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秋の臨時国会が近いということで、労働法改正をめぐる審議会の開催ラッシュです。

今日開催が予定されている労働政策審議会労働条件分科会では、労働基準法も含めた法改正の要綱案が提示されるといわれています。

労基法の大幅改正となると、およそ30年ぶりのことですから、新聞紙上も賑わすことになりますね。

先立つ同一労働同一賃金部会では、同一労働同一賃金の改正案要綱(イメージ)が提示されています。

全14ページの資料では、半分の以上の紙数が派遣法関係で占められています。

派遣法関係で気になるのは、やはり「不合理な待遇の禁止等」の項目ですね。

派遣労働者の同一労働同一賃金については、(1)派遣先の労働者との均等・均衡方式、(2)労使協定による一定水準を満たす待遇決定方式の2パターンが想定されています。

改正案要綱では、(1)を原則としつつ、一定の要件を満たす場合に(2)を例外として認めることが示されました。

審議会の議事録をみても、厚労省が(1)を原則だと考えていることは明確でしたが、現実的には(2)を選択する事業所が多くなると予想されています。

そうすると、気になるのは(2)の協定の内容(項目や手続き)ですね。

 

 

 


 

 

 

案では、以下の6項目が示されています。



1 協定が適用される派遣労働者の範囲

 

2 派遣労働者の賃金の決定方法

→ 同種業務の一般労働者の平均的な賃金額(省令で定める) + 派遣労働者の職務内容、成果、意欲、能力、経験等を勘案



3 派遣労働者の職務内容、成果、意欲、能力、経験等を公正に評価し、賃金を決定すること

4 賃金以外の派遣労働者の待遇の決定方法


5 キャリアアップに資する教育訓練を実施すること


6 その他、省令で定める事項

 

 

 

 


アンダーラインを付けたところが、項目の中でも注目すべき部分です。

(2)の協定方式で派遣労働者の待遇を決定する場合、省令で定める「同種業務の平均的な賃金額」というだけでは、協定を締結することの意味は本質的ではないでしょう。

そこに、「派遣労働者の職務内容、成果、意欲、能力、経験等を勘案」という要素が加わります。

さらに、それらを「公正に評価し、賃金を決定すること」が求められるわけです。

正社員のような人事評価制度ではないにせよ、何らかの評価と賃金決定の紐付けの仕組みが必要となります。

そして、それをキャリアアップに資する教育訓練の実施によって後押ししていく。

 

これが、ここで描かれている見取り図だと思います。

 

 



そもそも派遣労働者の賃金は、派遣先の労働者の賃金水準によって自動的に決定されるべきものではなく、雇用主である派遣元との信頼関係において自主的に決められるべきものです。

現行法の第30条の3(1項、2項)にある配慮義務を格上げして派遣先との均等・均衡方式を導入しようとする法改正のポリシーと、上記のような本来の派遣労働者の賃金決定のあり方とのいわば選択的折衷案が、今回の内容だと思います。

したがって、改正後は協定方式を採用する事業所が多いとは思いますが、協定の持つ意味はかなり大きいものになっていくことになるでしょう。

具体的な改正内容はこれからの審議会での議論や国会での審議を見守るしかありませんが、今から先を見据えた対応に心がけていきたいものです。
 

 

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