タイトルどおり、印鑑が捺印されていなくても契約書としては有効なのですが、誤解をまねく原因にもなります。ご注意ください。

日本と海外では契約書に違いがあります。
通常日本では、契約書は当事者同士が署名・印鑑を捺印して契約するものと考えられています。また印鑑がない場合、拇印を押すことで本人が契約した証拠として扱われます。ところが海外(特に欧米)では、そういった習慣がなく、印鑑を持ち合わせていないので、サインですませてしまいます。


文頭にも表記しましたが、日本で欧米のように印鑑を捺印せずにサインのみで契約した場合でも、有効とみなされます。法律でも「契約は意思表示によって成立する」とあり、口頭でおこなった契約も有効になります。契約書に印鑑の捺印がなくても、意志の合意が認められれば、契約成立ということになります。
しかし、印鑑を捺印せずにサインのみの契約書では、不安感があります。それに、印鑑のない契約書では、第三者に「しっかりとした契約書ではないのでは?」と勘ぐられてしまいます。裁判になったときでも「正式に契約するつもりがなかったので、印鑑を押さなかった」というような口実を与えることにもなりかねません。(この口実で裁判の勝敗が決定するわけではありません。)

このように、「印鑑のない契約書が有効」といっても、印鑑の捺印してある契約書のほうが安全です。
日本の現状では、「契約書に印鑑を捺印してもらうべきだ」と覚えてください。


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表見代理とは、無権代理のうち、一定の場合については、本人に責任を負わせることを言います。これは取引をした相手方を保護するための制度です。
代理権を与えていない人間が勝手に相手方と取引をしてしまったにもかかわらず、本人が契約の内容を履行しなければならなくなるケースもあります。


表見代理が認められるケース

① 代理権授与の意思表示による場合
例:本人がある人に代理権を与えたと言いながら、実は与えていなかったという場合です。
代理権を与えていないのに、白紙委任状をわたしてあるときは、その所持者に代理権があるものと解釈されます。

② 代理人が本来の権限をこえて代理行為をした場合
例:100万円の借り入れについて代理権をあたえられていた人間が、100万円以上の借り入れをしてしまったという場合です。
こういったことを防ぐために、代理権の範囲を委任状に明確に表記しておくことが大切です。
委任した内容が分からないような委任状や、白紙委任状などは、こういった点からも問題が起こりやすいので注意が必要です。
委任する時点では、本人も代理人もお互いを信頼しているので、口頭で約束してしまい、委任事項を明記しなかったためによく起こるトラブルです。

③ 代理権の消滅した元代理人が、あたかも代理権があるようにして、代理行為をおこなった場合


以上があげられます。

3件とも、代理権がない人間がおこなった代理行為にもかかわらず、本人が責任をおうハメになるのですから、相手方に保護をするだけの事情がなければなりません、
相手方に「代理権があると信じたことが正当なこと、過失がなく代理権があると信じたこと」を証明することが必要になります。


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代理人を相手に印鑑を捺印し署名を終え、何かの契約を行なった際に、その代理人が代理権を持っていなかった場合(無権代理人)はどうすればよいのでしょうか?
こういった場合、原則として本人は契約について責任を負わなくても良い事になっています。しかし、契約の状態などでは責任を負う事があります。


① その契約が本人にとって、不利益な契約でない場合、本人が後に契約を行なった無権代理人を自分の代理人が結んだものと認めた場合(追認)は、その契約は有効になります。


② 無権代理人と取り引きをした相手方は、本人に対して相当の期間を定めて、契約の内容の追認をするか、しないかを催告することが出来ます。その期間内に本人が追認した場合、契約は有効になり、追認しない場合、契約は無効になります。


③ 無権代理人と取り引きした相手方は、その取り引きの当時に、無権代理人と知らずに契約をおこなった場合、本人が追認するまでは、契約取消が可能です。


④ 本人の追認が無く、代理人と称する人間が有効な代理権を持っていたことの証明ができないときは、相手方はこの無権代理人に対して、その契約にしたがっての履行か、損害賠償請求ができます。


※ 無権代理人に対しての損害賠償請求は、相手方が無権代理人であることを知っていたり、不注意で知らなかったりした場合や無権代理人が未成年者であった場合などは、請求できません。


しかし、相手方が代理人を信用し契約を結んだ際、代理人の確認などに落ち度がないことが認められた場合は本人に責任を負わせる事ができます。法律でも無権代理のうち、一定の場合には本人に責任をおわすことができるとしています。(表見代理)これは取り引きを円滑におこなうための処置です。


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