第909回「ベーム&ウィーンフィルによる名盤、モーツァルトの《レクイエム》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日取り上げていくのは8月4日に発売されたタワーレコードの「ヴィンテージSACDコレクション」の一つであるカール・ベームとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるモーツァルトの「レクイエム」です。実は当盤が発売されることを知る前に2004年に発売されたSACDハイブリッド盤をすでに購入していた。そのため今回改めてタワーレコード盤を購入しているわけですが、今回も同シリーズの特徴である本国のオリジナル・アナログ・マスターテープからハイレゾでデジタル化を行いリマスタリングされており、新しいベームの「レクイエム」を体感することができるようになっています。


「カール・ベーム指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」

モーツァルト作曲:
レクイエム



 今年2021年はカール・ベームの没後40年という年で、それに合わせてタワーレコードでは同オーケストラによるブルックナーの交響曲第3番「ワーグナー」や交響曲第4番「ロマンティック」やベルリン・フィルとのブラームス交響曲第1番やベートーヴェン交響曲第3番「英雄」、交響曲第7番が同シリーズで復刻されている。いずれも当ブログで取り上げているが、素晴らしいリマスタリングによってさらに感動できるかのような仕上がりをみせている。

 モーツァルト:レクイエム、クラシック音楽における「三大レクイエム」のうち一つであるモーツァルトの「レクイエム」。近年ではアーノンクールらの古典奏法や室内楽的な演奏やピリオド楽器による演奏が増えてきたため、強固でダイナミックな作品というイメージが少々付いてしまっているかもしれない。私はこれまでアーノンクール盤やカラヤン盤をなどを聴いてきたが、今回のベームによる演奏は今までで一番演奏時間が長いものかもしれない。以前当ブログでも取り上げたカラヤンとベルリン・フィルによる演奏は53:22、アーノンクールとウィーン・コンツェントゥス・ムジクスによる演奏は50:28、そして今回のベームとウィーン・フィルによる演奏は64:44という10分以上の差がついたものとなっている。演奏時間が長いと批判しているわけではなく、こんなにも濃厚な時間を堪能することができた「レクイエム」は聴いたことがないと感じたのである。人によっては好き嫌いが分かれてしまうかもしれないが奥行きがそれなりにあり、ムジークフェラインザールの豊かな響きを見事にまといながらウィーン・フィルが美しい音色を奏でている。また、歌手陣のバランスも非常に良く、歌声は重なって溶け合うかのような美しさである。個人的に気に入ったのはトラック3の奇しきラッパの響きの慈愛に満ちたかのように美しい管楽器の音色が心をグッと掴んだ。まだモーツァルトの「レクイエム」はそれほど数を重ねるほど聴いていないのだが、現時点での個人的な決定盤として当盤にしておきたいと思う。

 さて、タワーレコード限定のベーム&ウィーン・フィルによるモーツァルトの「レクイエム」をみてきたが、音質も非常に良くなり素晴らしいが何といってもベームとウィーン・フィルの相性の良さが演奏が物語っている。実を言うとまだ同シリーズで発売された中でベームとウィーン・フィルによるモーツァルト作品をいくつか聴けていないのだ。ずっと先送りにして方が今回の演奏を聴き、聴く決心がついた。近いうちに当ブログでも取り上げたいと思う。そして今回のベームによるモーツァルトの「レクイエム」はぜひ一度聴いていただければ幸いだ。CDの値段もそれほど高くないので手軽に手に取ることができると思う。ぜひご検討ください。