ハヤコさま、子ども心を傷つける | 神々様の童話作家 あいかわゆき

神々様の童話作家 あいかわゆき

縄文時代の指導者であられた日本の神々様の物語★
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ある日、三つ子のお姫さまが、モチコさまとハヤコさまのそばで遊んでいらした時のことです。

 

お姫さまのひとり、タケコさまがたずねました。

 

「ねえ、お母さまは、なんでソサノヲおじちゃまのお話ばかりするの? わたし、もっと、お父さまのことが知りたい」

 

ハヤコさまは、タケコさまの言葉にギクッとしながらも、平静をよそおって答えました。

 

「あら、お母さまは、そんなにソサノヲおじちゃまのことばかり、話しているかしら?」

 

「うん、話してる。そのたびに、悲しい気持ちになって、お父さまがかわいそうになるの」

 

タケコさまがいうと、

 

「わたしも、わたしも」

 

と、タキコさまとタナコさまがいいました。

 

「お母さまが、ソサノヲおじちゃまのお話をするたびに、お父さまは、そんなに素敵じゃないのかなって思っちゃう」

 

タキコさまがいうと、ハヤコさまが答えました。

 

「それは、違いますよ。お父さまは、もちろん、たいそうご立派なお方です。あなたたちも、誇りに思っているとばかり思っていましたよ」

 

「そうだけれど、お母さまが、ソサノヲおじちゃまばかり、ひいきされるから」

 

「わかりました。これからは、あなたたちに、もっと、お父さまのお話をしましょうね」

 

「わあ、お母さま、ありがとうございます!」

 

三人のお姫さまたちは、嬉しそうにいうと、また無邪気に遊びはじめました。

 

その様子を見て、モチコさまがハヤコさまを諭すように目配せすると、ハヤコさまは、しゅんとうつむきました。

 

 

 

 

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