🐱オシリス神。
🐱心臓の計量の儀式のシーン。アヌビス神が中央にいる。
オシリス神話の流れから、エジプトを統治している王はオシリスの息子であるホルス神の化身であり、亡くなった王はオシリス神の化身とされました。ホルスが地上の王、オシリスが冥界の王であったためです。
古王国時代（紀元前2686 -2160年頃）の末期に王権が衰退し、オシリス神話に基づいたオシリス信仰が発展していきます。オシリス信仰は、どんな人でも亡くなったらオシリス神となり、来世で再生・復活できる信仰です。オシリス信仰がエジプト全土に広がるまで、王や高官など一部の特権階級だけが来世復活の信仰を占有していました。しかし、オシリス信仰の拡散によって、どんな人でも来世で復活できるようになったのです。
オシリスは死者の裁判官を務め、心臓の計量の儀式を司り、正しい者が祝福された冥界に迎え入れると信じられていました。
参考にした主な文献
近藤二郎『エジプトの考古学』同成社、2012年。
Wilkinson, T. (2005). The Thames & Hudson Dictionary of Ancient Egypt. London: Thames
& Hudson.
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