラスの効果を間違いなく受けている。そういう社会を考えないといけない。(※引用はここまで)


 竹中氏は、小泉内閣の閣僚として経済政策の司令塔をつとめました。労働分野では、小渕内閣時の経済戦略会議の委員となり、「日本経済再生への戦略」(経済戦略会議答申)を1999年2月にまとめ、そこに「労働者派遣の原則自由化を一刻も早く打ち出すべきである」と明記しました。労働者派遣の原則自由化こそが、日本経済を再生し、「個人の転職能力を高め、雇用の安心を確保する政策」と打ち出したのです。これを受け、1999年12月、労働者派遣法「改正」で派遣労働は一部の業種を除いて自由化され、そして、2004年、竹中氏が経済財政政策担当大臣をつとめる中で、製造業への派遣労働が解禁されたのです。


 総務省の「労働力調査」によると、2000年に33万人だった派遣社員は2008年には145万人と4倍以上に増加。2000年に26%だった非正規社員は2008年には34%、労働者全体の3分の1以上を占めるようになってしまいました。


 貧困と格差が広がる日本社会の現状は、麻生首相のように「64年前の焼け野原」とくらべるのでなく、竹中氏がうっとりと思い浮かべ、あこがれる「ニューヨーク5番街」とくらべるものなのでしょう。竹中氏が当然視する「人生と社会の縮図」、億万長者の住む華やかなストリートと、貧困と犯罪のハーレムが隣り合わせで、一方に富が集中し、もう一方には貧困が蓄積する格差社会。どちらに住むかは、「あなた次第」とされる弱肉強食、優勝劣敗の「自己責任社会」です。その言葉どおり、竹中氏は、自分の手で派遣労働を拡大して、派遣切りで「痛みをこうむる人」が約13万人出たけれども、「必ずメリットを受ける人がいて、経済全体としてはプラスの効果を間違いなく受けている。そういう社会を」つくったのです。


 竹中氏は、自分の思い通りの社会をつくりあげて、自分自身が「必ずメリットを受ける人」に仕立てあげたわけです。労働者の「既得権益」を打破して、竹中氏自身が「改革利権」を得たのです。


 また、上記で紹介した『ニッポン経済の「ここ」が危ない!』の中で、こんなことも語っています。(※はっきり言って『竹中平蔵の「ここ」が危ない!』にタイトルを変えた方がいいと思うような中身ですが)


 竹中 ハーシュライファーという人が唱えた「パワーパラドックス」という法則があるんです。簡単に言うと、こんな法則です。経済的な弱者は政治的に保護される→保護されることで競争から解放され自由時間ができる→自由時間を政治活動に使う→経済的弱者は政治的強者になる。ビジネスで忙しい人間は、時間のかかる政治活動なんかやっている暇はありません。その結果、経済的弱者は政治的に大きな声を持つようになる、というパラドックスです。思い出してみてください。霞が関や永田町で陳情を行っている人たちは誰でしょう。競争で忙しい為替のディーラーがデモをしているのは見たことがありません。日本ではこのパラドックスの影響が社会全体に大きく出ているように思います。言うまでもありませんけれど、一部の政治的な強者の存在感が大きくなりすぎると、決定される政策は間違ったものになりやすい。(※引用はここまで)


 さらに極めつけは、『経済ってそういうことだったのか会議』(竹中氏と佐藤雅彦氏の対談本、日本経済新聞社、2000年4月刊)と、『ITパワー 日本経済・主役の交代』(竹中氏と中谷巌氏の共著、PHP研究所、2000年2月刊)の中で、竹中氏が語っている内容です。こんな人物に、2001年から2006年までもの間、日本経済の舵取りをやられていたかと思うと目眩がしそうですが、いま現在の貧困の惨状が当然の結果であったのだとも言えるでしょう。


 竹中 やはり多くの人は税による所得の「再分配効果」というのを期待するわけです。再分配効果というのは、たとえばこういうことです。佐藤さんはすごく所得が多いとする。こちらのAさんは所得が少ない。そうすると、Aさんは佐藤さんからお金を分けてもらいたいわけです。佐藤さんが儲けたお金の一部を自分ももらいたいんですよ。もらいたいときに、政府を通してもらうんですよ。


 佐藤 でも、それ、もらいたいって、ずるいじゃないですか。


 竹中 ずるいですよ、すごく。『フェアプレーの経済学』という本にもはっきりと書かれているんです。著者はランズバーグという数学者なんですけど、すごくシンプルに見ていくと、今の税はおかしいと言うのです。彼はそれをこんなふうに表現しています。


 子供たちが砂場で遊んでいるんです。ある子はオモチャをたくさんもっている。その子はお金持ちの家の子なんですよ。もう一人の子は家が貧しいからオモチャを一個しかもってないんです。しかし、だからといって、自分の子に向かって「○○ちゃん、あの子はオモチャたくさんもっているからとってきなさい…」などと言う親がいるかというわけです。


 ところがそんなことが、国の中では税というかたちで実際に行われているという言い方をしているんですね。これは、みんなのやる気をなくさせる原因になります。


 一方に対しては、いくら働いても税金をとられるということでやる気をなくさせる。もう一方に対しては、そんなに働かなくても食べていけるということで、まじめにやる気をなくさせると。だから、政府がお金を税金としてとって、その所得を再分配するような社会の機能が大きくなりすぎると、その国はダメになると。それはまったくその通りですよね。


 集団的なたかりみたいなものが所得再分配という名のもとに、税にまとわりついて生まれてくるわけです。(※『経済ってそういうことだったのか会議』からの引用はここまで)


 所得再分配、社会保障は、人のものを強奪することを正当化するシステム。(『ITパワー 日本経済・主役の交代』より)


 さらにさらに驚くのが、『週刊エコノミスト』(09.5/19)の「インタビュー・構造改革の旗振り役 竹中平蔵氏に聞く」で「経済が悪くなったのは構造改革を止めたから」と、平然と答えたあげく、「不況への処方箋」を聞かれて、「まず法人税率を下げ」、「羽田空港のキャパシティーを2倍、3倍にして24時間空港に」作り変えると、「日本は蘇る」と断言しています。(※もうつきあってられないので、このへんで終わります)


(byノックオン)

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