保護者ご自身が中学受験の内容にかかわっていない場合や、中学受験未経験の場合、以下のような本心が拭い去れないようです。

①受験とは言っても、小学生が勉強する内容なのだから、現段階では我が子に少々難しいとしても、きちんと教えてもらいさえすれば分かるようになるはず。
なにせ、大人も理解できないような難しいゲームの解説書だって、本気になれば我が子はどんどん理解しちゃうので。
要するに、本人が本気を出すか出さないかの問題だ。

②「ちょっと」難しいところをやってこそ、少しずつ力がついていき、次第にそのレベルの問題にも慣れてくるのではないか。

③「例題」でしょ?これから学ぶ内容の代表的なものを、分かり易く解説してくれているのだから、これが分からないなんて言語道断。

④「基本問題」など出来て当たり前。

⑤「練習問題」は、家庭でひとりで練習するのにふさわしいレベルのことだね。

このような感覚であれこれ口を出されては、当人たちは大混乱してしまいます。

早く上のクラスに上がりたい、あるいはテストに反映させたければ、次の方法で勉強してください。

現レベルに相応しいものを20問選び、これを一定時間内に8割以上ミスなく正解できたとき、実力は既に次のレベルに上がっていると見てよいので、次レベルの問題をやり始めます。

正解率が8割以下なら、ぐっと我慢して現レベルにとどまり、反復をします。
実は8割以下で次なるものに仮に手を出したとしても、間違いだらけでボロボロということはありません。

試しにやってみたら、なーんだ出来るじゃないかと、どんどん先に進みがちですが、すぐにほころびが始まります。ここが落とし穴なのです。
ですからそこをぐっとこらえて現レベルにとどまり、8割になるまで反復をします。

そして8割を確認しながら、基本→中→難と、この作業を繰り返します。

次のレベルに上がりたいから、次のレベルの問題に取り組むのではありません。
とどまるか進むかに(本人や保護者の)感情を入れないでください。
お子さんが「先へ先へ」を強く望んでいたとしても、保護者がこのことをお伝えください。
中学生になったときの勉強のやり方にも、大いに役立ちます。

 

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昔のブログを再掲載します。

 

知人Aさんのお子さんは46歳です。(2024年現在)

先日、その子が中学受験に臨もうとしていた時期のことを話してくれました。

 

35年ほど前ですが、地域柄もあり、既に中学受験も一般化しつつありました。

 

Aさんにとっては第一子の受験ですから、受験事情はまったく分かりませんでした。

(新)5年生になった時に「友達が通っている(大手)塾に自分も行きたい」と言ったので、勉強するのはよいことだからという理由で、承諾したのです。

 

週3回通っていました。

受験事情を知らないAさんは、勉強は週に3回通っている塾で完結するものだと思い込んでいました。

塾に通っていれば、自然に出来るようになるのだと信じていたのです。

 

塾で授業を聞くことのほうが大事だから、家でおこなう宿題をちゃちゃっと終わらせていても、気に留めませんでした。

 

当時Aさんは、学力が少しも好転しないのは、先生の教え方が我が子には合っていないのかなぁと漠然と考えましたが、自分の子の能力には想いが至りませんでした。

 

もちろん、我が子の成績が上位とは思っていないものの、塾という場所は、どんな成績でも、その子なりに伸ばしてくれるところだと信じ込んでいたからです。

 

決して、下位10%が上位20%になることを望んでいるわけではありません。

 

でも時の経過とともに、下位15%→下位20%→下位25%・・・・のように、少しずつでもジリジリ上がってゆく(上げてもらえる)ところが、「塾」というところだと、そのためにお金を払っているのだと、そう思っていました。

 

しかしなかなか成績は上がらず、順位は最後まで下位1割程度に固定されています。

 

夏期宿泊講習も正月特訓も、子どもが希望するまま全部受けさせました。

 

そして、受験校選びは偏差値と照らし合わせることなく、本人の好む希望(全て偏差値にして15くらい上)に従って、なるべくたくさん受けることにしました。

 

偏差値的には開きがあるが、たくさん受ければどこかには入れるだろう、と楽観的に捉えていました。

その結果、全落ちし、公立中学に進むことになります。

 

今、こういう保護者は激減しました。

塾でまかなえる部分が半分以下だと、保護者は知っています。

 

学習を定着させるのも伸ばすのも、結局自宅でどれだけやるかにかかっているのだと、みんな知っています。

 

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先日「学習相談」に申し込みたいと言う方からご連絡を頂きました。

 

ご本人の許可を得て、詳細には触れず、概要を掲載します。

 

内容

3年生の終わりから某塾に入り、現在5年生。

 

新4年生で入った時は、12クラス中、下から3クラス目。

その後も変わらずずっと3クラス目を維持していたが、下のクラスの生徒から辞めていくことが多いため、出来ない生徒がどんどん減ってきて、5年生の今下から2クラス目に落ちてしまった。

これでは最下位クラスになるのも時間の問題だ。

 

先日塾先生との面談時に、「当塾の進度は速いし、ゆっくり理解するタイプのお子さんにとっては、きびしいかもしれません」と、遠回しに転塾を勧められた。

自分的には「ゆっくり理解するタイプの子は○○をしたら有効ですよ」とか「△△を日々やってください」のように、対策を示してくれる面談だと思っていたのに。

 

もちろん親から見てもついて行けている感じはしていなかったので、転塾を考えることは構わないのだが、塾の先生がそんな見捨てるようなことを言うものなのだろうか。

 

新しい塾に入ったとしても、今のように鳴かず飛ばずの場合には、再び見捨てられるかもしれないと思うと不安でいっぱいだ。


ここからは私の考えです。

 

入った時には、

入塾許可がおりさえすれば、その後はきっと少しずつ上がっていくだろう。

塾の先生方の教えに従っていれば、上げていただけるに違いない。

もちろん1年以上掛かるのは覚悟の上だ。

 

多くの保護者の方がこのように思っています。

 

しかし実際には下位1/3以下のクラスは、そのほとんどがそこに固定されたままです。

 

該当塾は、授業スピードもカリキュラムも上位層に向けているため、下位1/3以下のクラスにはとても負担です。

 

ですから「先生がそれとなく転塾を勧めている」ようにお母様が受け取ったとしたら、むしろ先生の提言は良い転機といえます。

 

親御さんが、お子さんの実力を客観的に受け入れて、それに見合った教え方をしてくれる塾を探した方が、余分な劣等意識を持つ事もありません。

 

転塾する際には、以下の注意点が必要です。

塾の合格実績をみて、そのほとんどが中堅校の場合、その塾はお子さんに見合った塾と言えます。

中小塾になるほど、たくさんあります。

 

授業態度が悪く他の生徒に迷惑を掛けるなど、成績以外のことで退塾や転塾を促すことはありますが、真面目にやっているにも拘わらず、ここに居ても伸ばしてあげられない、の理由で転塾を勧める中小塾は聞いたことがありませんので、ご心配は無用です。

 

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