ある日、三つ子のお姫さまが、モチコさまとハヤコさまのそばで遊んでいらした時のことです。
お姫さまのひとり、タケコさまがたずねました。
「ねえ、お母さまは、なんでソサノヲおじちゃまのお話ばかりするの? わたし、もっと、お父さまのことが知りたい」
ハヤコさまは、タケコさまの言葉にギクッとしながらも、平静をよそおって答えました。
「あら、お母さまは、そんなにソサノヲおじちゃまのことばかり、話しているかしら?」
「うん、話してる。そのたびに、悲しい気持ちになって、お父さまがかわいそうになるの」
タケコさまがいうと、
「わたしも、わたしも」
と、タキコさまとタナコさまがいいました。
「お母さまが、ソサノヲおじちゃまのお話をするたびに、お父さまは、そんなに素敵じゃないのかなって思っちゃう」
タキコさまがいうと、ハヤコさまが答えました。
「それは、違いますよ。お父さまは、もちろん、たいそうご立派なお方です。あなたたちも、誇りに思っているとばかり思っていましたよ」
「そうだけれど、お母さまが、ソサノヲおじちゃまばかり、ひいきされるから」
「わかりました。これからは、あなたたちに、もっと、お父さまのお話をしましょうね」
「わあ、お母さま、ありがとうございます!」
三人のお姫さまたちは、嬉しそうにいうと、また無邪気に遊びはじめました。
その様子を見て、モチコさまがハヤコさまを諭すように目配せすると、ハヤコさまは、しゅんとうつむきました。
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