ドボルジャーク ソナチネ ト長調  op.100

フェルト  ソナタ

マルティヌー スケルツォ(ディヴェルティメント)

 

 余り知らない、演奏されない曲集?


ドボルジャークのフルートの為のソナチネ… 余り聴かない曲⁈…第二楽章に聞き覚えのあるメロディーが。

このカップリングの中でのドボルジャークのソナチネは各楽章にメロディーが溢れています。時にボヘミアでは無く、日本の晩秋?…を思わせるメロディーラインも…。

 

 


フェルトのソナタは 初?…小鳥の囀りの様な曲趣で始まり…小鳥の啄み…羽ばたき…喧騒!…と想像が膨らむ曲です。フルートと時にフルート2台とも思わせる色彩感豊かなNY STEINWAYとの対話?競演⁈が愉しい。((チェコのペトロフピアノ(←ボヘミアのベーゼンドルファーと言われた)での共演だったら印象がまた違ったかも⁈)) 


マルティヌーは(1890−1959)は スメタナ ドボルジャーク ヤナーチェックの陰に隠れていた存在から?

 最近 再認識されつつある作曲家。スケルツォは2分程度の小品。ドボルジャークに比べると時代の先取り感のある佳曲です。

1980年NY30番街のスタジオでの録音

既にデジタル録音が始まっている時ですが、CBS

は未だアナログ録音でした!

 

ジャン ピエール ランパルの柔らかい太くそして輝かしい華麗な金のフルートの響きを当時の最高のアナログ録音の技術でのレコーディング。

 

CBSのデジタル録音化の遅れた理由の一つ

…当時STEINWAY社はCBSの楽器部門に属していました。(73年にCBSに身売りした)

スタインウェイのイニミタブルトーンの中には

ハーモニーする雑音成分が有って、あの太くて

華麗で美しい響きが成されていました。

13ビット録音の約7万通りのデジタル信号記録、

16ビットで9万…、ピアノの88鍵のなす音、ペダル使用による複雑な響き…。その全てをデジタル録音化して記録出来る訳が無い…。

…STEINWAYの改良←改悪と思っています!

デジタル対応のピアノにする…つまり、今の

スタインウェイの響きです。


このLP盤は片面18分程度と詰め込みして無いので

ランパルの吹く金のフルートとニューヨークスタインウェイの響きがとても良く記録されています。

当時流行りつつ有った⁇digital録音で無くて良かったと思います。 アナログ録音の最優秀録音盤!…但し、CBS SONY(国内盤)は音質優秀なのに、盤材は⁈特にこの季節からはパチパチノイズが盤の静電気で出ます!…帯電防止シートをターンテーブルの下に敷いているのですが、盤を取る時にそのシートが盤に着いて取れる程の静電気です‼︎  この当時の2,800円はdigital録音LP盤の値段なのですが!

 

自身も初期13ビットのSONYの録音機でSTEINWAY A型GPで録音をしたところ、有名なショパンのノクターン op.9-2の終わりのハーモニーで長くペダルを使って消え入る様に伸ばして…終止。(A=442Hzで平均律調律をした後にE♭を根音とする和音はビートが多くなり易い…、F#もであるが)

その和音の終わりがアナログ録音なら〜〜〜と複雑に揺れながらも音の全てがテープに録音されました。13ビットデジタル録音ではー ー ー と音が途切れ、しかも小さな音で ブッーブッーブッー とその隙間に雑音が出て CDに傷が付いた様な…再生音になってしまいました。

つまり、スタインウェイのフルコンサートグランドピアノの響きは当時のデジタル録音の技術では記録しきれないと言う事だったのです。

 

比較すると、ドイツ ベヒシュタインやブリュートナーの純粋な響きは デジタル録音化し易かったかも知れません。ウィーンのベーゼンドルファーインペリアル290cmはどうだったのでしょうか? それらはハーモニーする響きを大切にする設計をされている事には違い有りません。

スタインウェイは最初から平均律で良く鳴るピアノとして 鉄骨共鳴装置も含めて、ハーモニーする複雑な響きと平均律によるビート、それらを融合した、喩え様の無い響きと言われるイニミタブルトーンを確立していたのです。1973年にCBSに身有りの際は、

工場長に、セオドア スタインウェイがいましたが、

経営からは完全に手を引きました。


デジタル録音対応した もっとクリアな響きを

1980年代に鉄骨を変えてNEW STEINWAYが

そして、さらに二代目のNEW STEINWAYが

代々のスタインウェイ家とは全く関係無い、

創業者ヘンリーの甥の家系のピアノ製造には

全く関係していないスタインウェイ氏を

形だけの工場長に据えおいて、

(いかなる変更をしても口出しの出来ない)

Conn.Selmer.Co.によって作られているのです。

ピアノの改革⁈には出遅れましたが(研究し尽くして) その甲斐があって、デジタル録音でクリアに記録出来る、誰が弾いても同じ音で 美しい響きを持つSTEINWAYが世界のホールを寡占状態にしました。複雑な

ハーモニーする倍音は出ない楽器となり、細く硬い

クリアな響きとなりました。しかし、品質が上がった訳では無いので(コンクールなら1位無しの2位のピアノに成り下がった) YAMAHA のCFX .Shigeru KAWAI 、FAZIOLI らに追いつかれ(時に追い越され⁇)昨年のショパン国際ピアノコンクールで1位の弾くピアノは イタリアのファチオリだったのです!そしてKAWAIを弾く人も入賞しました!

(私は1920年代〜1980年代迄のスタインウェイは世界一のピアノだったと思っています)

 

長々と書きましたが、そのNYスタインウェイが

この録音には使われています…クラシックで伴奏向き…少し大人しめのNYスタインウェイです。(ホロビッツの弾くスタインウェイと比べても)

しかし、深い低音のジーンと響く音、喩えようの無い中音域の独特な(特にNYSTEINWAYの鋼鉄線はハンブルグのレスローよりも硬い弦なので)複雑で多彩な響き。f ff でガン!と鳴らす時には ホロビッツトーンでお馴染みのニューヨークの響きが‼︎ 



…フェルトのソナタではピアノも活躍します‼︎1925年生まれの作曲家ですから、現代的な手法も当然取り入れています。フルートと対等、対峙、時にそれ以上にピアノが活躍しますので、愉しい曲です。ドボルジャークとは100年〜の違いが顕に感じられます。