”5五の龍” 蔵書は、中央公論社の愛蔵版。
 
四方八方に桂馬とびが出きる「八方桂」、

角が横にぶつかると 反射した方向にもきく(縦のかべにあたっても反射しない)「反射角」、

周囲八角に二マスずつ動ける中将棋の駒「獅子」と同じ動きを「王将」に与える『獅子王』 も登場。
 
 
<帯> 将棋界の全貌が浮き彫りにされた漫画ノンフィクションの大傑作(「序」より 九段 大内延介)
         挫折していく仲間たちをよそに「5五龍中飛車戦法」に磨きをかけ、
             着実に昇級を重ねていく少年棋士駒形竜!!
                 将棋界の全貌を描く青春漫画の傑作!



 
将棋会館や奨励会の対局風景、 奨励会筆記試験問題 も登場します。
 
中原さん、米長さん、加藤一二三さん、二上さん、大内さん、関根さん など似顔絵付きで 話の合間に出演します。
 
駒形竜の師匠 芦川八段はどう見ても芹沢さんです。



 
下巻は 上巻以上に 盤面図と棋譜が登場します。
 
大内延介九段、田中寅彦八段、蛸島彰子女流五段が 棋譜監修をされています。



 
この当時、”5五の龍”連載記念ということで、「第一回少年キング名人戦」が雑誌少年キング誌主催で行われ、塚田泰明八段が中学生の部で優勝しています。
 
塚田さんは 奨励会時代を思い返すと、『まず「将棋」があって、結局その前にも後ろにも「将棋」しかなかった』といいます。



 
”5五の龍”は、主人公(駒形竜)が二級に昇級したところで終わります。
 
最終ページは、田中寅彦四段 出題の詰将棋(五手詰)、 詰め上がりが しゃれています。
 
 
日本将棋連盟は 奨励会の入会規定を変更せざるを得ないほど申込者が増加しました。
 
”5五の龍”は、まさに 55年組から羽生世代の少年読者を奨励会に導いた手引書でした。
 
 
 
「かなめの一手」「詰将棋」 出題:関屋喜代作六段
 
週刊少年キング(1978年16号~1980年8号)連載
 
 
 
<もくじ上巻>
序                             棋聖・王座 中原誠
真のプロフェッショナルを目指す少年を描いた本   八段 田中寅彦
『5五の龍』(上)
 
<もくじ下巻>
序                             九段 大内延介
将棋しかなかった奨励会時代            八段 塚田泰明
『5五の龍』(下)
あとがき                       アマ四段  つのだじろう
日本将棋連盟支部一覧
棋士系統図
日本将棋連盟の事業案内抜粋
日本将棋連盟奨励会の昇・降級規定
 
 
           著者: つのだじろう
           1989/5/25 初版