カルロス・ゴーン氏逃亡事件の日本にとっての教訓 | Captain’s Eye ~小林宏之 コラム~

カルロス・ゴーン氏逃亡事件の日本にとっての教訓

カルロス・ゴーン氏逃亡事件の日本にとっての教訓

130日に発売の本の中の、情報力の項で少し触れますが、カルロス・ゴーン元日産会長の逃亡事件の要因には、日本の情報力とセキュリティーの甘さがあったことは否めない。

情報力について、英国のエコノミスト誌によると、1975年に重要指名手配を受けていたカルロス・ゴーン氏は司法の手を逃れてレバノンに身を潜めたという事実があった。こうした情報を日本が掴んでいたとしたら、当然逃亡の可能を想定した措置が取られていたはずである。

セキュリティーに関しても、関西空港ではプライベートジェットは、お互いに知っている者同志だからハイジャックは考えられないからとして、セキュリティーチェックは当該機長の判断による、という性善説に基づいた措置となっていた。ハイジャックはないとしても、空港の施設の航空機がある側は、国際線、国内線問わず“Clean Area”といって危険物は持ち込めないということから、このAreaに入る場合は、必ず完璧なセキュリティーのチェックをすべきであった。危機管理の鉄則として、危機を招かないためには、悲観的に準備すること、セキュリティーに関しては、性悪説に基づいて対策をとることが大切であることの教訓を残した事件であった。中近東路線を担当していた頃から、ジュームズボンドの映画「007」の国だけあってか、かつて7つの海を制覇した英国の情報力のスゴサには感心するばかりであっただけでなく、中東情勢、軍事情報、石油関係等の情報は、この英国の情報を参考にすることが多かった。