経済力学(デフレやインフレの起こるメカニズムに関するエントロピー理論を用いた考察)」第2編第1章 その3職業紹介事業者の暗躍が国民の雇用を脅かし国民の職業選択の自由を阻害しているという事実 

 

 

 今現在、職業紹介事業者が暗躍してきているが、その存在が、国民の雇用を脅かし、国民の職業選択の自由を阻害する原因にもなっているという事実がある。

 

 まず、職業紹介事業者は、各企業から、多額の金銭をもらい、求人広告を出し、求人を募集しているが、各企業が多額の求人広告費の負担を余儀なくされていることで、実際の労働者の賃金が低く設定されてきているという事実がある。

 

 

 そして、雇用側と労働者側の間に、職業紹介事業者が入ることで、雇用側に有利な形での労働者の選定、および、労働契約が実際に可能になっている点も、非常に問題視される点である。

 

 

 また、現在の労働法制においては、雇用側には、試用期間を設けた労働契約も可能になっている点で、雇用側と使用者側が対等な立場での労働契約では決してないという点においても、労働法制の矛盾を招く結果になっているのである。現在の労働契約法においては、「労働契約は、労働者及び使用者が対等な立場における合意に基づいて締結すべきものとする」とされていることから、労使双方が対等な立場での雇用契約が保障されなければならないのであるが、職業紹介事業者という、言わば、使用者側の飼い犬が間に入ることで、労使双方の対等な立場での労働契約を脅かされていることが非常に大きな問題になっているのだ。

 

  

 元々は、各企業は、公共職業安定所に無料で求人を出して、労働者を募集するのが唯一の、一般的な求人を出す方法であったが、自民党の小泉政権下においての規制緩和によって、このように、現在では、有料で職業紹介事業を行う職業紹介事業者が暗躍する事態を招き、また、労働法制の改悪も断行されてきた経緯があるのだ。

 

 

 つまり、本来は、国民の利益となる職業紹介の形態が国によって、きちんと採られていたが、今では、職業紹介事業者が、国民の得られるはずの利益をも、根こそぎ持っていく形にされているというのが現実なのである。

 

 

 かの竹中平蔵元経済産業大臣が、職業紹介事業を行う、パソナグループの現会長職にあることは皆さんもご存知の通りであるが、その成り上がりの背景には、国民の利益を根こそぎ持って行くような事業形態を、その自らの立場を悪用して、違憲な手段により実現させたことが、非常に国民にとっての大きな痛手を負わされる結果となっているのだ。

 

 

 そして、現在では、日本国憲法で国民に保障された、職業選択の自由さえ、脅かされ、阻害される事態を招いているというのが現実なのである。

 

 

 そもそも、職業紹介事業というのは、国が行うのが本来の役目である。なぜならば、日本国家が、日本国憲法で国民に対し職業選択の自由を保障しているためであるが、それを民間の職業紹介企業に任せることも国の規制緩和によって可能にされたために、国民に保障された、職業選択の自由が脅かされ、阻害される事態を招くことになったのである。

 

 

 そして、公共職業安定所の職員は公務員であるため、公務員は国民全体の奉仕者であるが、職業紹介企業は、各企業に雇われた、言わば、飼い犬である。その点が非常に大きく問題視されなければならない点であり、そして、労働者を人間的に差別することを許す結果にもなっているのだ!

 

 

 つまり、職業紹介事業者は、各企業から雇われており、その点においても、各企業側に有利な形での求人の募集形態になりやすく、また、雇用契約にもなりやすいという点が、非常に大きな大問題なのである。つまり、雇用側と使用者側の対等な立場を無視した、アンフェアな雇用を生み出す原因にもなっているのである。

 

 

 その点においても、国民の職業選択の自由が大きく阻害されていることが、憲法違反に該当することも、非常に問題視されなければならない問題であろう。

 

 

 このような、憲法違反行為を平然と行う、今の政府与党は、日本国憲法で保障された、国民の得られるはずの自由による利益までも、大きく奪うことを許した、非常に大きな責任があるのです!