第1657回「クリスチャン・ヤルヴィによる《ニーベルングの指環》オーケストラル・アドベンチャー」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」を1時間ほどに凝縮したデ・フリーヘル編による「ニーベルングの指環」〜オーケストラル・アドベンチャー〜です。こちらはつい先日放送された「クラシック音楽館」でのファビオ・ルイージ&NHK交響楽団による演奏と同じ版となっています。今回は、クリスチャン・ヤルヴィ&バルト海フィルハーモニックによる演奏です。国内盤のBlu-spec CD2となっているので、高音質盤としても注目的と言えるでしょう。


「クリスチャン・ヤルヴィ指揮/バルト海フィルハーモニック」

ワーグナー作曲、デ・フリーヘル編:
楽劇「ニーベルングの指環」〜オーケストラル・アドベンチャー〜



 ワーグナーが作曲した「ニーベルングの指環」は「ラインの黄金」、「ワルキューレ」、「ジークフリート」、「神々のたそがれ」からなる上演4日間を必要とする大作オペラである。総演奏時間は約14時間かかけて演奏を行う。これまで何回か当ブログでも取り上げている名曲中の名曲である。それと同時に、これほどのスケールがある曲だからこそ高音質盤で聴きたいというもの、その点今回は国内盤を聴いているためBlu-spec CD2の高音質盤で演奏を聴いている。


・ワーグナー/デ・フリーヘル編:楽劇「ニーベルングの指環」〜オーケストラル・アドベンチャー

録音:2013年9月

・・・14時間ある大曲を1時間に大幅カット、編曲を施した抜粋版が今回の「ニーベルングの指環」〜オーケストラル・アドベンチャーである。各曲ごとに繋げて演奏される形となっている。演奏されている曲は以下の通り。


1.前奏曲

2.ラインの黄金

3.ニーベルハイム

4.ヴァルハラ

5.ワルキューレたち

6.魔の炎

7.森のささやき

8.ジークフリートの英雄的行為

9.ブリュンヒルデの目覚め

10.ジークフリートとブリュンヒルデ

11.ジークフリートのラインへの旅

12.ジークフリートの死

13.葬送行進曲

14.ブリュンヒルデの自己犠牲


 「ニーベルングの指環」における主要な音楽とライトモティーフが演奏される。編成も大オーケストラの状態で演奏されているため、サウンドも歌手がいないだけでほとんど同じである。「クラシック音楽館」にてファビオ・ルイージは、この曲をまだ聴いたことがない方には入門的な意味合いとして、この曲をすでに聴いたことがある方には「この曲はこの場面であった。」ような振り返りをすることができる曲として聴くのも面白いと述べられていた。


 演奏として、高音質盤ということもあってダイナミック・レンジの幅広さが非常に素晴らしく、前奏曲における音の広がりはまさに大きな物語の始まりを予感させるような素晴らしい世界観で広がっているワクワク感を味わえるようになっている。この時点で鳥肌が立つのだが、各曲ごとに繋げて演奏されていることもあってメドレー風ではあるものの一つの世界観として最初から最後までたっぷりと楽しむことができるようになっている。特に金管楽器と弦楽器における音色や響きはまさにワーグナー・オペラにおけるそれである。歌手がなく、管弦楽のみで構成されるというのもまた面白いポイントと言えるだろう。

 「ニーベルングの指環」ハイライト版はこれまで多くの指揮者たちによって演奏されてきたが、今回のような編曲版はなかったため非常に素晴らしいと言える。今後このデ・フリーヘル編による「ニーベルングの指環」が多くのオーケストラで演奏されることを密かに願いたいところ。また、今回聴いたことによってオペラ本編を聴きたくなったので、近々またワーグナー・オペラを聴きたいと思う。