神戸の私のスタイリスト、たこちゃんが「とうとう神がおりてきましたよ」ときらりと目を輝かせ、しかし相変わらずのうさんくささで意気揚々と語る新作のズボンがこれ。
遠慮なくでっかい水玉がプリントされた、石鹸とかカルピスを連想させる仕上がりである。
履くと太めの丸みを帯びたシルエットに、中学生のころを思い出す。
ビッグジョンとかのブリーチ加工を履いてたあのころ。
夏の始まりにふさわしい、ほろ苦メモリーなズボンである。
これはちょっと前のものだが、なんというか、スモックみたいなかぶりもの。
独特である。
服なんてどうでもいい、なんて全く思わない。やっぱり気持ちを高めたり、逆に平常心を装ったりするためにはとても重要な要素である。
なんといっても私の好きなミュージシャン、とくにむかしのジャズメンの洒落てること洒落てること。
デュークエリントンが履いていた靴はじつは室内履きを改造したものであった、とかそんなエピソードが大好きだ。
20台のころ、漠然と30を越したらやっぱり基本スーツだろうな、とおもっていたけど、40台となった今、まだ冠婚葬祭用のスーツの他にまともなのは持っていない。
若き日の読みは外れたが、ま、いっか。
そのうちスーツにチョッキにハットにステッキ、傍らにはバレリーナでも従えてハトにエサでもやりたい、とは思う。
現時点の結論としては、てきとうにそこらへんにあるものをさっと鞄につめてすぐに旅に出れる、というのが理想のワードローブのあり方である。
イヴ サン コーチャン
スケジュールを更新しました!夏ですね、みなさまくれぐれも熱中症などに気をつけて。どこかでお会いできることを楽しみにしてます。