「働き方改革関連法案」のゆくえと、社労士の役割。 | 三重県の社労士&行政書士・小岩広宣のブログ(四日市・鈴鹿市・津市)

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今の国会の大きなテーマとなっている「働き方改革関連法案」ですが、裁量労働をめぐるデータの問題やその他の政局の混乱もあり、ゆくえがまったく分からない状況でしたが、ここ数日の動向をみるかぎりでは、今国会で成立しそうな流れになってきました。

もちろん政治は一寸先は闇ですから、実際には何ともいえないところですが、世間が連休中の5月早々から委員会審議が始まって、今日まで定例日にほぼフルタイムで審議していること、一部の野党との修正協議の動きが出てきていること、今日TPP新協定が衆院を通過するなどの国会全体の状況などから、6月20日の会期末までに可決成立する可能性も高まってきていると感じます。

 

 

 


与党と日本維新の会などとの修正協議では、「高プロ」の部分を一部修正する方向で詰められているそうです。与党+一部野党というのは他の法案でもみられる構図ですが、個人的には実務上の論点がかなり多いと思われる派遣法については、ほとんど本格的な議論の蚊帳の外に置かれていることには違和感を感じます。改正案の規定自体は抽象的ですので、具体的には成立後に労政審で議論することになると思いますが、やはり業界関係者の不安感は根強く、現場は混乱するような気がします

ただ、派遣法の部分はともかく、時間外労働の上限規制や不合理な待遇差の解消といった、「働き方改革」の理念自体に異を唱える人はほとんどなく、基本的には個々人の理念や信条を超えて包括的に目指すべき国策だといえると思います。その意味では、法案の具体的な内容にはさまざまな論点があるとはいえ、「働き方改革」を法整備を通じて推進していく「時期」については、そろそろ潮時だというのも事実です

法案では、施行期日について、労働時間に関する制度の見直し等については「平成31年4月(中小企業は平成32年4月)」、いわゆる同一労働同一賃金については「平成32年4月(中小企業は平成33年4月)」とされています。消費税が10%に引き上げられるのが平成31年10月、東京オリンピックは平成32年夏です。一般的にこれらの出来事のあとには景気が冷え込むとみられていますので、大局的に考えると「時期」としてはやはりあまり猶予はないのですね。

ということで、思いとしてはとても複雑な「働き方改革関連法案」ですが、成立しそうな流れになってきた以上は、冷静に実務対応すべく準備をすすめ、また最新情報などについても場面ごとに発信していきたいと思います。

 





ところで、「働き方改革」における“社労士の役割”については、国会でも話題になりました。5月16日の衆院厚労委員会の質疑では、日本維新の会の浦野靖人議員が、今回の法案にからめて社労士の立ち位置について問題提起しつつ政府に質問しています。①働き方関連法案での社労士の位置づけは? ②社労士にはどのような期待がされているか? ③不正な行為を行う社労士への懲戒は? といった点について触れられています。政府の答弁を含めた質疑自体は目新しい内容はないですが、こういった国会での議論の中で正面から社労士制度が話題になることは、やはり時代の要請のひとつなのかもしれません。
 

時間外労働の上限規制にしても、不合理な待遇差の解消にしても、社労士が事業所や労働者の力になるべき真正面のテーマであり、またこれらの制度はとても複雑である上に確実な対応を求められることから、今まで以上に社労士が労使双方から頼られる場面も増えると思います。従来の専門知識や実務経験の上に、新たな時代や新たな法律への現実的な対応という視点を踏まえて、いっそう依頼者の方々への支援が実をともなうものになるよう、努力していきたいですね。

それにしても、法律系の士業はこれから厳しいとか、もはや時代遅れという辛辣な意見もありますが、社労士に関しては、まったく新しいテーマが多すぎて、時代の流れがさらに加速していきそうで、まさに「これから」といった感もあります。期待に応えられるように、頑張っていきたいですね。

 

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