遺言 | 中村教授の愉快な毎日

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母がコロナで死んで6ヶ月になる。

バスとか電車で白髪のおばあさんを見ると思い出してしまう。

しかし、もっぱら賢弟が実家で世話をしていたので、彼はむしろ楽になったと思っているかもしれない。

死ぬ間際には、笑いながらではあるが、(世話が)もう限界だと母の前で言っていたから。

甘いものを食べさせたかったとか、もっと花とかを見せに行けばよかったなど思う。

しかし、それは、世話もせず、ひとり気楽に暮らしていた私だけの意味のない感傷にすぎないだろう。

私はオタク的な知識だけを溜め込んできて、免許さえ持っていない社会不適合者なのだ。

しかし、免許がないのは色弱のせいである。

ところが昨日検索すると、今では取得できるらしい。

だが、取るわけにはいかない。

亡父の遺言で、君は運転しない方がいい、と言われているからである。

自転車でさえよく事故を起こしたから、危ないと思ったのだろう。

母は乗らなかったが、免許は持っていた。

昭和16年生まれとしては、先進性があったと思う。