私のNICUストーリー Day 10 | エルゴの小人たち

エルゴの小人たち

iTHINK therefore iam...

今でも忘れられない32週目が終わる夜のこと。
産科チーム、小児科チーム、
それぞれ研修医も含めて10人以上のスタッフが
ぞろぞろと部屋に入ってきた。
個室の入り口が人の壁で塞がれ
なんか威圧感があって緊張した。

産科医長の先生が淡々と、でも丁寧に
考えうるリスクについて説明してくれた。
胎児への細菌感染を考えると
私の中で育て続けるのは危険が高いこと。
早産で産まれてくる子どもが抱えうる障害のこと。
帝王切開になる可能性が高いこと。

Mと2人で一生懸命に耳を傾けた。
一言も聞き漏らすまい、と。

*** 5年前の11月12日 ***


明日から33週目。そしてお爺ちゃんの誕生日。
「母体の中で育てるメリットとリスク、
早産児として産むリスクのバランスを考え
お産する方に切り替えた方がベスト。」
というのが産科・小児科チームの結論らしい。

私の心が折れちゃった音が聞こえたのかな。
諦めそうになったのは、ダメな母親かな。

でも私達のことは皆が見守ってくれる。
少し気が楽になった。
だから、もう少し頑張れそう。

早く娘ちゃんに会いたい気持ちでいっぱい。
Mは「今夜眠れなさそう」と言ってた。
私も同じかな。

娘ちゃん、皆が待っているよ。
ママもパパも全部受け止めるよ。
安心して出ておいで。