2009.9.24(Thu) 寄稿
先日、久しぶりに映画館へ足を運びました。
映画のタイトルは 「未来の食卓」
http://www.uplink.co.jp/shokutaku/
この映画は南フランス バルジャック村の村長が、
子ども達の未来を守るために、学校給食と高齢者の宅配給食の
オーガニック化に挑戦したドキュメンタリー映画です。
映画の冒頭、ユネスコ会議(※)のシーンで、
「あなたの周りにガンや糖尿病にかかった人はいますか?」
という問いかけに、ほとんどの出席者が手を上げるという衝撃のシーン。
でもよく考えれば、確かに私達の周りには、
このような病を抱えている人がとても多く、
どこか感覚がマヒしてしまっている自分に気がつきます。
ヨーロッパでは、ガンや糖尿病などの生活習慣病の70%は
食習慣を含む環境に原因があるといわれています。
今では誰もが知っているこの事実、日本だって例外ではないはずです。
劇中のバルジャック村のシーンは、一見自然が豊かでとても美しいのですが、内情は環境を破壊し、健康を破壊する農薬や化学物質汚染に
おびえる村の人達がたくさん登場します。
農薬を散布するシーンなどは、残酷でありながらその美しい映像に、
胸がしめつけられます 。
スーパーや店頭に並んでいる一見形のきれいな野菜や
トレーに入った 肉、魚を当たり前のように食卓に並べるのですが、
そこには植物や動物に対する感謝の気持ちも無い、
ただいかに美味しく食べるか?
いかに美しく盛りつけるか?
そしてカロリーは?
賞味期限は?
と言った形ばかりにこだわる現代人の姿があります。
私が子どもの頃は、車も少なく、おつかいと言えば、
野菜は新聞紙に包まれ(泥つき?)、肉と言えば贅沢品、
豆腐売りのおじさんは夕暮れ時にラッパを鳴らしやってきます。
急いでボウルを持って玄関を飛び出したものです。
もちろんその時代が全て良かったなどとは言いませんが、
人々はもっとゆったりとし、自然とともに生きていたような
気が確かにします。
(※)UNESCO(ユネスコ)は、United Nations Educational,Scientific and Cultural Organizationの頭文字で、国際連合教育科学文化機関といい、本部はパリにあります。第二次世界大戦後、1946年に人類が二度と戦争の惨禍を繰り返さないようにとの願いを込めて、各国政府が加盟する国際連合の専門機関として創設されました。日本は1951年に60番目の加盟国となりました。
★映画の印象的なシーン★
おとな「こんにちは、何の用かね?」
こどもたち「ブリオッシュはいかが?(手作り)」
おとな「オーガニック?」
女の子「そうよ!」
おとな「オーガニックとは?」
男の子「自然のまま!!」
おとな「いい説明だ!」
南フランスの陽光溢れる中、男の子の表情がまさに自然とともに
生きることで、地球の未来の食と環境を表わす、キラキラとした
美しい笑顔だったのです。
映画を製作した、ジャン・ポール・ジョー監督の想いとは、
「自然の美しさを守る事こそが子供たちの未来を守る事だと
私は信じている」
と語っています。
映像の美しさもさることながら、社会的なメッセージを
しっかり伝えようとしている
「未来の食卓」
是非ご覧になってみては、いかがでしょうか?