みなさんおはようございます☀
「泣く子も黙るレニングラードフィル」の愛称を持つムラヴィンスキー率いるレニングラードフィルですが、その音は他のオーケストラの同じ曲の演奏と比較しても180度回転したかのように全く別の曲のような響きと完成された姿を度々このコンビでは見受けられます。
今回はその言葉通りの出来上がりをみせたリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」をご紹介します。
「エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団」
リヒャルト・シュトラウス作曲:アルプス交響曲
ライヴ盤で録音された今回の「アルプス交響曲」は冒頭から物々しい雰囲気で始まる。
録音環境も良い方ではないため常にヴェール包まれたような音質ですがさすがレニングラードフィル。盛り上がりを見せフォルテシモになった瞬間の迫力は春の甲子園でニュースでも取り上げられた習志野高校の美爆音に近いむしろそれ以上の音の圧と塊を聴くことができます。
ただ残念なことといえばトランペットが遠いのか中音域は良く聞こえますが高音域になるとほとんど聴こえないのでリャヒルト・シュトラウスの輝かしいトランペットのサウンドが聴こえづらくて残念な気しかしません。
しかしレニングラードフィルの良さはトランペットらの金管楽器だけではありません。
オーケストラの顔である弦楽器セクションの美しいアンサンブルも今回の演奏でいつも通り力を発揮しています。
今回はそのアンサンブル力が表に出ているため珍しく心地よい美しいサウンドをこのCDでは味わうことができます。
そもそもこの曲自体全ての楽器に対し等しく難易度が高く作曲されている、かつ大編成のオーケストラ、特殊楽器の数々や特殊奏法もあるため現在吹奏楽では徐々に演奏されてきており認知度も上がってきてはいますが、逆に元々のオーケストラの演奏頻度に関しては少ない印象を受けます。
ウィンド・マシーンやサンダー・マシーンは割と吹奏楽でも別の曲で多く取り入れられているのでその点も含め吹奏楽版が演奏されやすい環境にあるんでしょう。
また、この曲の名盤はカラヤン、プレヴィン、ティーレマン、ケンペなど両手で数えきれるくらいしかそもそも録音されたものは存在しません。
その中に今回ムラヴィンスキーの「アルプス交響曲」が加わることは演奏される傾向が少ないこの曲の発展にも繋がるかと思っています。
金管楽器が特に全面的に目立つこの曲との相性はレニングラードフィルと抜群に良いです。
