ブドウについて「牧野 新日本植物図鑑」に次のようにあります。 
「アジア西部地方の原産で、今では世界に広く栽培される落葉のつる植物である。」そして、「[日本名]ブドウは蒲萄の字音から出たもので、蒲萄は蒲桃に由来し、蒲桃は大宛国の土語Budawに基づく音訳字である。日本で植えているものは改良されたもので、本種以外のものと交配の結果になるものが多い。」
 名前の由来を整理してみます。日本名のブドウは「蒲萄」の日本語の読み方から来ているようです。その「蒲萄」という文字は「蒲桃」から来ているそうです。「蒲桃」は「大宛国の土語Budawに基づいている」そうです。「大宛(だいえん)国」とは何でしょうか。それは、紀元前2世紀頃から中央アジアに存在したアーリア系民族の国家だそうです。
 よく分からないことがたくさんありますが、大昔の「ダイエン国」というところで「Budaw」と呼ばれていた植物が「蒲萄」・「蒲桃」となり、「ブドウ」となったようです。ずいぶん昔からあったもので、人類との関わりもたくさんあったのだろうと思います。

 私が小さかった頃は、紫色のつぶの小さな、種の入った「デラウエア」がほとんどでした。それが今は、種なしの「デラウエア」となり、つぶも大きくなりました。ブドウの品種も増え、色とりどり、黒、濃い紫、薄紫、緑、白など。粒もぐんぐん大きくなり、これがブドウかと思うようなおいしい果物となりました。
 「ダイエン国」の人たちに食べさせたいですね。