軽井沢高原文庫 -168ページ目

種田元晴『立原道造の夢みた建築』

種田元晴『立原道造の夢みた建築』(2016.9.20、鹿島出版会)という書物をきのうから読んでいます。筆者は30代半ばの建築の専門家。法政大学の博士論文がこの本の元になっているようです。「建築家・立原道造」に焦点をあてた単行本は、私の知り限り、おそらくこれが2冊目。ご存知の通り、立原道造は24歳8ヶ月で世を去っていますから、学業を終えて石本建築事務所に勤めたとはいえ、彼が携わった建築設計の実務はごくわずか。しかし、筆者は、2010年に立原道造の建築図面が初めて網羅的に公表された『立原道造全集』5(筑摩書房)などをてがかりに、多くの建築透視図をとおして、そのなかに、立原の田園を志向する建築観を読みとっています。話は飛びますが、立原の東大卒業設計「浅間山麓に位する芸術家コロニーの建築群」は現在、行方不明。当初、17枚あったとのこと。筆者はこの卒業設計を立原の代表作と位置づけ、最終章で、多くの頁を割いて論じています。その中にはたとえば、大江宏の次のような言葉も紹介されています。「あれは、だいたいは追分のぼくのところの土地を仮想の敷地にしているんだけれどもね。」また、その前の章で、立原がセザンヌを相当意識していたであろうと指摘。図学に詳しいらしい筆者は、立原の「無題[浅間山麓の小学校]」鳥瞰図(この絵は筆者に強い印象を与えたらしく、本の扉にカラー図版として掲載)に、セザンヌの「サント=ヴィクトワール山」からの深い影響を見ています。立原道造にご関心のある方、どうぞご覧ください。

小池昌代「絵の中のわたし」

小池昌代「絵の中のわたし」というコラムをご覧になってみてください(2017.1.5~、日経・文化)。「惹かれる絵を十枚並べてみた。十枚を貫く要素は何だろう。絵の中にそれを探しに行こうと思う。」というのがテーマ。これを読んで感じるのは、美術史家による作品のディスクリプションとは対極にある、詩人の感性豊かなイマジネーションのちから。選ばれているのは、マティス「生きる喜び」、ヴァロットン「女と海」、ムンク「メランコリー、ラウラ」、ベックリン「死の島」(第1ヴァージョン)…。名作中の名作の内奥に、いともたやすく入ってゆける詩人の感受力の高さに一驚しました。

軽井沢、雪約20センチ

軽井沢は、昨日からきょう未明にかけ、約20センチの雪が積もりました。今は止んでいます。見渡す限り、一面、銀世界です。自宅の雪かき、そして、仕事場の雪かきを一部終えて、今、これを記しています。あたたかいのでしょうか、すこし靄(もや)がかかっています。昨夜、東京・銀座から車で軽井沢に戻る際、ずっと雨でしたが、群馬県富岡あたりからシャーベット状の雨に変わり、松井田あたりで完全に雪となり、渋滞にはまってしまいました。さて、それはとにかく、昨日から銀座NAGANOにて、「軽井沢アートフェスin銀座2017」がスタートしました。東京周辺にお住まいの方、よろしかったらのぞいてみてください。きのう、越ちひろさんが会場で描いた大壁画もご覧になれます。会期は4日間。日替わりイベントの詳細は銀座NAGANOホームページでご確認ください(www.ginza-nagano.jp/)。

明日から東京・銀座で「軽井沢アートフェスin銀座2017」開催

明日から4日間(2017.1.8~11)、東京・銀座で「軽井沢アートフェスin銀座2017」が開催されます。軽井沢美術館協議会の主催。長野県、信州アートライン&ミュージアムの共催。会場は銀座NAGANO しあわせ信州シェアスペース2F(銀座5丁目6-5すずらん通りNOCOビル2F、℡03-6274-6015)。軽井沢美術館協議会は、軽井沢の民間ミュージアム9館で構成され、当館も加盟しています。この事業は、長野県文化芸術発信事業で、3年目。イベントは下記の通りですが、詳細は銀座NAGANOホームページでご確認ください(www.ginza-nagano.jp/)。なお、設営のため、私もあす朝5時に、仲間たちと数台の車で軽井沢を出発します。

 

・越ちひろのライブペインティング(1/8、12時/無料)

・軽井沢のハーブでハーブオイルを作ろう!(1/8、14時/2千円/講師:須賀いづみ)※満席(予約を締め切りました)

・軽井沢おすすめ1Dayプラン(1/8、15時/無料/案内人:安本由佳)

・金曜日の本屋(1/9~11、10時半~19時※11は17時了/無料)

・軽井沢キッチン(1/9~11、11時半~19時※11は16時了/軽井沢プレート500円、タリアセンコーヒー100円)

・建築の魅力 山形政昭のヴォーリズサロン(1/9、14時/無料)

・カフェ☆ライブ(1/10、12~15時/無料/演奏:Harp Trio)

・伝統ワークショップ 軽井沢彫の世界(1/10、13~17時/百円/指導:加藤真也)

・マダム市川の幸せを呼ぶエレガントならく家事(1/11、14時/無料/講師:市川吉恵)

 

今年の抱負

2017年の抱負を記します。まず、体調管理に気をつけたいと思います。具体的には、交通事故と病気。体が疲れている、調子が悪いと感じたら、早目に体を休ませるようにします。次に、この一年間、仕事に全力で取り組みます。展示、受付、建物の管理、様々なイベント、刊行物の発行など。イベントも例年と同じくらい、計画をたてます。3番目に、防災に対する意識を常に持ち続けたいと思います。地震、噴火、火事などは、突発的に起きるもの。それに対する備えも日々、しておきます。4番目に、新しいアイデアを見つけ出し、それを実行に移したいと考えます。どうしても同じ人間が、長いこと同じことをしているとマンネリ化を免れません。小さくても、やがて芽を出し、育ててゆけるものをみつけたいと思います。5番目に、人とのお付き合いも、より一層深めたいと思います。お客様に対しても、スタッフ同士でも、また地域でのさまざまなレベルでの交流でも、丁寧な対応、親しみのある会話などを心がけたいと思います。6番目に、旅と読書を引き続き、おこないたいと思います。時間があまりないので、どうしても報道記事や短い論説、コラムなどで満足しがちですが、時には長い物語や古典などにも挑戦します。7番目に、昨年は映画をずいぶん見ました。先日も、映画館に足を運びました。映画に限りませんが、余暇も十分に楽しみたいと思います。……

軽井沢は元旦から好天が続いています。

軽井沢は元旦から好天が続いています。今日の軽井沢の予想気温は、最高が1℃、最低が-7℃。寒い一日となりそうです。なお、長野県北部には雪の地域もあるようです。軽井沢におけるスキーバス事故が起きたのが1年前の今頃。大きな事故や、ドカ雪が降らないことを祈るばかりです。また、地震や噴火、火災などの災害に対しても、いっそう注意を払い、日々を過ごしたいと思います。

仕事始め、餅つき

私どもはおととい、つまり1月2日が仕事始め。これはおそらく15年くらい、変っていません(その前はなんと、1月1日でした)。きのう、1月3日は塩沢湖畔のレストラン「湖水」前で、11時から餅つきをして、お客様に無料でふるまいました。30キロという大量のもち米を使いました。この行事も10年近く前から始まりました。ただし、今年はノロウィルスが全国的に流行しているさなかでしたので、餅を加熱処理したお雑煮とおしるこをお客様には提供しました。きのう、金沢からこられたという母娘のお二人のお客様は、もう軽井沢は10回くらい来ている、と話されていました。皆さまは、どんなお正月をお過ごしでしょうか。

NHKBS1「巨匠スコセッシ『沈黙』に挑む~よみがえる遠藤周作の世界~」

昨夜、NHKBS1で2時間の特集番組「巨匠スコセッシ『沈黙』に挑む~よみがえる遠藤周作の世界~」を見ました。映画「沈黙ーサイレンスー」を完成させた2日後、ニューヨークでマーティン・スコセッシ監督が語ったインタビューは、監督が27年間あたためてきたという遠藤周作『沈黙』に対する熱い思いが、よく伝わってくる内容でした。監督は、可能な限り『沈黙』の世界に近づこうとしているようでした。モキチを演じる映画監督・俳優の塚本晋也さんが訪ねた長崎・外海(そとめ)の「沈黙」ゆかりの場所(枯松神社、祈りの岩など)やかくれキリシタンの末裔にあたる方のお宅への訪問なども、誠に興味深いものでした。ロドリゴ役にアンドリュー・ガーフィールド。フェレイラ役に「シンドラーのリスト」の主役を演じたリーアム・ニーソン。江戸時代、潜伏キリシタンの密かな祈りの対象であったという軸装<雪のサンタ・マリア>も紹介されていました(これは映画にも登場)。映画は2017.1.21(土)~全国公開。

新年あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。

旧年中は、軽井沢高原文庫にたいし、さまざまな形でご協力・ご指導を賜り、誠にありがとうございました。

本年も文学館として、より一層の努力につとめてまいりますので、変らぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

皆さまにとって、2017年がよい年でありますよう、心からお祈りいたしております。

 

なお、今年の軽井沢のお正月は、天候もよく、風のない、あたたかいお正月を迎えています。雪はありません。今日の軽井沢の最高気温は7度、最低気温は-4度です。私もきのうは、碓氷峠の熊野皇大神社に初詣に行き、今年一年の無病息災をお祈りしてきました。また、境内にある樹齢850年というご神木のしなの木を、右回りにゆっくり回ってきました。

 

 

どうぞ暖かくして年末年始をお過ごしください。

きょうの軽井沢の最高気温は0度、最低気温は-6度と予想されています。寒い一日となりそうです。朝から、浅間山のほうから風にのって、雪が舞っています。私も、自宅では、今年は薪を家の西側、南側、ベランダなどに十分すぎるくらい、積み上げました。積み上げた薪を見ているだけで、心があたたまります。軽井沢の最寒月は2月。年が明けてから、1月から2月にかけてが寒さの底となります。幸い、軽井沢の年末年始は、天気はよさそうです。皆さまのところはいかがでしょうか。どうぞ暖かくして、年末年始をお過ごしください。