ダイエットのために、ある程度ベジタリアンになることにした。
それで作ったのが、これ↓インドカレー
左側が、ひよこ豆と小松菜のカレー
真ん中が、チキンとシメジのカレー
右側が、ジャガイモと人参のカレー
市販のカレー粉やルーを使わず、スパイスを一個づつブレンドして、それぞれ作った。
味の素や出汁も入れず、塩とスパイスだけの味付けで、とにくか、インドで使わないものは
なにも入れなかった。
ひよこ豆のカレーは、クミンを少なめ、カレーリーフを多めでマイルドな味に。
チキンカレーはクミン、コリアンダーを多めにして、シナモンやグローブで香り高く。
ジャガイモカレーは、ターメリックとカリスメティーを多めで、ほっこりした味に。
これが、インドのカレーと同じような味かというと、そうでもない。
理由は、おいしかったから。
インドのカレーというのは、普通はまずいものだ。
だから、これはインドカレーではなく、インド風カレーということになる。
日本で食べるインドカレーというのは、インドの北西部のカレーだ。
地方によって全然味が違う。
インド北部のカレーも、まぁ食べれないことはない。
問題は南インドのカレーだ。
あれは日本人からいうと、カレーではない。
というか、そもそもインドにカレーという食べ物は存在しない。
インドでも、基本的には日本の昔と同じように、野菜を煮て食べる。
南や東では米を主に食べて、北、西では、小麦粉で作ったチャパティーなどを主に食べる。
ちなみに、日本で有名なナンというパン的なものも、インドではあまり見ない。
ナンは専用の釜がないと焼けないので、町の安食堂や普通の家庭では食べない。
ナンはイースト菌で小麦粉を膨らまして釜で焼いたものだが、普通はイースト菌も入れず小麦粉を水や牛乳、油で練ってそのまま鉄板で焼いたチャパティーなどを食べる。
野菜の煮物の場合、日本は味付けに醤油や味噌、出汁を使うがインドでは代わりにスパイスを使うという違いだけ。
要するにカレーと言われるものは、日本の煮物の味付けを塩とスパイスにしただけのものだ。
そして貧しい家ではスパイスが沢山は買えないので、ほとんど味付けは塩と、少量のスパイスだけということになる。
日本でも、昔貧しかった時はたぶん醤油とか味噌ではなく、ただの塩で味付けしていたと思う。
同じことだ。
日本のカレー屋では、二十数種類のスパイスを・・・・・・・とか、スパイスの種類さえたくさん入れればおいしくなる的な考えがあるが、カレーに必要なスパイスなんて、数種類で十分だ。
クミン・・・・
いわゆるカレーの匂いの素、油でよく加熱して油に臭いを移して使うので、具を炒める前に最初に入れるスパイス
ターメリック・・・
カレーの黄色の素、具をある程度炒めて、煮込む前に入れる
コリアンダー・・・
タイのパクチーや中国の香菜の種。すっきりした香りで、これを入れるとカレーに深みがでる。
唐辛子・・・・・
辛いやつ
基本的にはこれだけで十分。
後は、日本で手に入り易いニンニクや生姜、胡椒くらいあればいい。
香りにこだわれば、①オールスパイス、グローブ、②シナモン、グリーンカルダモンもあるとイイかも。
①は最後にいれて、②は最初に油で熱して使う。②は最後に少量入れても香りが引き立つ。
まあとにかく、これらは入れても耳かき1杯くらいのもので、大して味に影響はない。
また、日本では手に入り難いが、カレーリーフも良い香りがする。
これは、南インドのカレーでよくつかわれるスパイスで、南ではクミンを使わずカレーリーフだけでカレーの香りを出すことが多い。
それから、ぼくのカレーで欠かせないのがカリスメティーという葉っぱだ。
これはほとんど日本では手に入らないが、S&Bのカレー粉にはこのスパイスが結構多めに入っていて、日本人にも実は馴染みがある香りだ。
僕はS&Bのカレー粉が結構好きで、同じような味を作るために10代の頃からいろいろ試したが、なかなかあの香りが出なかった。
それが去年インドに行った時、あの香りの素を発見したのだ。
あれはデカン高原の砂漠のど真ん中にあるホテルで、右も左も砂漠に囲まれていて、でもなぜかサルがウンコをしにくる不思議なホテルだった。
従業員は10人くらいいるのに、泊っているのは僕だけだったように記憶している。
そこで作ってもらったカレーがめちゃめちゃおいしくて、2回目に注文した時厨房で作るところを見せてもらった。
その時に、使っているスパイスを一個一個臭いを嗅がせてもらって、何を入れているか確認していた時、あのカリスメティーを発見したのだ。
この写真にはカリスメティーは写ってない。たしか、他の容器で保存していたような気がする。
写真は上の赤いのが唐辛子、真ん中がコリアンダー、手前の茶色いのがクミン、右下がターメリック、左が塩、塩の上はガラムマサラ、ターメリックの上は分からん。
ガラムマサラというのは、香り付けのミックススパイスで、それぞれ家庭の味がある。
ガラムマサラに入っているのは、グローブ、シナモン、コリアンダー、クミン、グリーンカルダモンなど、香りのスパイスで、料理の仕上げに少しだけ入れて、香りを引き立たせる。
それからクミンは、料理の最初に炒め油の中に入れて使う時は、パウダーではなくホール(そのままの形)のモノを使う。
これはジャガイモと玉ねぎのカレーで、ところどころ浮いている緑のものが、カリスメティーだ。
これを見つけた時に名前を聞いたが、日本に帰ってきたらすっかり忘れていた。
それでとにかく買えるスパイスをどんどんネットで買って、その中でやっとやっと見つけたのだ。
なんの話をしていたか忘れたけど、結局、カリスメティーが最強のスパイスだという話?
ではなく、インドのカレーはマズイという話だったのに、いつのまにかおいしいカレーの話になっていた。
とにかく、一番まずかったカレーは、南インドのアシュラムで食べた配給のカレーだ。
まず、ご飯は水がダボドボで、お粥のような感じだった。
そこにかけるカレーは、ブロッコリーのような野菜のカレーで、スパイスはほとんど全く使っていなかった。
ようするに、 野菜をお湯で煮ただけのもの。
これに自分で塩を入れて食った。
刺激の強いものを食わないという宗教的な理由と、単に材料費の節約だと思うが、あれは酷かった。
ただ、アシュラムで無料で配布されるものなので文句は言えないけど。
そうそう、とにかく南インドはコメがまずい。
タイ米とか、インド北部の長ぼそい米は美味いと思う。
南インドのコメは、でかいのだ。
でかくて、なんかとにかくまずいのだ。
まぁなんかだんだん面倒になってきたので、この辺で終わるけど、
南インド人の人、見てたらごめんなさい。
それから、カレー定食的なものを頼むと、こんなにたくさんの種類のカレーが出てくる。
どうみてもうまそうだ。
ただ、どれを食ってもまずいので、勘弁してほしい。
見た目勝負というか、材料の無駄使いというか、とにかく<お口に合わない>のだ。
まぁなんでもいいけど、結局、ボンカレーとか、カツカレーが一番美味いような気がする。