
毎年、過去を振り返るべき日となりました。
まずは黙祷して当時のお話を…。
今はコロナ禍で震災の記憶を吹き消すほどの厄災が世界を覆っていますが、我々神戸の人間にとってはこの日を忘れたはいけない…いや忘れられない日となりました。
わずか数分の出来事で神戸の街がどん底に落ちました。
昨日までどうもなかった建物が無くなってしまったり、尊い命が失われてしまったり...。
この時期になると震災のドラマがたくさん放送されますが、ドキュメンタリーほど見てて辛いものはありません。
避難所で避難して姿…炊き出しに並ぶ行列、被害の少なかった県の方たちの応援や支援など見てるだけで目頭が熱くなります。
刻は薄れていくものですが、こんなに強烈に様々な事を覚えている期間はありません。
私にとっては仕事の経験値が飛躍的に伸びた時期でもありました。
復興という文字を目標に様々な工事や工種にチャレンジしました。
まわりの方に教えられながらですが、毎日が初めての出来事と出会うように有意義な時間と言っても過言ではありません。
ただ、心身ともに消耗した復興の日々だったことは違いありません。
父母も生存したし、心強い先人たちが居たので私は自分の事だけを考えて仕事することが出来ました。
時間を忘れて、目標を追いかけた日々でした。
そんな私も60歳になる年がやってきて、同級生や近しい先輩方の定年を耳にします。
今、還暦を迎えて後進にどのように伝えればいいのか、私のように不器用だと四六時中仕事をしている感じですが、それが信用にもなり、今まで来たところもあります。
もっと若い人には効率よく仕事ができるように伝えないといけませんので、仕事の手法などに変革を期待して、半分若い世代に任せていくことにしました。
震災から26年。
幼稚園児だった息子はいま32才に…。
我が社で震災の時に電気工事を経験してるのはもう4,5人ほど…。
明らかに知らない世代が増えています。
彼らに昔の話をするとき、少し生き生きした感じになります。
若かった自分を思い出しながら、亡くなった父母たちも元気だった毎日を思い出すのもあって、辛かった復興への道も今となっては記憶の中で少し美化された気がします。
それでも記憶を風化させないように語り伝えていかないといけない日であります。
全ての震災犠牲者の方へご冥福をお祈りいたします。