昨季から山雅が目指そうとしているサッカーは、主体的に攻撃する「アクションサッカー」を志向していくと言われています。
「ツヨクナル」=「勝つサッカー」を目指すために、その意味をもう一度確かめてみたいと思います。
2023シーズンのJ1およびJ2リーグは、サッカースタイルの革新としては歴史的なシーズンだった。
J1は堅守が光りスタートダッシュに成功したヴィッセル神戸が、最後まで勢いを持続させて悲願のリーグ初制覇を達成。
J2は黒田剛監督を招聘したFC町田ゼルビアが、圧倒的な強さを見せて独走優勝。
そして今季J1へと上がった町田は現在5勝1分け1敗でJ1首位を走っている。
同時期にJ2に上がって、お互いに切磋琢磨していた町田と我が山雅は、何故このように差がついてしまったのであろうか?
そして、それぞれのクラブが目指そうとしている戦い方の差を紐解いてみたいと思います。
神戸と町田の両クラブは、志向する戦術・的確なチームづくりなど共通項が多数ある。
特に「ロングボール&ハードプレス」のスタイルでリーグを制した点は、戦術的に大きな意味を持つ。
両クラブの共通項を考察しながら、従来の「ポゼッション&ハイプレス」から「ロングボール&ハードプレス」へ
戦術トレンドが変化しつつあるサッカースタイルをやはり志向すべきであるとの提言です。
戦術的な観点から見ても、町田の戦い方には大きな意味を持つと思うのです。
2022シーズンを15位で終えた町田は、リーグ戦ラスト10試合2分8敗未勝利で終わり大いに苦しんだ。
状況を打破すべく、高校サッカー界で辣腕を振るっていた黒田剛監督を招聘すると、チームは一変、昨季は圧倒的な強さでJ2優勝を達成した。
吉田監督および黒田監督が志向するサッカースタイルとしては共通点が多い。
強度の高い連動したプレスでボールを奪い、奪った後はシンプルに前線へ展開して一気に打開する。
ともにロングボールとセットプレーを有効活用するのも特徴で、町田は、高校サッカーでは定番となったロングスローで押し込む形が効果的に機能した。
その黒田監督が日本代表の戦い方に苦言を呈しているのでそのコメントを抜き出してみた。
自身が常勝軍団に築き上げた青森山田高は、全国高校サッカー選手権でV奪回を果たし「やっぱり強かったな」と古巣の選手やスタッフを絶賛。
「これが世界で通用していくサッカーだ」と青森山田のスタイルこそが日本サッカーの目指すべき〝理想〟と強調した上で、次のように語っています。
「あんまり足元でチャカチャカやって、7本パスをつないで点数を取るというサッカーが果たしてサッカーかと言った時に、やっぱり日本の〝甘さ〟というのはそこにあるわけで。
ありとあらゆる方法で得点を取りにいく、そして、ありとあらゆる方法でゴールをしっかりと死守していくという」。
不必要にパスを回したり、時間をかけすぎるという日本サッカーの〝悪癖〟を指摘しつつ、
攻守が一体となったスピード感あふれるスタイルの重要性を熱弁した。
この言葉にこそ、これから「ツヨクナルサッカー」を目指すうえで実施しなければならない戦い方だという事を、肝に据えなければならない。
幾ら綺麗にパス回しをしても、手数を掛け、相手の守備陣形が整ってからでは、そのゴールをこじ開けるのは至難の業である。
(つづく)
何度も言うが、
しぶとく守ったらロングボールで一気に攻め上がる攻撃、
これこそが目指すべきサッカーではないでしょうか。