海外では極力病院に行きたくないものだ。

とにかく、日本語が通じないということがいちばん厄介だし、

診察代も日本よりはるかに高額だからだ。

 

なので、自分が風邪を引いたくらいでは行くことはない。

もっぱら、自然治癒力任せだ。

しかしイスタンブールにきてもう3回も風邪を引いてしまった。

 

日本から持ってきた風邪薬を飲むが、効いている感じがしない。

友人曰く、日本の風邪のウイルスとは違うから効かないのだそうだ。

 

子供も風邪をよく引くが、

たいていは病院に連れて行かずとも、

4〜5日くらいで治っているし、

しょっちゅう鼻水を垂らしているので

そのたびに病院に行ってられない。

 

しかし、昨日(12/23)、行くこととなった。

アメリカンホスピタルの小児科に。

 

 

というのも、咳が5日間続いていて、

それがおさまる気配がないのだ。

 

しかも、痰がからんだような、苦しそうな咳。

息をするときも、ゼエゼエという音が喉から聞こえる。

 

さすがにとても心配になり、

当日の朝、病院に電話をして予約を入れた。

アメリカンホスピタルなので、予約時も

もちろん英語が通じる。

電話が混んでいたのか五分くらい待ってやっとつながった。

 

イスタンブールに来て、10月に一回、

そしてその前の週にも病院に連れて行ったばかりであった。

 

その2回診てもらった先生は予約がとれなかったので、

予約可能な他の先生にアポを入れた。

時間は10:45。

 

この日は雨でとても寒かったので、

病院まではタクシーで行くことにした。

しかし道路が渋滞していて、

病院に着いたのは11時ちょうどくらい。

 

焦って受付に駆け込んだら、

なんと先生も遅れているとのこと。

先生が来たら呼ぶから待っててと言われて

受付で待つことに。

 

土曜日は診察が午前中だけだし、

このところ寒い日が続いてたから

風邪の人が多いのか、

ひっきりなしに親子連れがやってくる。

待合室はとても混雑していた。

 

ここにいるだけで風邪をもらってしまいそうだ。

 

 

この待合室で待っても待ってもなかなか呼ばれず、

12時近くになってようやく先生に診てもらうことができた。

 

診察室には、ゾウの診察台が。

いつもの先生の部屋はカバだったので、

恐らく部屋ごとに違うのだろう。

 

 

先生は英語の話せるトルコ人。

しかし病名を言われてもその単語を知らなかったので、

携帯でその場で調べたら、

なんと気管支炎だった。

 

先生曰く、このところ気管支炎が流行っていて、

その週は、同じように咳の症状で来る患者さんが多いとのことだった。

 

この診察室の外では、子供が激しく泣いている声がしていて、

なんだか外がすごいことになっているなと思っていた。

 

その後、別の部屋に移動され、検査と処置をすることに。

 

隣のベッドでは少年が、検査のため鼻に綿棒を入れられて、

けたたましく泣いていた。

 

それは人ごとではなく、

息子の番は次で、同じように綿棒を突っ込まれ

鼻水を採取され、激しく泣いた。

 

相当気持ちが悪いと思う。

少年も息子もとてもかわいそうだった。

 

 

次は、鼻と口をマスクで覆い、

薬を蒸気(?)で入れる処置。

 

これには絶叫していた。

 

 

嫌がってマスクを外そうとするので

息子の手を押さえておかなければならない。

 

初めは看護士さんがいたのに、すぐに消えてしまい、

後はまるでセルフサービス状態。

 

顔を真っ赤にして泣き叫ぶ息子。

 

 

全身の力を振り絞って抵抗しようとするので、

夫と私、二人掛かりで押さえつけなけれなならず、

まるで虐待しているみたいで

お互いに辛かった。

 

それで10分くらい経って、

蒸気がマスクかた出てこなくなったので、

やっと終わった!!

と思いきや、看護士さんが戻ってきて、

「Again!」と言われ、愕然とする。

 

それから10分後くらいに第2セットがスタート。

息子はマスクを再び目にしただけで絶叫。

もう完全にトラウマになっている。

 

やっと10分くらい経って終了。

時間が長く感じた。

 

やっと解放された!帰れる!

 

と思いきや、今度はまた別の看護士さんから、

「10分後にもう一度!」みたいなことをトルコ語で言われ、

再び愕然とする。

 

まさかの3セット。

 

息子は恐怖におののき、泣きじゃくって抵抗。

もう、汗びっしょりだ。

かわいそうで、早く終われと思うのに

蒸気はずっと出続ける。

 

しかし泣きつかれてきたのか

最後の方はぐったりしてきた。

 

そして、蒸気が止まり、やっと終わった!

 

その後、先生が来て、

薬の説明をされた。

 

薬の内容は抗生剤に整腸剤、

スプレー2種類(マスクで注入した成分のもの)、

そして鼻の通りを良くする点鼻薬。

 

5種類もあり、口頭で言われても覚えられないので、

何をどのくらい1日何回服用するとか

必死にメモをした。

 

日本なら、薬局でもそういう説明が受けられるし

紙にも書いてあったりするが、

こっちではそんなものない。

 

帰りに、病院の前にある薬局に

処方箋を持っていき、薬を買った。

 

ここイスタンブールでも、

日本と同じように、

総合病院の前には薬局がたくさんある。

 

11時に病院に行き、家に帰る頃にはもう14時近くになっていた。

 

結局、息子はただの風邪ではなかった。

少し遅かったかもしれないが、病院に行って良かった!

 

しかし治るには1週間かかるらしい。

二日後にもう一度診察を受けることになっている。

 

早く良くなって、公園で遊ばせてやりたい。

 

 

ちなみに、このアメリカンホスピタルは大きな病院。

建物もけっこう綺麗だ。

 

 

入口では荷物検査も。

 

 

ロビーにはなぜか牛の置物が。