2009-02-15 18:17:35

「官製ワーキングプア」「官製雇用破壊」増大 -国・自治体みずから雇用危機に拍車かける日本社会

テーマ:官製ワーキングプアの問題

 夏休みなど学校が長期の休みに入ると収入は一切途絶えるなど、年収にしてわずか80万円で、生活保護を受けながら教壇に立つ公立高校の非常勤教員。


 この冬、労働組合の運動で、時給820円から10円引き上げさせ、やっと灯油が買えてストーブをつけることができ、子どもが「暖かいね」と言って喜んだと涙を流しながら語る鳥取県の国立病院の非常勤職員。いずれは正規雇用されると言われていたのに、正規雇用どころか5年前の国立病院の独立行政法人化で年収は半分の手取り月10万円にまで減らされてしまった。


 とにかく低コストでありさえすればいいという公務の市場化テスト、一般競争入札、民間委託などで、つねに雇用不安と大幅な賃下げに苦しむ国と自治体の労働者たち。


 昨日、「使い捨てられてたまるか!官製ワーキングプア告発集会」(全労連公務部会や非正規雇用労働者全国センターなどの主催)が東京都内で開かれ、120人が参加しました。


 いま企業による大量の「非正規切り」「正社員切り」が、社会問題になっています。それに対して、いくつかの自治体では、臨時職員を採用するなどの緊急雇用対策を実施しています。こうした対策はもちろん重要なことですが、一方で、国と自治体は、公務員削減や人件費削減、「官から民へ」の掛け声のもと、「官製ワーキングプア」と「官製雇用破壊」を拡大しています。


 「官製雇用破壊」とも言える実態は、今回の集会で、法務局の登記業務を担ってきた労働者1,100人中620人の首切りがされようとしていることや、国土交通省の車両管理の委託労働者2,000人が職を失いかねない状況にあること、全国の自治体での民間委託などで労働者の解雇問題等が相次いでいることなど、国と自治体みずから「労働者切り」を拡大していることなどが告発されています。


 未曾有の雇用危機に、きちんと対処する気があるのなら、国と自治体は、「官製ワーキングプア」の拡大と「官製雇用破壊」をただちにやめるべきです。


 日本の公務員労働者は、基本的な人権を踏みにじられています。先進諸国の公務員にはきちんと存在する労働基本権が日本の公務員にはありません。とりわけ、公務職場で働く非正規労働者は、労働基準法の適用も、公務員法での保護も受けられないという「法の谷間」の無権利状態におかれています。東京・中野区立保育園で、非常勤保育士28人が2004年に全員解雇されたとき、使用者である中野区当局の対応は、「公務員には団体交渉権が存在しないから、あなたたち労働組合と交渉する必要はない」と切り捨てるものでした。いま「派遣切り」された派遣労働者が、労働組合でたたかっています。この場合でも、派遣会社は労働組合との団体交渉を拒否できません。(契約を切った派遣先企業が団体交渉に応じないことは問題になっていますが)使用者と団体交渉を行う権利さえない公務で働く非正規労働者は、派遣労働者よりもさらに人権を踏みにじられた状態に置かれているといえます。


 また、公務は、サービス業の一つといえ、コストに占める人件費の割合が大きいという性質を持っています。ですから行政コストを削減しようとすれば、その中心は人件費をカットすることになります。行政コストの削減は、低賃金の非正規労働者が公務を恒常的に担うことを増やし、民間委託のケースでもその業務に参入する企業で同じように低賃金の非正規労働者が増加する結果となります。


 こうした状況は公務サービスに何をもたらすでしょうか。最大の問題は、住民の生活と権利、住民の安全と安心が脅かされてしまうことです。


 2006年8月、埼玉県ふじみ野市の市営プールで、女児(小2、7歳)が吸水口に吸い込まれて亡くなるという悲惨な事故が起きました。自治体は請負業者に丸投げ、請負業者は孫請会社に丸投げでした。この孫請会社の監視員13人中11人が日給5,600円の高校生アルバイトで、吸水口の危険性を認識していなかったというのです。


 プールの管理業務が民間委託され、歯止めないコスト削減による効率優先・安全軽視がもたらした事故に他なりません。


 プール委託費用は、2001年度に比べて2006年度は41%も削減されていました。削減の影響は、管理運営の質の低下を招くことになります。これは、プールだけでなく、行政全体に広がっている危険な事態です。このプール事故は、「官から民へ」「行政の効率化」がもたらした最悪の事例といえるのではないでしょうか。


 住民の安全や安心を守る行政サービスの質を確保するためにも、「官製ワーキングプア」をなくすためにも、「公契約法」「公契約条例」をつくる必要があります。


 「公契約法」「公契約条例」というのは、ILO94号条約「公契約における労働条項に関する条約」(1949年制定)に基づき、行政からの委託事業に従事する労働者に最低これだけの賃金は支払いなさいと規制することです。


 いま世界で58カ国が、この「公契約」での賃金保障を定めた法制度を持っています。アメリカでは、国が定める最低賃金が低すぎるため、自治体が発注する事業などで「リビングウエイジ」(生活できる賃金)の保障を定める運動が広がり、条例を制定する自治体が増えています。


 しかし、日本政府は、半世紀前のILO条約さえ批准していません。さらにいま「行政の効率化」や「民間活力の導入」などで、国と自治体業務の民間委託や非正規労働者への置き換えが加速し、「官製ワーキングプア」が増大しています。国と自治体の仕事に、生活できる賃金と働くルールを確立し、行政サービスの質を確保するため、「公契約法」「公契約条例」の制定が求められています。


(byノックオン)

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4 ■一般競争入札

全国の政府調達情報(一般競争入札)を公開

3 ■中川財務大臣は薬漬け?

中川財務大臣、風邪薬飲み過ぎたって言い訳してるけど、
お酒飲み過ぎるってあるだろうけど、どこの誰が風邪薬飲み過ぎる?
官製ワーキングプアが、職場で飲み過ぎのせいで、
まともな仕事しなかったら、即刻クビにされるだろう。
かたや大臣はいかに?
100年に1度の危機に、支持率1ケタの麻生首相と
飲み過ぎて仕事もまともにできない担当の中川財務大臣。
普段、公務員バッシングされてる下級公務員は、
もっと怒っていいんじゃない?

2 ■天下り官僚の腐りきったトライアングル批判を

大変なご時世に上に立つ大臣が酔っ払って公務にのぞむ。麻生タイタニック号の舵取りをとっかえないとこのままだと庶民は見殺しになりかねない。庶民が官製ワーキングプアが溺れているあいだに、舵取りしてた麻生と御手洗と天下り官僚はのうのうと左団扇で豪華客船でクルージングなんてことにさせないように、官製ワーキングプアの問題もリアルな実態の告発とともに政府と財界と天下り官僚の腐りきったトライアングルをもっともっと暴き出して官製ワーキングプアと現場末端の公務員は頑張れ

1 ■無題

この内容とは関係ないですが

派遣村の入村者の今を教えていただけませんか??

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