台北市街までは空港からバスで1時間ほど。

バスターミナルへ向かい空港を一歩外に出ると体にまとわりつくすごい湿気と熱気。
これが亜熱帯か、と肌で感じる。
沖縄よりもずっと南だもんな、台湾。

市街地までの運賃は140元。
1元が4円程度だからおよそ560円。
バスや鉄道、おまけにタクシーも、交通機関は日本よりずっと安価で、
観光客向けの高級料理店を除けは、
食べ物も屋台を筆頭に庶民の味はとってもリーズナブルだ。

一方で、生活必需品以外、嗜好品の類は意外と高い。
価格競争し烈な日本の方が、例えばホテルや衣料品などはよっぽど安く、
総じて物価は日本と同等、物によってはそれ以上だと感じた。

バスを降り、すぐに道に迷う。
台湾の道は小路に入らない限りはかなり分かりやすい。
京都ではないが、「何条通り」のように区画整備されている。
なのに、迷う。

そして道を聞く。いつものパターンだ。俺は甘えている。
まあ、現地でのコミュニケーションのきっかけの一つではあるが。

台湾は中国語が公用語で、英語はほとんど通じないと聞いていたが、
こと台北に関しては、そうでもない。
ホテルはもちろんのこと、道行く比較的若い人には、充分通じた。

ホテルまでの道を聞いたのは、若いお父さん。
横には子供がしがみつき、雰囲気が良かったから話しかけた。

俺はまったく中国語が話せないので、
最初から英語で話しかけたのだが、断然向こうの返しの方がうまくて、
少し面食らった。日本の英語教育は完敗だ。

無事、チェックインを済ませると、空腹に耐えかねて、
ホテル近くの夜市へ向かった。

台湾は屋台が充実している。特に夜。
街中の至るところで屋台が密集して営まれており、
夜市と呼ばれる屋台市場では、深夜過ぎまで賑わいを見せる。


夜市

ホテル近くの夜市は小規模だが、お気に入りの屋台ができた。
滞在中、結局毎晩通うことになった屋台なのだが、
そこの檸檬愛玉(レモンアイユイ)が抜群に美味いのだ。


愛玉

愛玉の種から作るちょっと固めのゼリーで、レモンシロップをかけて食べる。
ここのお店はその上に砕いた氷をかけ、それが蒸し暑い気候にマッチする。

この日は台湾名物の牛肉麺と水餃子、それに檸檬愛玉でおなかを満たす。
しめて155元。満足だった。

そうそう、この旅でことあるごとに感激するのは台湾人のさりげないやさしさ。
檸檬愛玉があまりに美味くてがっついていたらよだれをたらしてしまい、
それを見ていた若いお兄ちゃんがティッシュをくれた。
ありがたや、ありがたや。旅していると、そういうのにいちいち感動してしまう。

屋台は衛生面であまりよくないと聞いていたが、
ふだんから駄菓子やジャンクフードで鍛えた俺の胃袋、

旅を通して一度も腹に異常を来たさなかった。

夜市を離れる前に、牛肉麺の屋台の家族と思い出の1枚。
みんな、本当に、いい顔してる。


家族