子どもは“正しさ”よりも“気持ちを受け止めてもらう”ことで整う | 子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)

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マスターインストラクターの谷川明子です。

私は学童で、放課後の子どもたちの見守りや宿題サポートをしています。

先日、小学2年の仲良し女子2人が、おもちゃの順番がきっかけで取っ組み合いに。

普段は穏やかで、職員も「安心して見ていられる」タイプ。

だからこそ、大人はついこう思います。



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「いつもはそんなことしないのに、どうしたの?」

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周りの大人が話を聞くと、片方の子が涙をこぼしながら、

「だって!!言葉でうまく言えない。

○○ちゃん(相手の名前)みたいに上手く話せないから、手が出ちゃう…」

と訴えました。


二人はまったくタイプが違う様子。

 言葉で気持ちを伝えるのが得意な子

 言葉にする前に気持ちがあふれてしまう子(手が出やすい)


「手が出たのは悪かった。でも、謝れない。」

「今、謝ってほしい。じゃないと、夜寝れなくなっちゃう」


私はここでひとつだけ

『夜、寝れなくなっちゃうんだね…』

とオウム返しをしてみたんです。


するとその子は続けて、言いました。

「仲直りしないまま、明日になったら、もう仲直りできなくなるのが心配。

だから寝られない」

もう一人の子の表情がフッと変わりました。

二人にとって、お互いは大事な存在のようでした。


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本当の理由は“おもちゃ”じゃなかった

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手が出てしまった子が、ポツリ。

「ほんとは、おもちゃじゃない。

学校で別な嫌なことがあって…でも言えなくて…

○○ちゃんに当たっちゃったと思う…」


普段落ち着いている子ほど、

「がんばる」「我慢する」「いい子でいる」

を積み重ねていることがあります。

そして、その許容量を超えたとき、身近で安心できる相手にだけ“あふれる” のです。


やがて一人はお手洗いに、一人は本棚の陰に隠れて、ワーッと声をあげて泣きました。

私は少し離れて様子を見守っていました。


2~3分ほど経ったでしょうか。

気づけばまた二人で笑って遊んでいました。



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子どもは“正しさ”よりも“気持ちを受け止めてもらう”ことで整う

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今回の出来事は、私にとって大切な気づきをくれました。


1) 普段手がかからない子も、心の中ではがんばっている

だからこそ、爆発した時は「SOSのサイン」。

「聞く」の出番です!


2)子ども同士のケンカは、“違いを知る学び”になる

言葉が得意な子

まだ言葉が追いつかない子

どちらも長所と課題を持っている。

そのことを子ども自身が知るチャンス。


3) 成長の鍵は、大人が“正そうとせず聞く”こと

今回、私がしたのは「そっかぁ」「そうなんだって~」とゆっくり受け止めることだけ。

すると2人は思っていることを話し、また笑い合える状態に戻っていきました。


子どもは、正しさではなく、気持ちを受け止めてもらうことで、整っていく。

小さなケンカの裏にある“本当の気持ち”を聴けた時、また一つ心が育つのだと改めて感じました。


最後までお読み下さりありがとうございました。


子育てコーチング協会
マスターインストラクター 谷川明子
ブログ:https://ameblo.jp/sunmoon2278/