「ちゃんと理由を聞かせてよ」
このセリフ、あなたは言ったことがありますか?言われたことがありますか?
男性、女性によって言ったり言われたり、いろいろな経験があると思います。なんだか男女の恋愛話のような雰囲気が出てきましたが、今回はそういった話ではありません。

実はこれ、私がいろいろな人のプレゼンを聴いている時にいつも口にしたくなることです。もちろん個別指導の時は連呼していますが。
多くのプレゼンテーションにおいて新しい提案や考えが伝えられます。それを聴き手にしっかりと理解してもらおうとするならば、きちんと理由を示さなければならないのは言うまでもありません。おそらくほとんどの人が、そんな当たり前のことは百も承知だと言うでしょう。

しかし、私からするとそれが全くと言うほど出来ていません。正確に言うと、理由が理由になっていないのです。

それはなぜか?

それは、理由が自分の理由になってしまっているからです。ただ単に自分がその考えに至った理由を付けているだけで、聴き手に理解してもらうための理由になっていないのです。

一つ単純な具体例を挙げると、
「明日、私は温泉に行きたいのです。なぜなら、ここ数日とても冷え込んだために体の芯から温める必要があるからです。」と、大体こんな感じです。このようなプレゼンテーションが実に多いのです。

もうお分かりですよね。しっかり「なぜなら」という理由の接続詞を使ってはいますが、一つも理由の説明にはなっていません。ただの希望、願望を並べただけで、「そうなんだーじゃあ行けば?」と言われておしまいです。そんな馬鹿な・・・という方もいるかもしれませんが、実際にはこの程度のミスをしている例は非常に多いものです。

話を聴く側からすると「なぜ温泉なのか?」が分かりません。体を温める方法なら他にもいくらでもあるのに、どうして温泉が登場してきたのか、その理由をきちんと説明しなければなりません。
それから「なぜ体を温める必要があるのか?」も説明する必要があります。単なる気持ちの問題なのか、それとも温めないと病気にでもなってしまうのか、あるいは全く違う理由が隠されているのか、詳しく言及する必要があります。もし病気にでもなってしまうと言うなら、明日なんて悠長なことを言っているのではなく、今すぐ急速に温めた方が良いのではないかと逆に言われてしまいそうです。
加えてここ数日冷え込んだ理由や先週と比べてどのぐらい冷え込んだのかを示すこともできそうです。

こうした話の隅々までしっかりと先回りして、なぜその考えに至ったのか、これで本当に聴き手が理解できるのかをよく検討しなければなりません。今の温泉の話は、かなり揚げ足取りのような展開に思えるかもしれませんが、そのぐらい事前に自分の話を検証しておくことが必要です。やり過ぎなぐらいでちょうど良いのです。
それがしっかり出来るようになれば、どこで誰に話をしても必ず「分かりやすい」と言われるようになります。合言葉は、なぜ?なぜ?なぜ?です。

あなたの話には、ちゃんと理由が付いているか?その理由は、自分の理由ではなく聴き手にとっての理由であるか?人に話をする前に今一度よく確認をしてみてください。