第540回「第九の決定盤がリマスターに!!フルトヴェングラー&バイロイト祝祭管の《第九》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃フルトヴェングラー生誕125年を記念してSACDハイブリッド盤で蘇ったベートーヴェン交響曲全集。その中には多くの人々が愛聴した色褪せることなき名盤も収録されていました。その名盤とはバイロイト祝祭管弦楽団とのベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」、通称「第九」です。フルトヴェングラーが「第九」を振った回数は数え切れませんが、その中でも1951年にライヴ録音された今回の演奏は決定盤として今日知られています。生誕125記念のSACDハイブリッド盤はすでに当ブログでも取り上げています。(最後にURLを乗せておきます。)ということで今回は2019年8月にUHQCD×MQA-CDとして戻ってきたリマスター盤を取り上げていきます。ミュンシュ&パリ管のブラームス交響曲第1番と同時に発売されましたが、意外にもあまり注目されていない模様。生誕125年記念SACDハイブリッド盤と比較しながら今回はみていきたいと思います。


「ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮/バイロイト祝祭管弦楽団」


ベートーヴェン作曲:
交響曲第9番「合唱付き」



 通称「バイロイトの第九」はこれまで何度も発売されてきた。現時点で高音質フォーマットとしては今回のUHQCDが該当するのだが、先ほども話した通り意外にも注目されていない。ミュンシュの幻想交響曲やプレヴィンの「惑星」がリイシューされたのに何故なのか。今回は音質をメインとして話していきたい。演奏に関しては近年の古典奏法と比較すると大オーケストラとしてのベートーヴェンのため響き重視である。また、他の交響曲でもそうだったようにフルトヴェングラーの悠然としたテンポが功を指し、安定感のある壮大な「第九」を聴くことができる。聴いてみれば必ず長年決定盤の地位を保持している理由がわかる気がする。

 今回私は元々持っていたSACDハイブリッド盤とご紹介するUHQCD盤と比べながら聴いてみたが、質としてはほとんど変わらないということがわかった。両方とも高音質仕様になっているため区別をつけづらい。強いて言うならば、UHQCD盤の方が音がダイレクトに聴こえるという点だろうか。フルトヴェングラーの演奏の多くはライヴ録音となっているが、どれもノイズが入り音がこもりがちになっている。そういう点を踏まえて聴いてみると音の輪郭がハッキリとしていて音形は掴みやすいものと考えられる。ただあまり響いていないようにも聴こえる。SACDハイブリッド盤はその点オーソドックスでバランスの良い演奏を聴くことができる。SACD仕様のプレイヤーで聴いた場合それなりに効果は発揮されると思うが私はあいにくSACDプレイヤーを所持していない。ポータブルプレイヤーは所持しているのでこちらであればより詳しく聴き比べを行うことはできる。また、もう一つ注目すべき点なのは歌手と合唱の歌詞の聴き取りである。近年の録音に関しては割とハッキリ聴こえるため聴き取ることはたやすい。しかし、1951年のものとなると聴き取るのも一苦労となる。実際問題フルトヴェングラーによる他の「第九」は演奏がいいのだが歌詞が聴き取りづらいものがある。SACDハイブリッド盤でも充分に聴き取ることができるのだが、UHQCD盤はより音形がはっきりとしているためさらに聴きとりやすい。

 ちょうど今ベートーヴェン作品の多くがUHQCD仕様でリイシューされている。私もその中の一部は購入しているが、わりと楽しむことができている。近年力をつけつつあるUHQCD盤のCD、SACDハイブリッド盤の音質もなかなか良いのだが、手軽に手に入れてすぐに聴きたいという方にはオススメの入門編と言えるだろう。正直音質の違いはほとんどないのでどちらを買われても損はしない。真に音質を求めるならば両方購入するべきだろう。私がそうだったが、今回のUHQCD盤を聴き終えてから思いの外両方とも良いものなので、どちらも捨てがたいという風に思えて仕方ない。フルトヴェングラーが長年振ってきたベートーヴェンの「第九」をここまで高音質で聴くことができるなら満足だ。ただ年代が年代なので、そろそろ復刻に限界が来そうな気がするのは私だけだろうか?とはいえ注目されていない理由がわからないが、2019年に発売されたUHQCD×MQA-CDのリマスターCDはもっと評価されても良いと私は思う。