第597回「バルビローリ生誕121年、代表作であるエルガーの交響曲第1番、2番他がSACD化!」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日12月2日はイギリスを代表とする指揮者サー・ジョン・バルビローリの誕生日です。今年で生誕121年の年を迎えます。今年没後50年企画としてバルビローリの名盤の数々がタワーレコードよりSACD化されました。ウィーンフィルとのブラームス交響曲全集、数少ないベートーヴェンの交響曲など素晴らしいものばかりです。そして、まだ当ブログでも取り上げていないものが一つありました。それはエルガーの作品です。今回は多数のオーケストラと録音された交響曲第1番、2番、フロワッサール、エレジー、ソスピーリ、海の絵が収録されています。


「サー・ジョン・バルビローリ指揮/フィルハーモニア管弦楽団」

エルガー作曲:
交響曲第1番


「サー・ジョン・バルビローリ指揮/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団」

エルガー作曲:
フロワッサール〜演奏会用序曲、弦楽合奏のための「エレジー」、ソスピーリ(ため息)


「サー・ジョン・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団」

エルガー作曲:
交響曲第2番


「ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)&サー・ジョン・バルビローリ指揮/ロンドン交響楽団」

エルガー作曲:
連作歌曲「海の絵」



 「TOWER RECORDS DEFINITION SERIES」にてSACDハイブリッド盤で蘇った今回のバルビローリによるエルガー、同じシリーズで過去に「エニグマ変奏曲」や威風堂々シリーズなどを聴いたのが懐かしく感じる。それらの演奏も素晴らしかったが、今回の交響曲他も非常に素晴らしい仕上がりをみせている。

 フィルハーモニア管と録音された交響曲第1番とハレ管弦楽団と録音された交響曲第2番。この2曲を聴き終えた今、非常に懐かしいさを感じる。過去に交響曲第1番はアシュケナージや尾高忠明らの盤も聴いており、その魅力を知っていた。2番に関しては今回聴いたのが初となる。しかしそうだとしても雰囲気的には親しみやすい。そういう点で懐かしさを感じているのだろうか?ショスタコーヴィチの交響曲にあるような過激さはこの曲にはないものの、マーラーに近い壮大な響きは持ち合わせている。そういった点で、個人的に親しみがあるのかもしれない。バルビローリにとってこの2曲は重要な立ち位置にある曲ということもあり、力の入れ具合もマーラー以上となっている。バルビローリによる同曲の録音は複数存在するが、それらの頂点に立つのは今回の演奏であるということが聴いていただくとよくわかると思う。

 ニュー・フィルハーモニア管と録音されたフロワッサール、エレジー、ソスピーリの3曲。録音状態は割とよく、奥行きが素晴らしい。各曲ごとに親しみやすい選曲で、小品ながら溢れる壮大な響きはこのコンビだからこそ出せた音とも言えるだろう。普段はあまり聴かない3曲だからこそ得られる衝撃がこの演奏には備わっている。1番の次のトラックで3曲が聴けるということもあるのか、交響曲の続きのようにも感じられる。

 ジャネット・ベイカーとの「海の絵」。この曲自体は初めて聴いたがこれは驚いた。ドビュッシーの交響詩「海」のように幻想的なものとはまた違うが、牧歌的でどこか平和で静かな「海」を見ているかのように思える。この曲は過去にSACD化されているようだが、今回の音の広がりはまさに海そのもののように広大である。歌曲というよりもオペラのアリアを聴いているかのようなダイナミック・レンジと透明感ある歌声とそれに応えるロンドン響。これは素晴らしい。

 バルビローリにとって重要なレパートリーの一つであるエルガーの作品。その中でもより良い演奏が今回こうしてオリジナル・アナログ・テープから復刻された。近年だとあまりエルガー作品の録音をされたことを聞かないが、バルビローリを知っているならば全ての人々に聴いていただきたい名盤である。今回のエルガーで2020年におけるタワーレコードバルビローリ没後50年企画のものを全て取り上げたこととなる。マーラーの交響曲の復刻の情報はまだ来ていないので復刻されないことが残念だが、今回の企画盤はどれも楽しめる代物だったということは言うまでもない。ぜひ手に入れて聴いていただきたいものばかりなので、迷っている方は即購入していただきたい。