第541回「バルビローリによる悠然としたシューベルト《ザ・グレイト》とオベロン序曲」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃今年2020年は20世紀活躍した指揮者であるバルビローリ没後50年の年。タワーレコードでは没後50年企画として今日までにエルガー、ベートーヴェン、ブラームスなどがSACDハイブリッド盤でリイシューされている。いずれこの中にマーラーが含まれて欲しいと心の中で願ってはいるが、おそらくないだろうと思ったり思わなかったり。今回はシューベルトの交響曲第9番(現在は8番)「ザ・グレイト」とウェーバーの「オベロン」序曲を取り上げていく。オーケストラはバルビローリが長年共に演奏したハレ管弦楽団。私自身シューベルトはあまり聴かないが、今回満を辞してバルビローリの「シューベルトの世界」へ踏み込んでいこうと思う。


「サー・ジョン・バルビローリ指揮/ハレ管弦楽団」


シューベルト作曲:
交響曲第9番(8番)「ザ・グレイト」


ウェーバー作曲:
「オベロン」序曲



 シューベルトの番号付き交響曲は様々な呼ばれ方がされており「7番→9番→8番」という形で変化している。現在は8番とされているが、9番とされている場合もあるため扱いづらい。しかし、曲の面白さとしては後の交響曲を作った作曲家たちの作品に大きく影響を及ぼしていると言っても過言ではないはずだ。初演はメンデルスゾーンとライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団によって行われた。

 バルビローリは「ザ・グレイト」を2回録音しており、今回の演奏はステレオ録音でのものが採用されている。演奏時間は約53分、悠然としたテンポで演奏するバルビローリらしい運びとなっている。個人的にはブルックナーやマーラーなどが作曲した交響曲に近いものという認識でいるため、数あるシューベルトの交響曲の中でも「未完成」の次に好きな交響曲である。1943年から1958年の間ハレ管弦楽団の音楽監督となったバルビローリはハレ管を立て直し、イギリスでも有名なオーケストラへと育て上げた。全体的にゆったりとした進み具合だが、突如としてテンポが変わった瞬間の推進力は侮ることができない。特に4楽章は活発的になっている。ハレ管との信頼関係もあるためか細部までこだわった形で奏でられる重厚的な演奏には他の同曲録音は太刀打ちできない気持ちにもなってくる。

 カップリングにはウェーバーの「オベロン」序曲が収録されている。バルビローリによるオペラ作品は数少ないが、「オベロン」序曲を聴くだけでも幕開けたる臨場感は楽しむことができる。芯の太い音により、より迫力が増している。ウェーバー作品の中でも「魔弾の射手」に並ぶくらい人気を博しているオペラ作品の序曲、バルビローリが演奏しているというだけでも貴重だ。

 タワレコ限定で発売されたバルビローリのSACDシリーズ。SACDプレイヤーを持ち合わせていない私は通常CD層で音楽を聴いているが、この段階でも充分に音楽を楽しめている。おそらくプレイヤーならば想像以上により音楽を楽しむことができるに違いない。値段を調べてみたが、普通に楽器を買うのと値段が変わらないため驚きを隠せない。「C管トランペットも欲しいのにこの値段は…」と思わず思ってしまったところはあるが、収入が安定し始めた時に購入するべきかもしれない。また、プレイヤーもそうだがスピーカーも欲しい。よくよく考えてみると欲しいものばかり考えているのだが、この欲はおそらく満たされることはないだろう。ひとまず良いイヤホンは持ち合わせているので、ポータブルプレイヤーに音楽を入れ今日もバルビローリの名盤を聴く。