1~4号爆撃機用掩体壕群を見終えた僕は道路反対側方向に向かいました。
目的は「本郷地区の海軍地下陣地」です。
こちらは正式名称が分からず、仮名というか通称で呼ばれています。
海軍の司令部の壕と言われてはいますが、昭和20年3月18日の空襲によって赤江飛行場の地上施設は壊滅した事により、司令部や魚雷格納庫等が希望ヶ丘や源藤地区等の複数の地下トンネル内に移設された為、そのうちのどらかが分からないのです。
現存している地下陣地は、希望ヶ丘には丘陵地を通り抜ける隧道として数十メートルの海軍トンネル1本だけ残っております。
それとは別に数年前、存在が不明だった陣地(トンネル)の一つが陥没事故によって現れたことで、全長200メートル以上に及ぶ地下陣地の存在が判明しました。
そちらは危険防止の為に埋設処分されています。
こっちは反対側。
地元では幽霊話しがちらほらと・・・。
この埋設処分をきっかけに調べてみた所、戦争遺跡の保存活動や平和運動に消極的な宮崎県及び宮崎市ですが、地下壕等については結構詳しく調査しております。
市のHPからご紹介致します。
「平成17年4月9日に鹿児島市の洞窟内で、中学生4名が死亡するという痛ましい事故が発生しました。
このため、市では平成17年4月25日から平成17年9月30日まで、事故、災害を未然に防止するため、現存する防空壕、その他洞窟等について実態調査を行いました。その結果、本市では269箇所の特殊地下壕が発見され、このうち、陥没や落盤等の危険又は将来的にその可能性のあるものはありません。今後は、特殊地下壕のある土地所有者と協議を行い、対応策を検討していくことにしています。
なお、これらの特殊地下壕は大変危険ですので、むやみに近づかないようにお願いします。
特殊地下壕実態調査
旧宮崎市域
146箇所
旧佐土原町域
99箇所
旧田野町域
4箇所
旧高岡町域
16箇所
旧清武町域
4箇所
新宮崎市
269箇所
また、宮崎県でも調査しておりました。
県のHPから~
「今回の調査で新たに確認された地下壕数は715箇所でした。
前回の調査結果(平成13年度)で確認された地下壕と合わせ、県内の地下壕総数は737箇所になります。このうち、陥没や落盤等の危険又は将来的にその可能性のあるものは104箇所になっています。
県内の地下壕のほとんどは「素堀り」のものであり、軟岩(比較的強度の小さな岩盤)やシラス等を堀り進めて築造したものが多いため、降雨や地下水といった水の影響が大きく、安全評価は非常に難しいものになっています。また、地下壕の入口を構造物等で封鎖しているものは全体の約3割に過ぎず、多くの地下壕は出入りが可能であることが判明しています。
このほか詳細な調査結果及び地下壕位置図につきましては、「調査結果の詳細について」を御覧ください。
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/toshikeikaku/shakaikiban/toshikekaku/index-08.html 」
今から10年以上前の国土交通省、農林水産省、林野庁が各都道府県、政令指定都市に依頼する全国一斉調査という形でした。
県内全域や各市町村別の詳細マップもHPに載っております。
県も市も、お役人は壕は厄介者としか考えていないようですね。
それ以前に興味もへったくれも持ってなかったようですが・・・。
それも国からケツ叩かれてようやく調査したという始末。
地下壕は立派な戦争遺跡であり、歴史の証人ですので、他府県では保存して見学できるようにしている所もあるのに・・・。
長野県松本市の松代大本営壕
訪問時期:2003年8月
千葉県館山市の赤川地下壕
訪問時期:2011年7月
長崎県佐世保市の無窮洞
訪問時期:2014年11月
茨城県笠間市の筑波海軍航空隊壕
訪問時期:2015年10月
沖縄県那覇市の海軍壕
訪問時期:2014年6月
こんな感じで各地で保存・展示しております。
次回は赤江飛行場に戻ります。
歩き疲れた僕は県道367号に出て見つけたスーパーで、イチゴ牛乳を飲んで一休み。
ホッとする甘さでした。
訪問時期
2015年11月