2017-11-06 21:11:23

消えた宿毛市の架橋島の海軍戦争遺跡群

テーマ:大日本帝国の秘密基地

[大島の高角砲台跡と丸島の横穴壕]

過去何度も述べたように米軍は昭和205月、その年の111日に鹿児島県の志布志湾とその周辺海岸から上陸するオリンピック作戦、1030日にその陽動作戦として高知県の土佐湾から上陸するパステル作戦の計画を立て、翌月、大統領の決裁を受けた。

 

大本営ではこれを予測し、九州南部や四国西南地方、高知海岸周辺に大量の陸海軍を投入した。四国西南地方には宿毛湾があるが、湾の片島港が昭和16年、連合艦隊の寄港基地になり、山本五十六元帥も上陸する等、特に重要視された。宿毛では陸軍は歩兵第354連隊や独立山砲兵16連隊等、海軍は呉海軍第二陸戦隊第15大隊が防備に就いた。この第15大隊は松山海軍航空隊解隊後の予科練生を中心とした部隊である。

 

大東亜戦史編纂室資料の宿毛湾防備概要図を見ると、宿毛市では小筑紫や大藤島、大島に8センチ高角砲マークが記載されている。この中でその砲台跡を比較的同定し易く、アプローチが便利なのが、片島から大島橋で結ばれた大島の二門の高角砲台跡である。

 

前述とは別の図を見ると、大島の東寄りに二門の高角砲マークがあり、二門の内、西側の大砲(上の写真)は南西方向に向けられ、東側の大砲は南東方向に向けられている。これはまず西側の高角砲で遠くの敵を攻撃し、撃ち漏らしたものを東側の高角砲で撃つ、ということだろう。

 

いずれも宿毛湾に進入して来る敵艦隊を狙うもので、湾外や豊後水道を北上しようとする敵に対しては海軍佐伯防備隊鵜来島防備衛所や高茂崎防備衛所、由良崎防備衛所、愛南町外泊等の大砲が狙うことになっていた。

 

戦争末期の大砲は敵機に発見されにくい、谷の斜面に設置されることが多い。大島の二門の高角砲台の内、東側のものも同様である。仮に「大島東高角砲台」と呼ぶことにするが、これは素掘りの竪穴壕の中に高角砲を設置し、背後に素掘りの弾薬壕を掘ったもの。残念ながら昭和後期の土砂崩れで、その斜め下にあった恵比須神社諸共土砂に埋まってしまった。恵比須神社はその後、「大島西高角砲台」(仮称・上の写真と下の地図)寄りの道路沿いに再建された。

 

大島東高角砲台跡地(2枚目写真と下の地図)への登り口には、「恵比須神社跡避難所」の標識が建てられている。龍王神社のやや南西である。路面のコンクリート舗装は谷の上で終わるが、その先一帯がヤブ化した土砂に覆われている。

 

西砲台跡は再建された恵比須神社の南西の小岬風になった所。道路が大岩を貫通し、切通しになっているが、この道路上から西側にかけて岩を掘下げた大島西高角砲台があったのである。弾薬は背後の谷沿いの斜面にでも横穴壕を掘って保管していたのかも知れないが、ヤブで確認は難しい。因みにこの道路は戦後、自衛隊が整備したもので、元々は浜だった。それまで皆、山越えの道を利用していたのである。

 

片島から架橋で繋がる島はもう一つある。片島地区の北西から丸島大橋で繋がる丸島(上の写真)である。当方はこの島を199012日、訪れたことがある。それは当日の「宿毛マラソン」に参加してそれが終了した後、友人と岸壁を歩いていた際、対岸の丸島に洞窟か横穴壕らしきものが開口しているのが見えたからである。

 

当時はまだ「戦争遺跡」という言葉自体、一般に使用されることがなく、当方も戦跡探訪経験はなかったのだが、その洞穴は素掘りで、立って歩ける高さがあり、奥行が数十メートルあった。丸島は無人島のため、今考えればあれは確実に第15大隊が掘った壕であることは間違いない。

 

当時島には砂利置き場と渡船施設しかなかったため、壕の見学も自由だった。丸島は南北に長いため、島の東側斜面にほかにも横穴壕があるのではないかと、先日27年ぶりに探訪したのだが、壕があった斜面一帯がヤブ化しており、且つ、立入禁止ロープや柵が設置されていた。現在は「片島マリーナ」が進出しているため、見学ができなくなっていたのである。

 

片島には他にも戦跡があった。当時、当方は片島の清家旅館(下の地図)に宿泊したのだが、旅館の天井等、何ヶ所かにグラマンの機銃掃射跡が残っていたのである。旅館は2010年発行の住宅地図には載っていたが、現在、ネット検索してもヒットしない。

 

PS:先日高知市内で中世随一の勤王武将・楠木正成の曽孫(武将で城主)の子孫宅を発見した。しかしその曽孫や子孫・末裔については全国的に伝承が錯綜している観がある。

 

その子孫宅がある地区の史跡ウォーキング記事の投稿を望む、という方は次の二つのバナーをプリーズクリック。

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