2022年10月
「もし、全摘して、再建したいなら。」と外科医Aから、形成外科医を二人紹介していただきました。
W先生とM先生。
W先生は、本当に評判が良くて、ぜひお願いしたかったのですが、連絡をするとさすがに人気のドクターだけあって、2月末まで予約がびっしりと言われました。「なんとか予約を」と食い下がったのですが、「ドクターの紹介だろうがなんだろうが、2月末までダメ」と言われてしまいました。
一応2月末に予約を取ってもらいました。
そんなに待ってはいられないので、M先生と面談をすることにしました。彼とは2回会いました。
ドクターM、高級エリアに立派なオフィスを構え、豊胸やタミータック、ボットクスなどなどの美容整形も多く扱う先生です。
ちょっと衝撃的だったのは、職業柄だとは思いますが、面談の最中、ほとんどアイコンタクトはなく、彼の目線はずっと私の胸を見ていました。 (多分、サイズや形を検討していたのだとは思いますが、それにしても、おい!)
一通りの説明を聞き、胸の写真をとった後、先生は、何度も「心配しないで、美しいおっぱい作ってあげるからね」って
おい!
美容整形を多く手掛ける先生だけあって、ガン患者に寄り添うと言うことはほぼなく、いかに美しく満足する乳房を作ると言うことが彼にとって大切なのかが伝わってきました。
この日、先生に何度も言われたのが、”Symmetry"(シンメトリー、対称)と言うことでした。
この言葉は、その後も多くの先生や関係者から聞くことになります。
乳がんの手術をし、再建をした場合、おっぱいが左右が対称でないと不満に思う患者が多い。
洋服、水着を着た時に左右対称でないと人目を気にするようになり好きな服を着れない。
そしてその後、左右対称にするために新たな手術を受ける人もいる。
という内容のことをM先生からだけではなく、ガン治療で関わっていく様々な医師からも言われました。
乳がんを克服し、元気になることが一番の目標ですが、私は、身体の健康だけではなくメンタルヘルスも重視しています。
アメリカ人医師たちが、「ガン治療後のこれからの人生の質、精神衛生、私が胸を張って残された人生を笑顔で生きていく事」を考えた上で、「左右対称」に拘るの気持ちを強く感じました。
しかし、このドクターM、何か質問したりする度、
「大丈夫!美しいおっぱいを作ってあげるから〜」
「俺は、15000のおっぱい見てきてるから〜」っておい!
信頼関係は全く築けませんでした。