第1578回「メニューイン&フルトヴェングラーによるベートーヴェンヴァイオリン協奏曲」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ユーディ・メニューイン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるベートーヴェンの交響曲第1番です。こちらは7月14日に復刻されたSACDハイブリッド盤で、同時にヒンデミットの交響曲「世界の調和」と管弦楽のための協奏曲も発売されました。ヒンデミットに関してはまた後日取り上げていくので、まずはメニューインとのヴァイオリン協奏曲と交響曲第1番をみていきましょう。


「ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団」

ベートーヴェン作曲:
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調作品61


「ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」

ベートーヴェン作曲:
交響曲第1番 ハ長調作品21



 フルトヴェングラーとメニューインによるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲をメインにおき、カップリングという形で「ウィーン芸術週間の第九」と度々セットで扱われるベートーヴェンの交響曲第1番を収録している当盤。フルトヴェングラーとメニューインによるベートーヴェンのヴァイオリン許さんは3種類、フルトヴェングラーによるベートーヴェンの交響曲第1番は4種類とそれぞれ録音が存在しているが、いずれもSACDハイブリッド盤ではこれまで発売されたことがないので今回が初となる。


・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲

録音:1947年9月28日(ライヴ)

・・・メニューインとフルトヴェングラーは、1947年8月29日にルツェルン祝祭管とはじめてこの曲を演奏し、1ヶ月後となる9月28日にベルリン・フィルとこの曲を演奏した。それが当盤に収録されている演奏である。その後として、1953年4月7,8日にフィルハーモニア管と演奏を残している。今回の演奏もライヴ録音ではあるが、確かにメニューインとフルトヴェングラー、そしてベルリン・フィルによる演奏からは非常に安定感のあるバランスの良さと、調和性のある美しい音色と響きをたっぷり味わえるようにも感じられるようになっている。第1楽章におけるカデンツァ(クライスラーによるもの)も素晴らしく、演奏されている間に魅了されるような面白さが演奏から感じ取ることができるようになっている。また、全楽章通して輝かしいサウンドではなくやや生々しさが残るリアリティ感のあるサウンドとなっているため、個人的にはグッとくるものがあった。ノイズも多少あるものの、SACDハイブリッド盤となったことによってダイナミック・レンジの幅広さが増しているため聴きやすくなった印象を受ける。


・ベートーヴェン:交響曲第1番

録音:1952年11月30日(ライヴ)

・・・有名な「ウィーン芸術週間の第九」をはじめとして、復刻される回数が非常に多い印象を受けるこの1952年ライヴの交響曲第1番。これまで通常CD盤がほとんどだったが、今回SACDハイブリッド盤が発売されたのは貴重なことであると言えるかもしれない。同時期における録音でいえば、1952年11月24,26〜28日の「旧EMI」に残された演奏も非常に有名であり、人気の高い音源と言える。今回の演奏に関しては比較的にノイズも抑えられ、ウィーン・フィルによるの機動力はもちろん、明確なダイナミクス変化を味わえるような快活さが演奏にはある。テンポ設定に関しても非常にちょうど良いものとなっており、穏やかかつ緩やかなアプローチが貫かれている。この点に関してこの交響曲第1番のイメージにぴたりと当てはまる仕様であることは間違いないだろう。旧EMI盤とぜひセットで聴きたい録音であることは間違いないだろう。


 メニューインとフルトヴェングラーによるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴いたのは割と久しぶりにも思える感覚で、以前聴いたのは3回目にあたるフィルハーモニア管との演奏である。今回こうして2回目にあたるベルリン・フィルとのライヴを聴き、セッション録音とは違うライヴならではの臨場感が加わった状態での深みや音の広がりを味わうことができた。近年聴かれる演奏とは違うベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を久しぶりに聴くことができて個人的には大分満足している。後日同時発売されたヒンデミットの交響曲「世界の調和」と管弦楽のための協奏曲を取り上げたいと思う。


https://tower.jp/item/5738561/ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲&交響曲第1番<限定盤>