ナラティブ・セラピーに
よく出てくる言葉で
ドミナント・ストーリーと
オルタナティヴ・ストーリーがあります。
ドミナント・ストーリーとは、
人が思い込んでいる優勢的・支配的な物語のことで、
必ずしも思い悩んでいる悪い物語のことだけを言うわけではありません。
例えば、「よいドライバー」というストーリーがあるのは、
車を運転する時にその人に起こったいくつかの出来事を
特定の順番につなぎ、
よいドライバーの証拠として解釈するからです。
(は出来事)
なーんとなく、ドミナント・ストーリーを
わかっていただけたでしょうか?
でも、一般的にはドミナント・ストーリーは、
思い悩んでいる悪い物語の場合が多いです。
ですから、ドミナント・ストーリーで
拾われなかった出来事をつないで、
新たな「オルタナティヴ・ストーリー」を作ります。
私の子ども時代の「ドミナント・ストーリー」は
古い家父長制的な家族観が残る地域で生まれ、育ったので
女性というだけで、男性より下に見られ、扱われ
どうせ将来は、結婚する存在としてみなされ
家事を手伝うようにと求められながら、
一方では、成績は優秀であることを求められ
学校の成績が悪いと叱られたこと
親のアンビバレントな価値観に振り回された子供時代。
そして、近所の友だちからは浮いた存在で
親しい友達がいなかった等の思い悩んだストーリー
しかし、そこには拾われなかった出来事があります。
・母親が手作りの服を作ってくれたこと
・気を配って作られた食事のこと
・父親が夏休みに、植物採集に連れて行ってくれたこと
(だから、「らんまん」のモデルの牧野富太郎さんを知っていました)
・つつましい生活でしたが、ピアノを習わせてくれたこと
・季節ごとに遊びに連れて行ってくれたこと等
ここからは、私の勝手な解釈です。
「ドミナント・ストーリー」には、
悪い思い悩む問題とされるストーリーが、多いかというと
子どもの存在をそのまま認めるというのではなく
「社会一般の価値観」に沿うように、
子どもを怒ったり、ほめたりして、コントロールして
育てようとするからではないかと思います。
今振り返れば、私の子育ても
悪い思い悩む問題とされるストーリーを
作ってしまったと思っています。
*最後まで読んていただきありがとうございます。
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