踵や肘、膝などが硬くて分厚い皮膚(角質層)に覆われてしまっている!

なんてことないでしょうか?今回は、どうしてそうなっているのか?って、話です。

基本的に、皮膚(角質層)は皮膚細胞が層状に並んで形成されています。

その層は、毎日1層ずつ作られ、徐々に上に上がってやがて剥離します。

その薄利した部分を「垢」と呼びます。
角質層を形成する層は30層くらいの厚さだと言われています

毎日、1層ずつできて、1層ずつ壊れる。これを、ご存知のように「肌周期」と呼びます。
健康な方の肌で、約1ヶ月で全部入れ替わることになります。

だたし、これは10代から20代のお話。50歳くらいになると、

肌周期は100日かかるようになるという話もあります。

新しい肌が生みだされる時間が長くなるのも原因ですが、

一番の原因は、「古い肌が垢として剥がれ落ちない」ことにあります。

今回のお話の肘、膝、踵の分厚い皮膚も同じです。

「古い肌が垢として剥がれ落ちない」のです。

つまり、通常は30枚程度の皮膚膜が50枚にも100枚にもなっているのです。

では、どうしてそんなことが起きるのでしょうか?

それを回答する前に、「どうやって、垢として剥離するか?」をご説明する必要があります。

角質層は、表皮細胞の上に30層ほどなると先に説明しました。

つまり、角質層は、死んだ表皮細胞の層なのです。

この層と層の間には様々な物質があります。

有名なところでは、細胞間脂質としって

保湿や肌バリア機能を持つ成分が存在しています。


その他にも「デスモソーム」という酵素が存在するのです。

このデスモソームは、角質層を分解する酵素です。

デスモソームは、角質層の下の方もに存在します。

しかし、表面近くになってからしか働かない仕組みになっているのです。その理由はpHです。

角質層の一番下のpH7程度です(中性)。

それが、表面に近くなるに従ってpH4.5(弱酸性)になります。

このpH4.5が、デスモソームが働きやすいpHなのです。

角質層の間に存在するデスモソームは、

表面にまで押し上げられpH4.5で角質層の分解をはじめます。

結果、角質層は上がれ落ちて垢となります。

これが、健康な肌の話。

では、肘、膝、踵の分厚い皮膚ではどうなっているのでしょうか?

肘、膝、踵の分厚い皮膚では、やはり表面のpHは4.5程度です

。角質層の間にもデスモソームが存在します。

しかし、デスモソームは働かないのです。

結果、分解されずにどんどん角質層は厚くなります。

では、なぜ、デスモソームは働かないのか?


答えは、水分が少なすぎるからです。
酵素が働くには3つの条件が必要です。

「最適な温度」、「最適なpH」そして「水」です。

水不足になっている肘、膝、踵の分厚い皮膚では、デスモソームが働かないのです。

そこで、改善策として、化粧水が役にたつのです。

ただし、ヒアルロン酸などではなく、尿素が有効です。

同じ保湿でも、尿素が代謝改善の働きがあると言われるのは、

こういったとことで働くからです。

ヒアルロン酸は分子量が大きいので肌の中には入れません。

結果、肌(角質層)の表面に水を保持します。

一方、分量の小さい尿素は、肌(角質層)の内部に潜入して、

そこで水を抱えます。結果として、デスモソームが働きやすい環境を作ってくれるのです。

保湿、保湿といっても、働く場所が違えば、効果も違うのですよね