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2009-10-30 22:03:22

『グミ・チョコレート・パイン』 パイン編

テーマ:再読
 『グミ・チョコレート・パイン』(大槻ケンヂ) 「パイン編」

―あらすじ―
 賢三の想い人の山口美甘子は、着実に女優への道を歩き始めていた。女優としての才能が溢れ、さらには共演の俳優とのセックスに喜びを見出していく。一方、親友たちとバンドを結成したものの、自分の役割を見出せずに苦しむ賢三。そんな賢三の前に、山之上のジーサンが現れた。青春大河巨編、ついに完結!


 「グミ編」、「チョコ編」ときて、ついにこの巻で完結です。普段はハードカバーを買わない文庫派の私が、どうしても読みたいからとハードカバーを買ってしまった本でもあります。苦しみながらも、自分の居場所を見つけることが出来たケンゾーに、ホッとした思いです。

 しかし、「グミ編」、「チョコ編」に比べると、どうも現実離れした印象は拭えません。ジーサンによる修行や、親衛隊からの逃避行など、悪く言えば荒唐無稽な感がしてしまいます。フィクションと言ってしまえば仕方が無いのかもしれませんが、やや残念だったかと。まあダメ男を描いた作品は、総じて展開が荒唐無稽になりがちなものですが。

 それでもやはり、無事に完結してくれたことに感謝です。個人的には、賢三と美甘子の最後の会話が良かったですね。大好きな美甘子に追いつきたいがために、必死でもがいてきたケンゾーに対し、ケンゾーのことなど全く視界に無かった美甘子。この断絶感は何とも言えません。

 それと、文庫版の帯に書いてあった「あいつらが簡単にやっちまう/30回のセックスよりも/「グミ・チョコレート・パイン」を/青春時代に1回読むって事の方が/僕にとっては価値があるのさ」(峯田和伸)は、なかなかいい文章ではないかと思います。

グミ・チョコレート・パイン パイン編 (角川文庫)/角川書店

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2009-10-28 18:33:31

『芋虫』(漫画)

テーマ:漫画
 『芋虫』(作/江戸川乱歩 画/丸尾末広)

―あらすじ―
 日露戦争で負傷し、四肢を失い聾唖者となった軍人・須永。そんな夫を健気にも看病する時子だったが、 夫を虐げながら目交わうことに快楽を覚えていくようになる。そんなある日、時子は須永の両目を潰してしまう――江戸川乱歩の同名小説を完全漫画化。

 江戸川乱歩の一つの頂点にして、最高傑作だと思う「芋虫」の漫画化作品です。丸尾末広氏と言えば、知る人ぞ知る奇才漫画家であり、昨年は江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」の漫画化を手がけ、今年になって同作品で手塚治虫文化賞新生賞を受賞しています。

 連載が始まったと知ったときには、「『パノラマ島綺譚』は素晴らしかったが、さすがの丸尾末広でも、この「芋虫」を漫画化できるとは思えないなあ」と感じていたのですが、単行本で読んでみて、その予想以上の世界にゾクゾクしました。特に、須永と時子が目交わうシーンは、これ以上ない見事な描写です。元々の小説でさえ人を選ぶ作品でしたが、丸尾末広という奇才により、よりおぞましさが倍増し、さらに人を選ぶ作品となってしまいました。しかし、たとえ99%の人が嫌悪感を抱いたとしても、私は素晴らしい作品だと絶賛します。

芋虫 (BEAM COMIX)/エンターブレイン

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2009-10-26 18:32:07

『リバースエッジ 大川端探偵社』 1巻

テーマ:漫画
 『リバースエッジ 大川端探偵社』(作/ひじかた憂峰 画/たなか亜希夫) 1巻

―あらすじ―
 隅田川沿いに店を構える大川端探偵社。そこには様々な人が依頼を持ち込んでくる。都市伝説にも似た「豪華カラオケ客船」の真相や、そば屋のエルビス・プレスリー(のそっくりさん)の探索など、村木と所長は駆け回る。


 原画は『かぶく者』のたなか亜希夫ということで、連載時から気になっていた作品です。殺人事件が起こるわけでもなく、日常の人々のちょっとした依頼事が中心となっています。とはいえ通り一辺倒の探偵モノではなく、必ずしもハッピーエンドではないのですが、それがまた絵柄と良く相まって、大人向けのエンターテインメントになっていました。地味な作品ではありますが、「ケレン味の無さ」こそが、本作の魅力かと思われます。

リバースエッジ大川端探偵社 1巻 (ニチブンコミックス)/日本文芸社

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2009-10-24 21:39:44

『深川黄表紙掛取り帖』

テーマ:
 『深川黄表紙掛取り帖』(山本一刀)

―あらすじ―

 元禄時代の江戸。定斎(薬)売りの蔵秀、長身男装の絵師・雅乃、文師・辰次郎、飾り行灯師・宗佑の4人は、様々な厄介事を引き受ける裏家業を行っていた。彼ら4人は力を合わせ、豪商・紀伊國屋文佐衛門とも渡り合う。「端午のとうふ」、他4編を収録。


 去年に買った本ですが、今一つ面白さが分からずに、途中まで読んで止めてしまった本です。先日、本の整理をしている中で発見し、どうせなら一応最後まではと再開しました。が、やはりどうも面白さが分かりません。登場人物に魅力を感じられなかったように思えます。

深川黄表紙掛取り帖 (講談社文庫)/講談社

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2009-10-22 20:04:03

『右近左乃介』 2巻

テーマ:漫画
 『右近左乃介』(作/村尾幸三 画/山本康人) 2巻

―あらすじ―
 「曽根崎心中」の舞台が開幕。絶望の淵に追い込まれた左乃介だったが、死を覚悟することで悪鬼と化す。互いの敵意をむき出しにした、左乃介vs右近の戦いが本格化。さらには利権とプライドを賭けた、狂気に歪む女同士の争いが始まる。


 左乃介のまさかの復活劇と、右近の過去と本性が少し露わになり、ますます戦いが深まってきました。歌舞伎界の力関係に疎い女性リポーターを加えることで話に変化が出始め、以前にも増して予測不可能な展開になってきています。さらにはそれら女性同士の戦いも加わり、こちらも非常に気になる戦いになっていきました。人間関係がメインのため歌舞伎シーンが少ないのは残念ですが、3巻からは新たな「劇場」で左乃介vs右近の戦いが見られそうで楽しみです。

 3巻は書店に並ぶことを願います。…何で1巻は仕入れて2巻は仕入れないのか。

右近左乃介(2) (KCデラックス)/講談社

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2009-10-20 19:23:55

『マタンゴ 最後の逆襲』

テーマ:
 『マタンゴ 最後の逆襲』(吉村達也)

―あらすじ―
 かつて、食べた者を第三の生物・マタンゴ(キノコ人間)と変化させるキノコがあった。1963年、漂流して孤島にたどり着いた男女7人は、そのキノコによって恐怖に陥れられることとなる。――そして時は流れ、2003年。富士の樹海に都市伝説を確かめに7人の男女が集まった。いざ探検にと出発しようとした彼らは、極彩色の胞子の霧に包まれ、樹海にてマタンゴと遭遇する。さらに10年後―悪夢を忘れ、社会人となった彼らのうち4人の身体に異変が。10年の潜伏期間を経て、肉体がキノコに変身しはじめた…伝説のマタンゴが、半世紀ぶりに蘇る。


 カルト映画の名作・『マタンゴ』の続編に当たる小説です。映画の50年後(2013年)の日本を舞台にしており、孤島でのサバイバルから一転、新生『マタンゴ』として話が展開していきます。しかしながら、映画で活躍した人物が登場したり、マタンゴ誕生の秘密と陰謀が明かされいくなど、前作のファンにとっても見逃せない内容です。一見関係なさそうなストーリーがマタンゴに絡んでいたり、後半で中心となる陰謀の解明など、ミステリーとしても楽しめる作品でした。ラストの展開は少しご都合主義な気もしますが、ホラー作品のオチとしては無難な仕上がりです。『マタンゴ』ファンは是非。

 「『マタンゴ』なんて見たことないよ」という若い人にも朗報です。現在ディアゴスティーニから発売している、「東宝特撮映画DVDコレクション」のラインナップに何と『マタンゴ』が。実は私も『マタンゴ』を見た事が無いのでちょっと楽しみです。『マタンゴ』の号がいつ発売かはまだ分かりませんが、早く発売して欲しいですね。

マタンゴ―最後の逆襲 (角川ホラー文庫)/角川書店

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2009-10-17 18:16:21

『乙嫁語り』 1巻

テーマ:漫画
 『乙嫁語り』(森薫) 1巻

―あらすじ―
 19世紀の中央ユーラシア。定住民一家の12歳の少年・カルルクのもとに、遊牧民である20歳のアミルが嫁いできた。文化の違いや年齢差も何のその、2人は夫婦の絆を紡いでいく。


 ユーラシアが舞台との事で手にとってみました。頼りになる姉さん女房ではあるものの、天然で乙女でもあるアミルのキャラクターが非常に可愛らしく描かれています。また、単身で嫁いできたアミルを大切に扱うカルルクとその親戚の温かさが伝わってきました。そして、丁寧に描き込まれた民族衣装や背景はため息ものです。私はチンギスハーンが好きなせいもあって、遊牧民らしい、エスニックな衣装にもついつい目がいってしまいます。巻末のおまけ漫画や、思わず保存したくなってしまうアンケートハガキなども嬉しい作りですね。

乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX)/エンターブレイン

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2009-10-10 22:59:36

『秘本三国志』 5巻

テーマ:
 『秘本三国志』(陳舜臣) 5巻

―あらすじ―
 三国志。


 赤壁の戦いがわずか50ページほどで終わってしまいました。劉備は直接参加せず、諸葛亮も赴いただけで特に何もしていません。何ともあっけないままに決戦が行われました。100万本の矢を集めることも、祈祷により東南の風を吹かせることもなく、これ以上なく簡潔な赤壁でした。

 そしてついに関羽が姿を消しました。私は呉が好きですが、どうもこの関羽を倒すエピソードだけは好きになれません。関羽のファンと言うわけではないのですが、この事件をきっかけにして劉備たち義兄弟が無念の死を迎えてしまうのが、見るに忍びなく思えてしまいます。歴史に「もしも」はありませんが、このとき関羽が死ななければ、三国鼎立のままに中華が割れていったかもしれません。三国志における歴史の大きなターニングポイントは、官渡の戦い、赤壁の戦い、そしてこの関羽の死だったように思えてしまいます。

秘本三国志〈5〉 (中公文庫)/中央公論新社

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2009-10-08 20:36:12

『人間椅子』(江戸川乱歩文庫)

テーマ:再読
 『人間椅子』(江戸川乱歩)

―あらすじ―
 外務省書記官夫人であり、美人作家でもある佳子の元に、突然ある男から原稿が送られてきた。その原稿に描かれていた恐るべき内容とは――「人間椅子」。他9編のホラー、ミステリー作品を収録した短編集。


 漫画にしろ小説にしろ、本当に上手い人というのは、短編が上手い人ではないかと思っています。長々と続けるよりも、一定の長さの中で「面白い!」と思わせてくれる作品はなかなかありません。その点で、この短編集に収録されている短編はどれも見事な作品ばかりです。表題作「人間椅子」もオススメですが、他にも、人間の悪意を描いた「お勢登場」、一風変わった性癖の男が登場する「人でなしの恋」、個人的には地味な良作だと思う「木馬は回る」など、粒揃いの1冊です。

人間椅子 (江戸川乱歩文庫)/春陽堂書店

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2009-10-06 20:12:43

『グミ・チョコレート・パイン』 チョコ編

テーマ:再読
 『グミ・チョコレート・パイン』(大槻ケンヂ) 「チョコ編」

―あらすじ―
 黒所高校二年生の大橋賢三は、「人とは違う何か」を見つけるために、親友のカワボン、タクオ、山之上らとノイズ・バンドを結成。一方、黒所高校一の美人であり、賢三の片思い相手・山口美甘子もまた、心の中では、自分には人とは違う何かがあるはずだと思っていた。そして美甘子は映画監督の大林森にスカウトされ女優になることを決意し、学校を去ってしまう。賢三、カワボン、タクオ、山之上、そして美甘子…それぞれの旅立ちを描く、著者の自伝的大河小説、第二弾。


 前巻から一歩前進し、賢三たちは音楽バンドの世界へ、美甘子は映画女優への道を進んでいきます。映画の世界で変わっていく美甘子の言動や行動は、現実を見せられているかのようで辛いものがありました。何百冊の本や何百本の映画を知ることで構成されていた自分の世界が、一瞬にして滅んでしまう。ここにおいて、賢三と美甘子の世界が完全に隔絶されてしまいました。さらに賢三には、作詞という試練が待ち構えており、彼が呟く「周回遅れ」の言葉が心に響きます。

グミ・チョコレート・パイン チョコ編 (角川文庫)/角川書店

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