60代 男性


10年前からの頻尿。

昼夜共に回数は多い。尿量は充分あり。運転業なので、すぐにトイレに行くことができず、尿意を思うと焦ってしまい、我慢できずに漏れ出てしまうことも。


排尿痛なし。ストレスはなく足の冷えもなし。前立腺肥大あり。腰痛持ちで同じ箇所が痛む。

脈は問題なし。舌は暗紅色で怒張あり。


最近は頻尿の相談をちょくちょく受ける。

膀胱炎の場合が多いのだが、今回はそうではなさそう。膀胱炎だと湿熱下注と考え、漢方的抗菌薬と膀胱湿熱を除去する方剤をセットにして基本的には解決する。

湿熱の様相が舌からは見られず、残尿感や排尿痛がないためにその可能性は却下。


この時期は猛暑のあまり水分補給を心がけている方が多いと思われるが、それによる尿回数の多さの場合もある。そこらへんは問診によって判断していく必要がある。


年齢的には腎虚はあるだろう。しかし足の冷えがないので腎陽虚ではなさそう。でも補腎は必要なので、前立腺肥大に効果が出ることを狙って、少なめの腎に対する陰陽両虚の方剤と、腎気を強化する単味生薬エキスをお渡し。



2週間後

頻尿間隔は空いてきた。でもすぐに溜まる感じがある、とのこと。


これは膀胱の伸縮があまり機能していないのか、と考えられる。膀胱は五行論では腎に対応するが、膀胱の伸縮機能(筋)は肝が主るので、疎肝理気の方剤と、伸縮をスムーズに行うには肝血を補給することが必要、ということで筋に対する補血活血の方剤を追加で服用してもらうことに。



その結果、切迫感にやトイレの間隔は大きく改善。ついでに腰痛もかなり改善。


トイレ事情に関しては、それがメインの相談でなくとも困っている方が多い。他の慢性疾患に対して問診を続けていくと3〜4人に1人はいるイメージ。

メインのはないので、それに対しての方剤を出すことはあまりしないが、頻尿(日中であろうと夜間であろうと)それ自体はヒントになる。


また、トイレ事情は命に関わるようなものではないが、QOLが著しく低下するので、治してスッキリするのもいいだろう。



こじかんぽう