千葉テレビ,浅草お茶の間寄席で桂枝太郎さんの「電話の向こう」を聴きました。掛け子がおばあさんに振り込め詐欺の電話をします。おばあさんは「今日はお金がないから明日また掛けて」と言って何日も相手をします。実は息子はすでに亡くなっていたのです。息子を懐かしみ,息子と思って話をしたかったのです。最後には掛け子の方がおばあさんを気の毒に思って振り込んでしまうというオチです。落語「夏どろ」は,貧乏な男の所に泥棒に入り,逆に金を恵んでしまうと言う噺です。「電話の向こう」はその噺をヒントに作られた落語ではないかと推察します。

 以前書いた通り,振り込め詐欺の新作落語は別にも聴いています(「新粗忽長屋」)。「新作落語は未来の古典落語」と言う噺家さんもいます。未来では振り込め詐欺が,今の古典の泥棒のように扱われる日が来るのではないでしょうか。