昨日は、兵庫芸術文化センター管弦楽団PACの特別演奏会を聴きに行ってきました。

9月からは現在休止している定期演奏会が再開されますが、それまでの今シーズンは、このような特別演奏会が定期演奏会の9回通し券購入と同じく、3000円/回の格安で提供されています。

今回の指揮は、井上ミッキー、当初はソリストがアレクセイ・ヴォロディンで前プロはスクリャービン:交響曲 第5番「プロメテウス-火の詩」の予定でしたが、コロナ禍で来日が叶わず、松田華音さんに変更となり、プログラムもプロコのピアコン3番になりました。メインプロの「火の鳥」全曲は変更なしです。
僕としては、アレクセイ・ヴォロディンよりも、むしろ、松田華音さんを一度聴いてみたいと思っていたので、楽しみが増していました。
 

出演者

指揮:井上 道義

ピアノ:松田華音 

管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団

 

プログラム

前半

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番 

第1楽章 アンダンテ - アレグロ Andante - Allegro

第2楽章 「主題と変奏」 アンダンティーノ Tema con variazioni : Andantino

第3楽章 アレグロ、マ・ノン・トロッポ Allegro, ma non troppo

後半

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(1910年原典版)

導入部

第1場

カスチェイの魔法の庭園

イワンに追われた火の鳥の出現

火の鳥の踊り

イワンに捕らえられた火の鳥

火の鳥の嘆願

魔法にかけられた13人の王女たちの出現

金のリンゴと戯れる王女たち

イワン王子の突然の出現

王女たちのロンド

夜明け

魔法のカリヨン、カスチェイの番兵の怪物たちの登場、イワンの捕獲

不死の魔王カスチェイの登場

カスチェイとイワンの対話

王女たちのとりなし

火の鳥の出現

火の鳥の魔法にかかったカスチェイの手下たちの踊り

カスチェイ一党の凶悪な踊り

火の鳥の子守歌

カスチェイの目覚め

カスチェイの死、深い闇

第2場

カスチェイの城と魔法の消滅、石にされていた騎士たちの復活、大団円

 

ソリストアンコール

ラフマニノフ:楽興の時 第6番ハ長調

 

定刻少しすぎに、松田華音さんとミッキーが登場。

華音さんは濃いピンク色のドレスで鮮やか!

プロコの3番を生で聴くのは、今年の3月、佐渡さん指揮で反田君ソリストのジャパン・ナショナル・オーケストラ特別編成の演奏()を聴いて以来。あの時は、トーンキュンストラー管が来日できず、急遽、反田君のオケ中心に人を集めて公演するという特殊なツアー故、興奮を交えて聴きましたが、今回は冷静に演奏を聴くことが出来ました。

最初のクラリネットが綺麗で、徐々に木管・弦が加わって盛り上がって、そこに華音さんのキラキラしたピアノが重なってくるところから引き込まれました。

ロシアに留学し研鑚されたこともあってかプロコはきっと得意なのではと思います。

力強い、でも流れるようなフレーズも美しい。

今回、当初のソリスト、ヴォロディンをよく見たいとも思わなかったし、メインプロでオケの音を全体的に聴きたかったので、座席は中央ブロック、通路よりやや後ろにしていたけど、ソリストが華音さんと最初から判っていたら、もっと前の表情まで見える位置にしていたのにと思える点が少し残念です。

次回、観る機会があれば、かぶりつきを確保しようと思います。

オケの編成は弦5部が前後半とも14-12-10-8-8。鳴りすぎと思えるほどでした。

前半は、ミッキーは指揮台には乗らず、いつものように踊っているようなアクションも交えながら、華音さんにも目を配り、ノリノリの指揮でした。

 

数回のカーテンコールの後、華音さんのソリストアンコールはラフマニノフ。

初めて聴く曲でしたがが、これがまた、音の広がりがすごかった。

 

休憩20分後のメインプロは火の鳥全曲。

ストラヴィンスキーの曲では、「春の祭典」は何度か聴いていますが、「火の鳥」はあまり記憶にありませんでした。

でも、最後の盛り上がりなど、所々聴いたことがあるなぁ、と思い、帰宅後調べてみたら、2018年9月にロシア国立交響楽団エフゲニー・スヴェトラーノフ記念のコンサート()で1曲目に演奏されていました。

1曲目だったので、今回のような全曲ではなかったようですが、多分、この時の覚えがわずかに残っていたのだと思います。

「春の祭典」なんかは、僕にはわかりにくい不協和音が多く、家で音源を聴いてもなかなかいいと思えず、コンサート会場で聴いたときのみ、そのすごさに感動するんですが、火の鳥も、似たような感じがしました。

しかし、不協和音に交じって、わかりやすい綺麗なメロディがあったりして不思議な曲との印象を受け、なかなか聴く機会のない全曲を聴けて良かったと思います。

ミッキーは後半は指揮台に乗って、渾身の指揮。

オケもこの公演では、N響からコントラバスとティンパニの首席、ホルンとトランペットは都響から奏者と首席、チェロは読響の首席の強力なサポートを迎えての演奏。

多くの打楽器、別動のバンダ、ピアノ・チェレスタも加わる大編成で迫真の演奏でした!

ミッキーが、カーテンコールの最後に、1stヴァイオリン奏者の椅子に腰かけ、疲れたと言ったようなおどけた表情してお開きに。

 

開演15時、終演16時40分。

50%売り止めと思われ、サイドバルコニーなどはかなり空席がありましたが、いい演奏会でした。

 

今日は、久しぶりの連チャン。

午後からロームシアターに行って、京響を聴きます。