スロ小説① プロフェッショナルJ
すろ天でちょいと解説につかったキャラクターのJ。実は結構前に他のところで書いたスロ小説もどきをもじったもの。そこは対して読者もいなかったから、ためしにコピペしてみる。
ありとあらゆる台の知識と、0コンマ3秒の早押しのできる技術をもったプロフェッショナル・・。
そうだな・・・Jとでも読んでもらおうか。
私はあるホールに足を入れた。客付はまばらだ。平日のせいもあるが、夕方の時点でこの人数は優良店ではないのだろう。すばやくデータカウンターに目をやり、ボーナス確率と回転数から設定を読み取る。冷酷無比な私の頭脳からは、続々とデータは低設定のそれだと告げられてくる。
ふと、足が止まった。
唯一、高設定、いや、設定6をも上回るボーナス確率のものを見つけ出した。
「超お父さん」
SNKの出した五号機だ。確率差はボーナスの合成確率が唯一の判断材料だ。
私はおもむろに携帯をとりだし、
「・・・Jだ。今から仕事にとりかかる」
中押しBAR図柄狙いを行えば、すべてのフラグを探知できる。もちろんボーナス成立時に即揃えるなど当然のことだ。
ほどなくして、BARが揃う。
「・・・・・フム。」
30ゲーム単位のバトルチャンスには当選しなかったが、もちろん続行だ。
中押しですべてのフラグがわかる。このときもまったくのハズレ目だった。
「お風呂、はいろっかな」
・・・・・・・・・・・・・・・お風呂・・・・・・だと。
なんだ、この演出は。ボーナス非成立なのは明白だ・・。だが、ふと台の端を見ると、お風呂タイムなどという絵が書いてあるではないか。1演出にこれほどの価値をこの台は与えているというのか。
1ゲーム目・・・聴いたことの無い音楽と共に、小娘が服を脱ごうとしている。
2ゲーム目も同様だ。
3ゲーム目・・・・だが、ここで喫茶店の親父が殴られて演出は終わる。
私は煙草に火をつけ一服した。
「この親父・・・・・・・・・・使えん」
この後も順調にボーナスを引いていた。そしてあるゲームに中押し下段にBAR、右下段にBAR・・、ようはBAR確定目が来た。
「・・・・・・・フム。」
そして左リールBARを押そうとする瞬間に、
「お風呂、はいろっかな」
BARがとまった。いや、正確には枠下にだ。
「・・・・・・・演出を知ることも、プロとして必要だ」
1ゲーム、2ゲーム目と進んでいく。3ゲーム目も当然のように親父の失敗はこない。4ゲーム目・・・・・。風呂に入りきった小娘の画面がでてボーナス確定だ。
そしてBARを揃える。
私は煙草に火をつけ一服した。
そしておもむろに携帯を取り出し、
「・・・・・Jだ。」
「あぁ、Jの旦那。仕事は終わりましたかい?」
「至急調べてもらいたいことがある。」
「台の情報ですかい?」
「いや、・・・・・・・・お」
「お?」
「お、お・・お、お風呂タイムの詳細のデーダを出してくれ」
「・・へ?あ、いや、わかりました。」
「五分だ、以上だ」
ほどなくしてデータが送られてきた。期待度など詳細なデータが送られてきたが、
その中に、
ボーナス確定画面で台横のボタンを連打すると・・・・ルリが裸になる
「・・・・・・・・・フム。」
私は回し続けた、手が汗ばんでいる。いつのまにかボーナス合成確率も設定1を下回っていたが、回し続けた。
そして、そのときがきた。
「お風呂、はいろっかな」
・・・・もちろん出目はボーナス確定目だ。
だが、私の冷酷無比な頭脳が警告を発した。
私は、すばやく周りを見回した。天井には監視カメラが3つ。右二つ隣と、背後に男が座っている。巡回する店員もいる。
懐にある最新式サイレンサー銃で監視カメラを打ち抜いた。そして近くにいる男共には麻酔銃を打ち込んだ。異変を感じて近寄ってくる店員にも打ち込む。
これで終わったか・・・・いや、
階段をのぼってくるカップルがいる。すばやく麻酔銃を打ち込んだ。だが、下のフロアにいた連中が倒れたカップルを見て騒いでいる。私は下におり、次々と麻酔銃で客を打ち続けた。
わずか五分の間に、足元に、30人は超えるであろう屍(死んではいないが)が転がった。
「・・・・・・・・・フム。これで邪魔者はいなくなった」
私はお風呂タイムをボーナス確定画面までもっていき、
そして、画面横のボタンを、
「あ~たたたたたたたたたたたたたたたたたたたた、ほぉあたぁっ」
みるみるうちに透けていく体。
だが・・・・・、わずかに残る。洗剤の泡が。
額から汗がにじむ。
さきほど送られたデータをみると続きがあった。
「裸っていっても、ぎりぎりまでだけどね」
「・・・・・・・・・・・・・・・フム。」
私は懐に忍ばせてあった、高性能爆薬を台に設置した。
ホールを後にした背後では爆音と共に、人の騒ぐ声が聞こえる。
私はおもむろに携帯をとりだし、
「・・・・・Jだ、ミッション・・・・・・コンプリート」
私は後ろの喧騒に振り向くことなく、去っていった。
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