■ 「これ、何の部位ですか?」と聞かれる黒ミノ
黒ミノって知っていますか?
写真に写っている、黒や灰色に近い表面と、細かなヒダが特徴的なホルモン。
焼肉屋でよく見かける白い上ミノや、薄くてヒダの細かいセンマイとも、見た目がまったく違います。
お客様にお出しすると、
「これもミノなんですか?」
「こんな黒いホルモンは初めて見ました」
「センマイとは違うんですか?」
と聞かれることが多い部位です。
確かに、初めて見ると少し驚く見た目をしています。
しかし実際に食べてみると、強いクセがあるわけではなく、独特の歯応えと脂の旨味を楽しめる、とても味わい深いホルモンです。
カルビやロース、ハラミのような定番のお肉も焼肉の楽しみですが、普段なかなか出会えない部位を食べられるのも焼肉屋の魅力です。
黒ミノは、まさにそんな「初めての体験」をしていただける希少部位です。
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■ 黒ミノは「ヤン」とも呼ばれる部位
黒ミノは、地域やお店によっては「ヤン」とも呼ばれています。
牛には4つの胃がありますが、黒ミノは一般的なミノと同じものではありません。
ハチノスとセンマイをつないでいる部分にあたり、牛一頭から採れる量が非常に少ない希少部位です。
牛の第二胃にあたるハチノスと、第三胃にあたるセンマイ。
その二つの胃袋の間をつないでいる部分が黒ミノ、ヤンと呼ばれています。
そのため、黒ミノという名前に「ミノ」と付いていますが、第一胃である一般的なミノの黒い表面を残したものではありません。
まったく同じ部位を下処理によって白と黒に分けているわけでもありません。
黒ミノは、ハチノスとセンマイの間に存在する独立した希少部位です。
一頭から採れる量が少なく、安定して仕入れることも難しいため、焼肉店でもあまり見かけません。
ホルモンが好きな方でも、
「黒ミノは食べたことがない」
という方が多いのは、その流通量の少なさが理由です。
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■ 上ミノやセンマイとは何が違うのか
焼肉店でよく見かける上ミノは、牛の第一胃にあたる部位です。
肉厚で弾力があり、コリコリとした食感が特徴です。
一方、センマイは牛の第三胃にあたり、名前の通り何枚ものヒダが重なったような形をしています。
脂肪が少なく、シャキシャキ、ザクザクとした軽い歯応えが魅力です。
黒ミノは、その上ミノともセンマイとも異なる食感を持っています。
表面には細かな凹凸やヒダがあり、肉厚な部分には適度な脂も付いています。
食べた時の印象は、上ミノの弾力と、センマイの細かな歯触りを合わせたような独特のものです。
ザクッとした歯切れ。
ムチッとした弾力。
そして噛むほどに広がる脂の甘み。
この複数の食感が一度に楽しめるところが、黒ミノの大きな魅力だと思います。
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■ 黒ミノが焼肉店でも珍しい理由
黒ミノを提供している焼肉店は、それほど多くありません。
最大の理由は、牛一頭から採れる量がわずかしかないことです。
カルビやロースのように、ある程度まとまった量を確保できる部位ではありません。
一頭から採れる量が少ないため、仕入れ先に入荷しても、常に同じ量を確保できるとは限りません。
さらに、ホルモンは鮮度と下処理によって味が大きく変わります。
黒ミノも、仕入れたものをそのまま切って提供できるわけではありません。
汚れを丁寧に落とし、余分な脂を取り除き、食べやすい状態に仕上げます。
脂を取りすぎると、黒ミノらしい旨味が弱くなります。
反対に脂を残しすぎると、口の中で重たく感じることがあります。
どの厚さに切るのか。
繊維やヒダに対して、どの方向から包丁を入れるのか。
見た目以上に、仕込みの技術が必要な部位です。
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■ 黒ミノの魅力は独特の歯応えと脂の甘み
黒ミノの美味しさは、何といっても独特の食感です。
上ミノのような強いコリコリ感だけではなく、ザクッ、ムチッとした弾力があります。
表面の細かなヒダが舌に触れ、噛み進めると肉厚な部分から旨味が出てきます。
写真を見ると、黒っぽい表面の内側に白い脂が付いているのが分かります。
この脂が焼かれることで甘みが増し、ホルモンらしいコクを感じさせてくれます。
ミノ系のホルモンは比較的あっさりしているという印象がありますが、黒ミノは適度に脂があるため、味わいに厚みがあります。
表面を香ばしく焼くと、ヒダの部分が少しカリッとします。
その内側には、ムチッとした弾力と脂の甘みが残る。
一切れの中で、異なる食感を楽しめるのが黒ミノです。
珍しいだけではなく、食べ物としてきちんと美味しい。
だからこそ、ホルモン好きの方には一度食べていただきたい部位です。
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■ 黒ミノは焼き方で美味しさが変わる
ホルモンは焼き加減が難しい食材です。
しっかり火を通す必要がありますが、焼きすぎると水分が抜け、食感が硬くなってしまいます。
黒ミノも同じです。
まずは、脂や肉厚な面をしっかりと焼きます。
表面に香ばしい焼き色が付き、脂が少しずつ透明になってきたら裏返します。
黒ミノは表面に凹凸が多いため、何度も細かく動かすより、片面ずつ落ち着いて焼いた方が香ばしく仕上がります。
脂が落ちると炎が上がることもあるので、火が強くなった時は網の端へ移動させます。
焦がしてしまうのではなく、脂を落としながら中まで火を通す。
外側はカリッと香ばしく。
内側は弾力と脂の旨味を残す。
この焼き加減になると、黒ミノの持つ食感を一番楽しむことができます!
