こんばんは!
今週もお疲れ様でした。
いよいよあと1日で診療は終了。また休みに突入です。
さて今週は本のまとめ
「人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学」
結論、むっちゃ面白いです。
読むだけで俯瞰的に物事を捉えることができるようになります。
行動経済学の本ですので、人の心理傾向や、行動パターンなどの内容をまとめた内容となっています。人の悪の部分に実は熱狂が隠れているという心理的バイアスをコントロールしたブランディングやマーケティング内容に結構ハッとさせられました。
どこを開いても面白かったのですが、特に印象深かったのが「アンカリング効果」について。
アンカリング効果とは簡単にいうと人は先にもらった情報がその後の判断を歪めてしまう。最初に得た基準で結果が変わってしまうということです。
例えば、「ここの料理はどれもすごく美味しくて、芸能人がお忍びで来ているんだよ」と言われた後にそこで料理を食べると、すごく美味しく感じてしまう、という感じです。
どれも美味しくて、芸能人がお忍びで来ているというアンカーがなく、何も言われなければ、「全然美味しくない」と言っていたかもしれません。
こんな感じで、上手に「アンカー」を使うことで人の欲望や悩みをあぶり出すことができるわけです。
歯科医院でアンケートを取る際にも、「定期検診などで何か不満がありますか?」と聞くと人によりますが、大半は「ない」とか「満足」という回答になります。
しかし、ここに「一生を健康的な口腔内でいたいあなた、歯周病や虫歯になりたくないあなた」というアンカーをつけての質問アンケートにするとどうでしょうか。
このような少し高い基準を設定し聞くと、「質問対応をもっと明確にわかりやすくして欲しい」「歯肉マッサージをして欲しい」「自分に合う歯ブラシを教えて欲しい」「定期的にレントゲンを撮影して欲しい」などと、より具体化された回答が得られるのです。
同じサービスの感想を聞いているにも関わらず、何を基準にするかの聞き方をひとつ変えるだけで、全く回答が変わってきてしまうのです。
しかしこれが実は潜在的に隠れていた、人の欲望や悩みでありこれをあぶり出して提供することが継続した価値を与えることができると言えます。
アンカーというのは潜在したニーズであったり不満を引き出す重要な因子であることがわかります。
このアンカーって実は自分の人生においても使えると思います。
普通に日々仕事をするのではなく、「世界基準で働くには」とか「Google社員のようにクリエイティブに仕事するには」とか、強いアンカーを持ち仕事をすることで意欲やアイデアが次々と湧いてくると思います。
もっとこうしようとか、もっと努力しようとか思いますよね。
基準を高めに与えるアンカーは成長させるためにとても有効だと思います。
この本では、アンカリング以外のこともたくさん書かれています。
マクドナルドが大失敗した「サラダマック」の考察。
非常に面白いかった。
新たな商品やサービスを出す際に、「合理的な判断をする人間」を前提にしているようでは、熱狂は生まれない。それではヒット商品を送り出すことは難しい。
すでに、便利で豊かな生活を享受している私たちを熱狂させるためには、人間が持つ「悪」を刺激する必要があるのだ。(本文より)
本当そうですよね。
合理的に生きる人なんてほとんどいない。
どこかみんな「悪」がある。
合理的なことに激しく同意はするけど、熱狂はしない。
熱狂させるには「人間の悪」を刺激させる必要がある。
うーん感慨深い。
是非読んで欲しい一冊です!
サンタさんにランボルギーニ貰いました。