Kojiの腫れに腫れたリンパ腺2 -Battle of UK-

Kojiの腫れに腫れたリンパ腺2 -Battle of UK-

ビザ抽選に当たったというフォースの導きと思いつきで日本を飛び出し英国に攻め入ることになった著者。
果たして彼は運と行動力だけで紅茶とステッキの似合う英国式Perfect Gentlemanとなり、無事帰国することが出来るのか・・・

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さて、みなさんお元気ですか?

私は色々あって全体で見るとプラス!みたいな生活を送っております。

ここ数ヶ月間更新が無かったわけだがロンドン生活が楽しすぎてブログを書かなかったんだろ、こいつはと思っている方が多々いるのではと思う。

違う。

ただ仕事が忙しかっただけというしょうもない理由からなのだ。

そしてその間にいろんなことがあった。
村上春樹の本の主人公くらい色々あった。

そのため放置していた分過去のことを振り返らなければならない。

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18人部屋の犬小屋生活の間、オレは迷っていた。

ここに住み続けるか新しい宿を見つけるかである。

確かにこの犬小屋は安いがバス代電車代がバカにならない。

違うところに行けば住みやすいかもしれないがその場所自体が見つからない可能性もある。

チャイニーズフードをもぐもぐ食べながら、側から見たらどう見ても悩んでない顔で散々迷った末この犬小屋に住み続けることにしたオレはフロントに出向いた。

「すみません、宿泊延長したいんですけど。」

「すみません、ネットから予約を取ってください。」

めんどくせぇ!!!

ここにオレ本人がいるだろ!

仕方なくサイトを開いたが予約サイトが開かない。

「すみません、予約取れないんですけど。」

「今うちのサイトに問題あって今予約取れないんです。」

どうしろって言うんだよ!!!

「え、じゃあということは今現在世界中の人間がこの系列の宿取れないんですか?」

「そうですね。」

そんなわけあるかい!!!サイバーテロにでもあってるんかいおまえら!!

結局2日後オレがこの犬小屋を出るときには宿無しの状態であることだけがとりあえず確実であった。

渡英して1週間でホームレスという有様である。

ホームレスはさすがにまずいということで一階のパブでWi-Fiをつなぎ必死に探したところ2日はしのげそうなところを予約することができた。

はいオッケーオッケー2日は生きられるよ!と超楽観主義のオレはシャワーを浴び、その2日間以降の宿を探すことも無くそのまま街へ出かけた。

なぜならその日の夜はオレの友達(アキ)の友達の友達という存在しているのかしていないのかわからない都市伝説みたいな存在に会い、一緒にライブを楽しむ予定であったからである。

しかしあいにくその日は雨。

天パもくるくるで朝から早速ご機嫌斜めである。

昼ご飯をレストランで食べるお金もないオレはスーパーで買った1つ70ペンスのパッサパサのチキンを軒先で貪り食っていて、しかも道に迷い、とんでも無く惨めな気持ちになりながらもやっとライブハウスに着くことができた。

その友達の友達の友達によると、今夜ここでパンクロックのフェスが行われるようである。

さてお金のないオレにとって大事なのはお酒の値段である。

こっちの物価は高い。

何かを買おうとしたときに数字を見て安いな~と思っても頭の中で「×160円」と日本円換算をして毎回驚くほどである。アメリカにいた時の「×80円」と比べると倍である。

そのバーに入ってメニューを一通り見てオレはある飲み物の値段設定に目が釘付けになった。

Tequila 3shots £5

安い。一杯270円だ…

日本の価格を考えても安い。

その日無事に友達の友達の友達に出会い散々ライブを楽しみ、イタリア人の女の人に話しかけられやたらと話した頃には、テキーラ12杯とビール5杯を飲み終えていた。

時刻は2時。

ふらふらのまま間違えたバスに乗り、散々街を彷徨って結局イギリスの紳士にタクシーを拾ってもらって帰れた。

翌日に仕事の面接を控えてこの有様である。

忘れてる人いると思うけどオレ今ワーホリでロンドンに行ってるんだからね!

さあみんな、仕事の面接行く時何着ていく?

そう、スーツだよね。やっぱりスーツを着ると心が引き締まる。

そのためオレはわざわざ日本から恐らくロンドンでは一度しか着ないであろうスーツをバシッと着込み、お気に入りのネクタイをズバッと付け、軍人ブーツをジャキーンと履き、生えていた無精髭をジョンジョリンと剃って颯爽とレストランへ向かった。

ちなみにこっちの履歴書はCVというのだが、日本の履歴書のテンションで書くと落ちるという噂である。

オレこんなん出来ます!
オレこんな資格持ってます!!
オレを取らないと損です!!!
死にますよ!!!!
てめぇ死にてぇのか、この野郎!!!!!

くらいのテンションで書かなければならないようである。

だからなかなか盛った。

嘘は書いてないが盛った。

ラーメン二郎くらい盛った。

その結果凄腕の人間のCVが出来上がったことは否めない。
あとから読み返したけどこいつは本当にオレなのか?
(そのCVは日本からすでにメールで送ってあり、オレが4月前半日本でヘラヘラしている一方このレストランサイドでは何やらすごい奴が来るらしいと噂が持ちきりだったそうである、あとから聞いたけど。)

店に入り日本人のマネージャーと挨拶を交わしたあと、彼女はこう話した。

「CV見ました。」

「(ふふふ、凄腕だろ。もしかしてオレのことジェームスボンドだと思ってるんじゃないか?ん?)はい、ありがとうございます!」

「レストランで働いた経験はありますか?」

「。。。ありません。。。」

ジェームスボンド、オープニングテーマが終わる前にまさかの爆死である。

しかし少しだけフレッシュネスバーガーで働いていたこと、ロンドンにあるちゃんとした日本食レストランに興味があること、日本食を愛していることを頑張ってアピールした結果、なんとかトライアルの機会をもらえることに成功した。

背水の陣とはまさにこのことであった。

何しろ仕事なんてすぐ見つかるだろとこれまた超楽観主義のオレは2社にしかCVを送っていなかった上に面接の返事をもらえたのがこのレストランしかなかったからである。

そこらへんの運が異常にいいところがオレのダメなところでもある。

面接を終え、レストランを後にしたオレの頭の中には、オレの肋骨を3本持ってった新潟時代の会社の課長のセリフが響いていた。

「内藤、人生をなめるな。人生はそんな楽なもんじゃない。」

課長見ててくれ。

人生はそんな苦い顔で語るもんじゃねえ!

こうしてオレのワーホリ生活はこの日本食レストランCHISOUで始まろうとしていた。

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それにしてもエアチャイナのジャッキーチェンの映画の多さには驚く。

日本の航空会社はもちろんアメリカの航空会社でもここまで推されてる人見たこと無い。

あと中国でGoogleが使えないのは知っていたが、LINEやfacebookまで使えないとは。

情報規制恐るべし。

facebook使えないの知らずに空港の人に、なんかWi-Fiおかしいぞ!って聞いてみたら、


No facebook.
THIS IS CHINA!!


って言われた。

そんなあんた300のスパルタ軍じゃないんだから・・・。
(例のシーンは2:40頃からお楽しみください。)


さてがっつり飛行機の中で睡眠を取り、異様にあっさりと入国審査を終え(1人で海外に行って、ちょっとこっち来てって言われなかったことない)、ついに大英帝国に潜入完了である。

ここでもまた空港でロンドンっぽい写真を撮り忘れるというミスを犯しながらも、まずは喫煙所へ向かった。

なぜかって?

ライターを借りるためである。

なぜかって?

なんか知らんがキャリーバッグがかっったいプラスチックのひもでギッチギチに縛られてるからそれを燃やしてちぎるためだよ!!!

誰だ、こんなことしたやつ!!!

中国この野郎!!!!!!

しかも新しく買ったキャリーバッグであんまなじみがなく、このキャリーバッグが自分のものかも定かではない。

喫煙所にて綺麗で優しいブロンドのお姉さんを見つけライターを借り、恐る恐る中を見ると・・・

オレのオレの!!!これオレの!!

よかった、本当に良かった、これで違ったらまた戻ってめんどくさいことになるとこ・・・




キャリーバッグから一枚の紙が落ちて来た。


『これら危険ネ。ZIPPO 2個 没収アルよ。』



くそ中国!!!

オレが数年前から御守り代わりに持っている大事な大事な大事なZIPPOを!!

2つも!!

パスポートとビーサンの次に大事なZIPPOを!!!!!

中国許さん。一生行かない。

たとえ乗り継ぎで行くことがあっても降りることは決してない。

チャイニーズフードは愛するが中国は愛さない。

もう中国丸ごと燃やしたい。

THIS IS JAPAN!!!




喧嘩を売られたスパルタ軍のように目をかっ開き、怒りに震えながら荷物没収の通知を見ているオレをお姉さんはとても心配そうに見守ってくれた。

なんとか気を取り直しユースホステルのある最寄りのバス停Tipthorpeへ歩き出した。



地下鉄に乗ってバスに乗ってそこまで行ったわけだがそこへ向かうのに何回人に道を聞いたか分からない。

そういう仕事かと思われてもおかしくないくらい聞いた。

それにしてもイギリスの英語は6割くらい何言っているか分からない。

英語っぽいどこかの言語といった感じである。

しかし6割はまだいい方。

日本にいた時、イギリスの英語に慣れなければとイギリス英語の映画を英語字幕で見たが、9割何言ってるか分からなかった。あの時は本当に恐ろしかった。


さて着いたこのユースホステルThe Crown Pub Loveだがオレがここを選んだ理由は一つしかない。

1階がパブだから!!!



飲んでそのまま上に行って寝られるなんて最高じゃんか!


そんな軽い気持ちも初日にしてロンドンの町の霧の様に消え去るとも知らずに・・・

確かにオレは安さを重要視してた。

生き延びることが一番大事だ。

しかし18人部屋でかつ3段ベッド6台でしかもオレのベッドが2段目とは・・・

刑務所か、ここは。




これはこの部屋の一部。右側の台の2段目がオレのベッド。

めちゃめちゃ狭いぞ。

寝床に本当に潜り込んでいる。

しかも上の人間がやたらと寝返りうつ奴で、高層ビルの耐震構造の原理が働いてベッドごとものすごい揺れる。

あとなんでか知らないけどこの部屋すごい犬の臭いするんだよ!



旅の疲れの中、初日からうんざりしたがまた1個だけいいことがあった。



目の前がチャイニーズフードなんだよな~~~~!!

チャイニーズフード愛してるぜ!
そしてその準備期間の1年は あっという間に過ぎた。

その間東京→新潟→大分の移動である。

東京→新潟の話は日本用ブログを見てくれ。
KoJiのいやいや、おまえふざけんなよ!


それにしても新潟→別府と生活のレベルが明らかに下がっている。

別府でのある一ヶ月、イギリスへの往復チケットとケータイ代と師匠の結婚式出席のための東京への往復チケットで給料の90%が吹っ飛び、その月の昼ご飯は前に買っておいたプロテイン、夜は極限まで放置したチキンラーメン。
たまに部屋中ひっくり返して小銭を集め、サントリーのウィスキーのポケット瓶を買うという学生の頃より質素な生活を送っていた。

思い出すだけで涙がでる。



ちなみにこれを読んでいるこれからイギリスへワーホリにいく人。

ビザをとるための書類の準備をどっかの代行会社にやってもらうのはクソ金がかかってもったいないぞ!

情報は全部インターネットに載っている!

このめんどくさがりなオレでも出来たんだから!

何回も自分が書いた書類見直せば大丈夫大丈夫。

『イギリス ビザ ワーホリ 申請方法』

とか打って検索すれば全部出るから。



と、そんなこんなで4月1日に大分から東京に戻り、毎日お別れを言うため人に会いまくった結果。


完全にヘビーめな風邪を引いた。


しかし、14日までにイギリスに入国しなきゃビザが取り消されるというのに間違えて14日の当日イギリス着の飛行機のチケットをとったオレにあとはない。

当日、ふらつきながらも羽田空港に着いたオレは完全に自分にいらついていた。

なんでオレは朝7:30発なんかのチケットをとったのだろう。

めちゃクソ眠い。

これは飛行機で寝るしかない。


と向かったゲートはエアチャイナ。

やっぱ安いからなのかな?

一番端まで歩かされた。

病人をこんなに歩かせるもんじゃない。もうヨーダみたいに目半開きで歩いてるんだから、こっちは。


ゲートが一番遠いということを知った瞬間のオレの様子


やっとの思いで乗り込み、飛行機がゆっくり動き出して緊急時の注意が機内に流れてる時には完全に眠りに落ちていた。


どのくらい眠っただろうか。

気分が多少良くなっているからかなり寝た気がする。

その時機体に軽い振動が。

なんともう着いたようである。

さすが乗り継ぎが北京空港なだけあって早い。3時間くらいかな?

窓の外を見てみるとそこには!!


見慣れた羽田空港の飛行場が広がっていた。

なんのことはない。まだ離陸すらしていなかったのである。早く飛べ!!!

こっちは本場の麻婆豆腐早く食べたいんだよ!!

おまえ陸路で行く気か?!

とかいう馬鹿なことを考えていたらまた寝てしまい今度こそ本当に着いた。


飛行機から降りる時、オレは思わず目を疑った。

こ、この飛行機の降り方は・・・憧れのビートルズ来日スタイル!!



*ビートルズ来日スタイルとは
飛行機からタラップを降りて飛行場に直で降り立つスタイルのこと。
飛行機会社の思いやりでタラップに雨よけカバーがかかっていたりするとこのスタイルではなくなる。また見た目は同じでも飛行機に乗り込むときもこのスタイルとは認められない。
よくありそうなスタイルだがオレは今回が初めて。


残念なのはここが中国だということ。

ロンドンでこれをやってみたかった・・・。

しかも写真を撮り忘れるという痛恨のミス・・・。


みんなも今後、このスタイルに遭遇したらちゃんと上の写真みたいに堂々と登場してみよう。

旅が少し楽しくなるぞ。

ついでに頭の中でIt's been a Hard Day's Nightを流すとより雰囲気が出る。



そこからバスで向かった北京空港はオレの予想と全然違っていた。

※特別付録『オレの予想していた北京空港』一覧
・男は弁髪、女はチュンリー
・手荷物検査で引っかかると銅鑼が鳴る
・みんな袖に手を突っ込んでいる
Project Aの音楽が爆音でかかってる
・そこらで爆竹が炸裂している
・5人くらいで棒を持って操る龍のハリボテが宙を舞っている
・空港内の広場では老人たちが太極拳
・空港内の移動は自転車
・大きなスクリーンに今まで空港で起こったアクシデントがジャッキーチェンの映画のNGシーン風に流れている
・カンフーの達人が超人的なテクニックで麻婆豆腐を作ってくれる
・会員制の阿片窟がある



だってまず綺麗でしょ?

そしてもんんんんんんんんんんんのすごく広い。

この広さは異常。

この飛行場が中国大陸の10分の1を占めてると言われてもオレは信じるね。

広いだけならまだいいよ。

なんんんんんんんんんんんんんにもない。

真ん中にちょろっと免税店あるだけであと何にもない。

しかもロンドン行きのゲートはまた一番端。


だから病人を歩かせるな!!!!こっちは麻婆豆腐食べられなくて落ち込んでいるんだよ!!!

結局散々歩いて見つけた店で食べたのがこれ。


・・・グリーンピース・・・オレの嫌いな・・・オレの麻婆豆腐は一体どこへ・・・

がっかりしながら食べているとなぜかオレの写真を撮る従業員。

こいつら日本人見たこと無いのか?

それともオレがフランス軍の軍服を着ているくせにやたらとバカンス感漂うハットをかぶる謎のファッションを披露しているからか?

もしくは小栗旬と間違えているのか?

そそくさと店を出て飛行機が出るまでの2時間ベンチで寝てやっとロンドン行きの飛行機へ。

やっと脱中国である。

正直もう北京空港はいい。

外出るともっと楽しいのかもしれん。

しかし北京発ロンドン行きの飛行機で嬉しいことが一つあった。

なんと機内で観られる映画のラインナップの中にProject Aが!!!


これだよ、これ、やっぱ中国はこうでないとな!!!
ことの始まりは2014年12月、留学先で地獄の夏休みを過ごした戦友アキからの連絡だった。


「よう、こーじ、イギリスのワーキングホリデーの情報見てみろよ。」


地獄のエルマイラ(通称:ヘルマイラ)生活以降、東京と北海道というバラバラの土地にいるとはいえ、アキとは連絡を取り続けていた。

たまに訳の分からん記事とか渋い歌とかを送ってくれる。

その日送られて来たイギリスのワーホリに関するサイトのURLには簡単に言うとこんなことが書いてあった。

・2年間働ける
・フルタイムで働ける
・UKどこででも働ける
・申し込みは名前、パスポートナンバー、アドレスなどを送るだけで無料
・完全なる抽選

なんだこれは。

ペーペーのレスラーが王座戦にいきなり参加出来る可能性があるみたいな感じか。



期限が迫っていたためアキと一緒にとりあえずメールは送ってみたがまっっっっっっったく期待していなかった。

だって申し込みの条件が18歳以上31歳未満のオーストラリア、カナダ、モナコ、ニュージーランド、香港、韓国、台湾、日本の国籍を持つ人間で定員がたったの1000人だぜ?

当たる訳がない。何人居るんだよって話である。日本だけでも何百万人いるか分からん。

その時働いていた食品工場の休憩所で仲の良かったおっさんとそんな感じで笑って話していた。


翌年1月、一通のメールが届いた。

内容はうじゃうじゃ書いてあったがオレにはこうはっきりと書いてあるのが分かった。


『今この世は危機に晒されています。
こーじ、あなただけが頼りです。
あなたは選ばれしもの。
ジェダイ評議会UK支部はあなたを受け入れます。
準備期間は1年間。
それまでしっかりジャパンで修行するように。
フォースと共にあらんことを。

オビ=ワン・ケノービ』


スターウォーズのファンファーレが頭の中で思いっきり鳴り響く中、オレのワーホリミッションは始まったのだった。



アキはなぜか抽選に落ちた。

なぜだ...