ドイツDecca盤のレーベルと(ペラ)ジャケットの写真
ベートーヴェン ピアノソナタ集 第1.5.6.7番
ベートーヴェン ピアノソナタ第6番へ長調 第1楽章
Pf. ヴィルヘルム バックハウス
ピアノは旧型のベーゼンドルファーインペリアル290
(鍵盤数は97鍵で普通の88鍵のピアノが最低音がAラの音に対して6度下のCドの音迄ある…パイプオルガンの最低音と同じでC 約18Hz位となる、通常の演奏では使用する事は無いが、ラベルのピアノ協奏曲の第1楽章の最後の音は最低音のGのオクターブであり(オーケストラのコントラバスは5弦の楽器が必要) スタインウェイで弾く時は最低音AとGでオクターブでは無く7度音程で弾く事になる。ラベルの使っていたフランスのエラールはエクストラベース付き90鍵で最低音Gソ迄出せた為、チェコのペトロフのフルコンも最低音Gの90鍵だったが今も⁇(最新のベーゼンドルファー280は88鍵のピアノとなった)
同 ピアノソナタ第6番 第2.第3楽章
pf.W. バックハウス
通常使わない低音域9鍵が有る事で、ベーゼンドルファーインペリアルは独特の重低音の響きを持っている(右ペダルの使用による共鳴効果は絶大) 他のピアノメーカーは いかに高音を鳴らすか…に工夫を凝らしてしていたが、最初期のフルコンのベーゼンドルファーは総アグラフ。
バックハウスの時代のベーゼンドルファーは5セクションの鉄骨のうち最高音域の第5セクションだけ、大きく分厚い後付けで(角度修正の可能な)プレッシャーバーのカポダストロバーを付けているが、バッハ モーツァルトの音域では使うことが無く、ふくよかで柔らかな響きの 何とも言えない美しいウィーナトーンをもつ楽器でした。(最高音域は豊かな重低音に負けない為の工夫で 鋼の音がするピアノでした) 旧型ベーゼンドルファーには最高音域に弱点が在ると(スタインウェイと比べて)言う人も居ましたが、それも個性だと思います。
(当時のYAMAHA CFⅡも東京文化会館の4.5階席まで最高音域の響きは届かずに3階迄で、4.5階席では音が耳の下に聴こえると言う感じでした。ハンブルク スタインウェイの最高音域のみが5階の天井迄届いて跳ね返る音が頭の上から降り注いで来ました。80年代〜の新設計のスタインウェイは直接的に4.5階席に音が届いて来る感じに変わりました。(箱鳴り 遠鳴りは感じられなくなり) オペラでも歌手の力量は4.5階席で聴いていると、その実力が良く分かりました。)
ベートーヴェン ピアノソナタ第七番 第1楽章
pf. W. バックハウス
独DECCAの黒レーベル(初期ステレオ録音盤の)
拡大してみて頂くと 広がりのあるStereOの文字が
西ドイツではベヒシュタインを使用
例によって左右反転画像ですが、このピアノはベヒシュタインです!
YouTubeから
ベートーヴェン ピアノソナタ全集
pf.W, バックハウス 初期ステレオ録音
但し 第29番 ハンマークラフィア のみモノラル録音
(完成前に他界された為旧モノラル全集からのもの)
バックハウスとベーゼンドルファーインペリアル
ベーゼンドルファーは特に湿気に弱く、日本にはかつて3台しかベーゼンドルファーインペリアルは無かった時代が結構長くありました。(スタインウェイの松尾楽器が共に輸入総代理店の時代…旧インペリアル型の時)
上野の東京文化会館にもベーゼンドルファー275が1台有りましたが(その時ハンブルク スタインウェイは4台)殆ど使われず(多分 小ホールで数回の使用のみ) 私が学生の時、都内には青山タワーホール と 渋谷の東邦生命ホール 共に400人程のリサイタルホールに275が1台づつ有るだけでした。国内の何処に3台インペリアルが有ったのか?(演奏家の遠山 慶子さんがインペリアルをお持ちなのは音友の記事で知りましたが…) 当時のベーゼンドルファーは特に夏場の湿気に弱く、音がボケて余り鳴らず(スタインウェイの1/2以下の音量にも感じられる為に…)進んで使用する人が少なかったです。音楽生達もドイツに留学というよりは、ニューヨークのジュリアードか 目指せ ウィーン国立音大!でしたが、ベーゼンドルファーを弾く人は数少なかったです。
(ショパンコンクールで4位に入賞した海老 彰子さん
(フランスに留学)がベーゼンドルファーを進んで弾いていた位で…もしかすると東京文化会館大ホールでベーゼンドルファーを弾いた?のを聴いた⁇ 、小ホールでは藤原 雪乃さんがリサイタルでベーゼンドルファー275を弾いていました) サントリーホールで新型インペリアルを聴いたのもリサイタルホールの方で大ホールでは無かった記憶です。音楽の友社ホール(神楽坂)に出来て新型のベーゼンドルファー(275?)が入ってからは
耳に馴染みのある楽器となりました。
普段ベーゼンドルファーを弾いているピアニスト フランス クリダ フランソワ.R.デュシャーブルのコンサートの時も日本のベーゼンドルファーは気に入らなかったのか?ホールに無かったのか⁇ スタインウェイを弾いたと記憶…。
特に湿度管理されていないステージ裏に放置!された
(上記した2台のベーゼンドルファー275も)アクションが湿気にやられて鍵盤が重く(鈍く)感じられました。
今の一つ前の、新型ベーゼンドルファーの鉄骨となり、カポダストロバーが第4第5セクションにつけられ改良?(かつての ふくよかさが薄れたと残念がるファンも多数?おりました)した時に、日本ベーゼンドルファー(株)が作られ、新設計ベーゼンドルファーは国内で最高1年間で93台売れたそうです。(スタインウェイが国内で年間100台〜の販売実績の頃)21世紀になりベーゼンドルファー社がYAMAHAの傘下に(買収)された時に(株)日本ベーゼンドルファーは無くなりました。
新型ベーゼンドルファーインペリアル290
第4第5セクションに大きな後付けのカポダストロバーが付けられ(画像右側)旧型は第5セクションのみ。
最低音域は全て黒塗りの鍵盤となりました(画像左側)普段88鍵のピアノを弾いている人が、97鍵になった時の勘所が狂って弾き難くならない為に。(この1つ前のモデルは黒い蓋が付いていました。
現在はスタインウェイもベーゼンドルファーも実年間製造数は1980年代と比べてほぼ半減しています。コロナ期のスタインウェイは1400台程、ベーゼンドルファーは300台程、数社を纏めたベヒシュタイングループが2000台〜程。(スタインウェイもBoston←KAWAI委託. Essex←韓ユンチャンに委託製造のDesigned By STEINWAYを含めた台数は他社製造として未公表)
(かつてスタインウェイはNY.ハンブルク共に年産 各2,000台でしたので寂しい限りです) 利益を得られるラインには無いので 値上げさらに、円安からの値上がりもしています。
かつての例(ピアノを買い替えを考えていた80年代)ですとハンブルクスタインウェイのフルコンサートグランドピアノが980万円の時、ベーゼンドルファーインペリアルは880万円、ベーゼンドルファー275は700万円台、オーストリアシリングとドル安の円高だったので、NY スタインウェイのフルコンは698万円‼︎ と1番安かったです。GPで言うと、ハンブルク スタインウェイのS155 が398万円の時、NY スタインウェイのS155は268万円でした‼︎(私が高校生の時、池袋西武百貨店の10.11階には100台〜のピアノが展示してあり西武はシアーズ百貨店と提携していたのでNY STEINWAYのSが
何と190万円‼︎ でしたので、社会人になり、268万円でも驚き!…年利9%でSの購入は無理と…)
ベーゼンドルファーについては上野の松坂屋の音楽フロアに一段高い所にベーゼンドルファー170木目艶出しが、長く270万円で展示してあり、同じ物が翌年に380万円(その年ハンブルク スタインウェイSは498万円)に(ドイツのインフレで)値上がりしていて驚きました。
(同じ楽器なのに⁉︎何で⁇ デパートは買取(仕入れ販売)では無く、スペースを貸して委託販売でもある事をずっと後に知りました)
かつての価格を知っていると、今の中古価格は信じられません!
YAMAHAもG2 55万円 G3 60万円 C3 65万円
U1 35万円 U3 45万円 UX50万円→YUX60万円
の時代にピアノを買い替えましたので。(姉からのピアノは 流石に古くてガタが来ましたので←楽器が悪かったのでは無く、当時の量産調律師は整備が出来なかった、直すより売ることが使命だった⁈為という事が今になって分かりました。) 色々探り、弾いてNY STEINWAY V1098. (45インチ鉄骨でNYは黒艶消しでキャスター無し118cm ハンブルクは同じ鉄骨で木目艶出しキャスター付きで298万円でした) を180万円で購入しました(YAMAHAC7と同価格でしたが、音には大変満足して、独学?で初Jazz⁉︎ラプソディ イン ブルーのソロ版を弾きました…懐かしい‼︎)←本当は値上がりで210万円でしたが、旧価格のままで良いと…日本で初めてスタインウェイを年利9パーセントでSONYローンで買った人に認定されました!…他のお客様達は新品は現金一括での購入だった様です‼︎(…当時松尾楽器では中古販売はして無かったので)
(7年後にテフロンブッシュを使ったアクションの不具合が気になり←冬場はカチヤカチヤ弾くたびにアクションから雑音が出るのでが気になり手放しました。1鍵のアクションで4箇所、ハンブルク用のカシミアフェルトに交換すると←修理に60万円〜と言われて) NY製は、この化学材使用のアクションはGPだと交換修理に100万円以上掛かると言われていました(倒産した松尾楽器のスタインウェイコンサートチューナーの話)ので、中古のNY STEINWAY の購入は1960年代後半〜1980年代のもので、(製造番号で50万代辺り迄は)ご購入される際には要注意‼︎です。
スタインウェイの純正部品代は他より数倍高いので、純正部品使用のOHされたスタインウェイの値段が高いのは納得ですが、ざっと日本で売られている中古スタインウェイの90%は純正部品では無く、レンナーのスタインウェイタイプの部品やレスロー弦でも普及品レベル(国産ピアノでレスロー弦使用と言う青か黒ラベルの大巻き弦、世界三大名器は金ラベルのレスロー弦使用) でOHして、ボロ儲けしている所が殆どです!要注意‼︎
スタインウェイは純正弦での交換で100万円、鉄骨を外してのネジ締め直しと弦張り、純正ハンマーで交換してアクション.鍵盤の整備(フェルト.革類の交換のフルOHは300万円以上掛かりますので…。) 新品価格の7割で販売が昔からのドイツでのスタインウェイ中古の価格でした。
ベートーヴェンも弾いた仏エラールのピアノ
イーヴ ナットと日本 エラールピアノ
イーヴ ナットはフランス人だかベートーヴェン、ブラームスを得意とした。作曲家でもあり、パリ音楽院で長く教鞭もとった。
ナットの高弟として日本のピアニスト創世記の井口 基成が居り(基成と妹の愛子の井口派…桐朋音大、彼の妻の秋子系の東京音大)その弟子のピアニストは沢山輩出していました。(中村 紘子 野島 稔 宮沢 明子 他) イーヴ ナットは日本人と同じく?手の小さなピアニストだったので、彼の独特な運指が、井口 基成編の春秋社からの楽譜版が多く有り(お世話になりました)
私の先生方も東京音大のフランス-ロシア奏法系で
(日本の中では少し珍しい亜流系統になります…これもご縁ですが、日本の主流系で無くて良かったです‼︎)←一言でいえば、YAMAHAでガンガン弾くのを嫌がる派!
石橋(ブリヂストン)美術館の平行弦のエラール
エラールの平行弦のピアノは受注生産では1920年頃迄製造を続けていました。(最期まで拘りが有り)
新潟三条市の高校に有ったコンサートグランドピアノ
交差弦鉄骨だかエラールは交差部分が少なめ
エクストラベース 最低音がAラでは無くGソの90鍵
OHされたのがTVでもニュース放映されていました。
モノラル録音後期の優秀録音盤(EMI PATHE仏)
ベートーヴェン ピアノソナタ全集 YouTubeから
pf.イーヴ ナット
1951年〜55年の録音、ナットは56年に他界しており最期の偉業となった。エラール(&ガボー協会)ピアノは
1965年に倒産してプレイエルに合併となったが、そのプレイエルも1970年に倒産した。ベートーヴェン、ショパン、リストの弾いたピアノは消滅した。
エラールらしい美しさの感じられる曲趣の初期ソナタ
ピアノソナタ第9番 pf. Y. ナット
フランス人でも有り、録音にはエラールが使われたと思われる。スタインウェイよりも少し古くさい、古典的な香りのするピアノの響き。
ナットは日本人ピアニストの先生の先生なので、上に記した様に どこか日本人の弾き方と似ている為か…⁉︎
聴いていて一番自然に、馴染みのある響きがする。
(ピアノがスタインウェイでも こんな響きを出す!)
(ケンプもバックハウスの全集もYouTube音源はLP盤とは 響きが違うと感じる所が多々有り)
ベートーヴェンのピアノソナタ全集です。(ながら…で良く聴く全曲演奏です…お薦め!(ナットは余り知らない方も、多いかと思います。彼の弾くブラームスのヘンデルバリエーションは外盤のLPで本当に良く聴きました。) …どこか、誰かが?日本人のピアニストが全集を弾いているLiveをFM放送で聴いている様な感覚が有ります!















