色紙の言葉について『広辞苑第五版』に次のようにあります。
「實事求是(じつじきゅうぜ)」「漢書(景十三王伝、河間献王徳)事実に即して真理・真実を探求すること。」
 色紙揮毫者、中山伊知郎氏についても『広辞苑第五版』です。
「経済学者。三重県生まれ。一橋大学卒、道教授・学長。近代経済学の導入に貢献。主著『発展過程の均衡分析』(1838~1980)」

 この色紙、著名な経済学者が揮毫したものです。その色紙を、一介の県庁勤務の父がいただくということは考えにくいことです。揮毫の期日が昭和二十九年二月となっています。父の『自分史』によれば、「昭和三十年ごろ、私は蔵王温泉にある虚弱児施設『蔵王学園』の園長をしていた。」とあります。
 そのころ売り出し中の蔵王温泉の施設ということもあり、中央から著名人が来校していました。もしかするとその一人が中山伊知郎氏であったのかも知れません。山形県職員の研修においでいただいたのかも知れません。

『實事求是』、「事実に即して真理・真実を探求すること」だそうです。当たり前のことだと思うのですが、このごろ世の中では中々出来ないことのようです。