加太を出て向かったのは、和歌山県トップクラスの水揚げ高を誇る箕島漁港。

 

 

県のホームページの「和歌山の水産」の資料を見ると、漁業協同組合等の概況/海面漁業協同組合の、販売事業取扱高(令和元年度)では、13億円超と頭一つ抜けた数字となっていた。

 

 

新しく大きな荷捌き所があるように、ここもしらすの代表的な産地。そして「箕島漁港」と検索すると、『太刀魚 漁獲量日本一』と書かれたネット記事がずらりと並ぶ。

 

 

今回の目的地は、有田箕島漁協直営の「浜のうたせ」。箕島漁港で獲れた鮮魚や水産加工品、地場の果物・野菜、お土産物などの販売を手掛ける物販店と「うたせ食堂」からなり、かなりの人気施設となっている。

 


この日の到着は、11時30分頃。予想はしていたものの、かなりの行列ができていて、9組28名の待ち。ということで物販施設のほうで買い物をしながら時間調整。

 

 

道の駅・海の駅といった類似施設は全国にあまたあるけれど、この施設の品ぞろえの”地元度”の高さは図抜けていると思う。

 

 

まずは柑橘!

 

 

みかんジュースだけでもこれだけの種類が揃う。

 

 

みかんのポテトチップスもあった。

 

 

そして、箕島漁港を代表する特産のしらすもずらりと。嶋治水産と西村物産がせめぎ合っていた。

 

 

値段も手ごろで、出張中でなければ買いたいところ。

 

 

しらすを使ったアヒージョもあり、みかんとか金山寺味噌とかご当地物との異色コラボもある

 

 

奥のほうには水産コーナーがあって、前浜産の魚介類がずらり

 

 

もともと鯛はそれほど主力ではなく、最近になって凄く獲れるようになったようで、加太のほうから流れてきてるのかなと、お店の人の言葉。でも獲れすぎて、「先日は3キロ超の真鯛が13匹で6000円の価格しかつかなかったり。。。」と嘆いていられました。

 

 

この港は基本的に水・土が休み。なので今日は日曜日だけど、水揚げすぐのお魚が並びます。

 

 

ここで購入した4品。性格悪いので、いつも物産買うときは裏面をまず見ちゃうのだけど、ここのは嬉しい!

 

 

まず原材料がいずれも和歌山産。一見当たり前のようだけど、実際のところ漁港近くの物産館で地元の魚を使った菓子・加工品などめったにない。ましてやエビせんなど初めて見たレベル。そしてエビせん以外は、添加物を殆ど使っていない。

 

こんなことで感動するのもおかしな話なんだけど、地元で食材を調達出来て、それを市販価格に乗せれる環境は素晴らしいと思った。

 

 

そしてミカンジュースは、こちらの2つを購入。種類が多すぎて、選ぶ基準はわかりません。。。

 

 

そんなこんなで20分ほど買物をして食堂の方へ戻ってみると、もう次に呼ばれる順番だった。ハコが大きいこともあって、回転はけっこう早いみたい。

 

 

来客数が多いだけあって、注文管理はけっこう先進的

 

 

調剤薬局かの如く、整理券番号が大きく表示されます。そして番号を呼ぶアナウンスの声がやたらと大きい。お店の外まで聞こえてきます笑

 

 

店内は天井高がすごくあって開放的で明るく、スペースもゆったり。

 

 

ここで注文したのは、(加太であえて頼まなかった)しらす丼。1280円。

 

 

メニューの写真より大盛り感あるな。加太のしらす丼もそうだったけど、和歌山はどこもてんこ盛りなのかな?

 

 

そして天ぷら盛合せ。せっかく箕島に来たなら「日本一の太刀魚」を食べないと!!と。でもメニューがフライしかなく、こちらをチョイス。素材自体はどれもいいと思うけど、揚げ具合が工場的というか、チェーン店っぽいというか。そのあたりは少し消化不良。

 

 

食後は漁港をぶらぶら。船のペイントがみんな黄色だなあと。でも誰も人がいないのでネットで調べると、このエリアは黄色で塗装する習わしになっているらしい。すごく存在感あるなあ。(ただし、しらす漁の船は黄色じゃなかった)

 

そして。。。ここからが驚きの時間。ずっと誰もいなくてあきらめて引き返そうと思ったとき、車に乗った漁師さんが現れ、船上で作業を始める。その後タイミングを見計らって声をかけ、太刀魚の話をすると

 

「もうこの港では太刀魚は獲れないよ!」と、とんでもなく予想外の一言が!!!「以前は確かに太刀魚で盛りあがっていた漁港だったんだけどね」「いま食べたものも他の地区のじゃないかな」と。

 

さすがに驚きつつも、一方で頭の中のもやもやが解消。「日本一の太刀魚の漁港」のはずなのに、食堂で太刀魚を推してる感じがちっともしなかったのは、これが原因かあ。。。

 

そこで急いでさっきの物販店に戻ってみると、確かに太刀魚の扱いが少ない。そして「聞きにくいなあ」とは思いつつもその産地を尋ねると「熊本産」とのこと。実際にとれなくなったのは、本当にこの数年くらいみたいだけど、富津の青柳といい、”日本一”の称号もここまで呆気なく崩れるものなのか。。。

 

(ということは、さっき「和歌山県」と書いてあった、太刀魚の骨せんべいも加工が和歌山ということなのかな?)

 

もしここでさっきの漁師さんが現れてなければ、正直に「獲れなくなった」と答えてくれなければ、このブログには「箕島は太刀魚水揚げ日本一」って書いていただろう。情報って本当に紙一重だなとあらためて痛感した。(今時点でも、ネットで「箕島 タチウオ 獲れなくなった」で検索しても、該当する情報が何も出てこない)

 

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箕島を後にして和歌山県をもう少し南に。醤油の町「湯浅」へ

 

 

その代表的な醸造所である「角長」さんから

 

 

見事なまでに歴史を感じる佇まい。こちらは、2つの醤油資料館を運営しています。

 

 

新館は実際にいま使っている道具を紹介する施設。撮影禁止のため、中は紹介できず【こちら】をご参照ください

 

 

そしてもう一方は、

 

 

以前使っていた道具を中心とする展示スペース。こちらは撮影OK

 

 

そして遥か昔、この「角長」を知ることになった『美味しんぼ』の該当誌面もありました。その頃、「一度行ってみたいなあ」と思っていたはずなのにすっかり忘れ、実現までに恐ろしいまでの年月が経ってしまった。。。

 

 

その後、お店に戻り

 

 

誌面でも紹介されていた看板商品「濁醤」を購入します。お店の人も「まずはこれ」と、おっしゃってました。

 

 

そしてもう一店、ご当地を代表する伝統食「金山寺味噌」を求めて、「太田久助吟製」へ。こちらも歴史を感じる建物。

 

 

正直「金山寺味噌」の使い方はよく分からなかったのだけど、ご飯のおかずや冷奴の薬味などとしてが一般的なようです

 

 

最後にもう一か所、この湯浅の観光名所の一角の「甚風呂」へ。

 

 

江戸時代につくられ、昭和60年まで営業していたそう。当時の面影があちこちに偲ばれます

 

 

この日は日曜日にもかかわらず、街中に人影はあまりにもまばらで、他人事ながら心配をしていたのだけど。この施設の方に聞いたら、GWの反動(連休明け翌週の日曜日の訪問)ではないかと。「GW中は凄く人が来てました」と返ってきて一安心。

 

 

和歌山でレンタカーを返した後は、和歌山名物「めはり寿司」を買って、特急くろしおに乗車。(一番看板の「小鯛雀寿司」は今年の春に和歌山に来たときに購入済み)

 

ちなみに、この和歌山のお弁当屋さんは、ずっと「水了軒」という名称で覚えていたけれど、実際には「和歌山水了軒」が正式名称で、「水了軒」は全く別会社。かつてあった(自己破産した)大阪の会社で、ブランドをデリカスイトが譲り受け事業を継続しているみたいです。