歩道は狭くてボコボコ、

交通マナーは悪く、

道を渡るのは命がけの

イスタンブール。

 

子育てをする上では

マイナスになりそうな都市。

 

でも、人々が子どもに対してやさしいから

その点は恵まれていると思う。

案外子育てがしやすい場所なのかもしれない。

 

しかし、最近、息子がトルコ人に

恐怖心を持つようになってしまった。

人見知りというレベルではない。

 

これにはある出来事が関係している。

 

ある日のこと、トルコ料理の食堂に

息子と行ったら、

お店のおばちゃんが寄ってきた。

 

そして、笑いかけたり話しかけたり。

 

そこまでは良かったが、

息子のほっぺたにキスしようとしてきた。

 

もともと息子はキスされることが好きでないため、

頭を振って嫌がった。

 

ところが、

おばちゃんは息子の顔を両手でガシっと抑えて

無理やりキスしてきたのだゲッソリ

 

しかも何度も。

 

おばちゃんの攻撃はそれだけでは済まなかった。

 

なんと、息子のプニプニした腕に噛み付いてきたガーン

 

私と夫は、その一連の光景を前に、

「やめてください」

というトルコ語も知らなかったので

何も言えず、

ただ呆然としていた。

 

さらに、そのおばちゃんは、

息子が食べていたお菓子を1つ奪って、

私たちが見ている前で食べてしまった。

 

 

信じられない。なんなんだ、この人は。

いくらなんでも度が過ぎる。

 

子ども好きを通り越して

これじゃあ単なる嫌がらせだ。

 

これは一ヶ月前くらいの出来事だが、

どうもその頃から、

息子はトルコ人を怖がるようになってしまったようだ。

 

トルコ人を、というより、

トルコ人から話しかけられること、

近寄って来られることを、

怖がるようになった。

 

マンションの受付の人や、

メンテナンスのおじさんが、

「Merhaba!(こんにちは)」と

息子に言ってくれても、

その声をかき消すかのように

叫び声をあげ、ものすごく嫌な顔をする。

 

以前は、「Merhaba!」と返すこともあったのに。

 

隣のショッピングモールの入口の警備員さんも

いつもにこやかに話しかけてくれるが、

そこを通るたび、

「ギャー」と叫んで

走って向こうへ逃げて行く。

 

とにかく、

何かされるのではと

相当警戒しているようだ。

 

例の食堂のおばちゃんほどの人はいないのだが。

 

子ども好きな人々は、

息子に拒絶され、

さぞやガッカリだろう。

 

 

そんな中、さらに息子の恐怖心を

あおるような出来事が起こった。

 

昨日、そのショッピングモールの入口に、

特にフレンドリーな警備員のおばちゃんがいた。

そして、息子を見ると、「おいで!」と言った。

 

当然、息子は行かない。

 

すると、事もあろうに、

そのおばちゃんが息子の方までやって来て、

息子が手に持っていたおもちゃの車を

取って行ってしまった。

 

息子はそれを取り返すべく

その人のところに行かないといけなくなる。

 

それがその人の狙いで、

やって来た息子に、

「来た来た〜」みたいなことを言った。

 

さらには、

「キスさせてくれたら返してあげる」

みたいなことを言ってきた。

 

そして、抵抗を示す息子に

無理矢理キスしてきたのだ。

 

あの食堂のおばちゃんのように、

子ども好きを通り越して

やはり嫌がらせの域に達しているのではないか。

 

かわいいからいじめたくなるみたいな心理なのか。

 

とにかく、そこまでするのは

やめていただきたい。

 

 

こんな環境で、

果たして息子はトルコでこの先

生きていけるのだろうか…

 

そして私は

「やめてください!」

と言えるようにならければいけない。